
パソコンを購入する際、もっとも頭を悩ませるのはCPUをIntel製にするか、AMD製にするかの選択でしょう。長年のライバルでありつつも、シェア面ではIntel製CPUが圧倒していましたが、昨今ではAMD製CPUの人気も高まり、これまで以上に難しい選択となりつつあります。
そこで今回は、AMD製CPUの「Ryzen」にスポットライトを当て、その特徴やラインナップ、Intel製CPUとの違い、さらには型番の読み解き方などを解説していきます。
近年の「AMD Ryzen」は、マルチコア性能を活かしたクリエイティブ用途に加え、大容量L3キャッシュを備えた「3D V-Cache」搭載モデルがゲーミング用途でも高く評価されています。あなたの選ぶべきCPUかどうか、ぜひ本記事を参考に、じっくりと検討してみてください。
目次
1.「AMD Ryzen」の特徴とIntel製CPUとの対応関係
1-1.「AMD Ryzen」の特徴
AMDの主力CPUである「Ryzen(ライゼン)」は、2016年末に発表され、2017年に第1世代製品が登場したCPUブランドです。「Zen」アーキテクチャと呼ばれる設計技術を採用しており、現行の「Ryzen 9000」シリーズは「Zen 5」世代となっています。
高いマルチコア性能を備えているのが特徴で、特にクリエイティブ用途での高い人気を誇ります。現在ではゲーミング用途でも話題を呼んでおり、大きくシェアを拡大。特に、2022年にリリースされた「Ryzen 7 5800X3D」で採用された「3D V-Cache」と呼ばれる積層構造により、L3キャッシュを大容量化することで、フレームレートの向上に貢献しました。コアなゲームユーザーを中心に、ゲーミング用途でも注目のCPUとなっています。
「Ryzen」シリーズは、性能帯に応じて、「3」「5」「7」「9」といった「グレード」で表現されており、数値が大きいほど性能が高くなります(現行の「Ryzen 9000」シリーズは「5」「7」「9」のみ)。用途や予算に応じたグレードを選ぶことになりますが、基本的にはグレードが上がるとコア数も多くなりますので、マルチコア性能が重要となる用途では、グレードの高いCPUを選ぶのがおすすめです。
なお、現行の「Ryzen 9000」シリーズは、一部を除いてグラフィック機能を内蔵。また、APU(Accelerated Processing Unit)として展開されている「Ryzen 8000G」シリーズは、「Zen 4」世代ではありますが、高性能なグラフィック機能を内蔵しているほか、上位モデルにはAIに特化したNPU「Ryzen AI」が搭載されています。
| 「AMD Ryzen」の主なラインナップ | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 名称 | コア数 | スレッド数 | 最大ブーストクロック | ベースクロック | TDP |
| 「AMD Ryzen 9000」シリーズ | |||||
| Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition | 16 | 32 | 最大5.6GHz | 4.3GHz | 200W |
| Ryzen 9 9950X3D | 16 | 32 | 最大5.7GHz | 4.3GHz | 170W |
| Ryzen 9 9950X | 16 | 32 | 最大5.7GHz | 4.3 GHz | 170W |
| Ryzen 9 9900X3D | 12 | 24 | 最大5.5GHz | 4.4GHz | 120W |
| Ryzen 9 9900X | 12 | 24 | 最大5.6GHz | 4.4GHz | 120W |
| Ryzen 7 9850X3D | 8 | 16 | 最大5.6GHz | 4.7GHz | 120W |
| Ryzen 7 9800X3D | 8 | 16 | 最大5.2GHz | 4.7GHz | 120W |
| Ryzen 7 9700X | 8 | 16 | 最大5.5GHz | 3.8GHz | 65W |
| Ryzen 5 9600X | 6 | 12 | 最大5.4GHz | 3.9GHz | 65W |
| Ryzen 5 9600 | 6 | 12 | 最大5.2GHz | 3.8GHz | 65W |
| Ryzen 5 9500F | 6 | 12 | 最大5GHz | 3.8GHz | 65W |
| 「AMD Ryzen 8000G」シリーズ | |||||
| Ryzen 7 8700G | 8 | 16 | 最大5.1GHz | 4.2GHz | 65W |
| Ryzen 7 8700F | 8 | 16 | 最大5.0GHz | 4.1GHz | 65W |
| Ryzen 5 8600G | 6 | 12 | 最大5.0GHz | 4.3GHz | 65W |
| Ryzen 5 8500G | 6 | 12 | 最大5.0GHz | 3.5GHz | 65W |
| Ryzen 5 8400F | 6 | 12 | 最大4.7GHz | 4.2GHz | 65W |
| Ryzen 3 8300G | 4 | 8 | 最大4.9GHz | 3.4GHz | 65W |
1-2.「Ryzen」とIntel製CPUの対応関係
前述の通り、「Ryzen」は、「5」「7」「9」といったグレード表記によっておおよその性能を示していますが、このグレードによる性能表記はIntel製CPUでも採用されています。そして、現行の(デスクトップ向け)「Intel Core Ultra 200Sシリーズ」のグレードに「3」がラインナップされていない点も「Ryzen 9000」シリーズと同じです。
「Intel Core Ultra」でも、グレードの数値が大きいほど性能が高くなり、コア数も多くなるため、「Ryzen 5」は「Core Ultra 5」、「Ryzen 7」は「Core Ultra 7」、「Ryzen 9」は「Core Ultra 9」と比較されることが多くなります。
このグレードによる比較は、おおよその目安としては便利ですが、「Ryzen」と「Core Ultra」を直接比較する場合は、必ずしも正確な指標とはなりません。また、世代が異なると、同じグレードでも大きく性能が異なります。グレードの数値はとてもわかりやすい基準ですが、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。
| 「グレード」が示す主な用途 | |
|---|---|
| グレード | 主な用途 |
| 3 | コア数を抑えた低価格のエントリーモデル (デスクトップ向けの「AMD Ryzen 9000」シリーズでは未展開) |
| 5 | ビジネスから趣味まで幅広く利用できるミドルクラス |
| 7 | ゲーミングやクリエイティブなど高負荷な作業にも対応できるハイエンドモデル |
| 9 | ハイエンド用途の処理速度と多コア化により高いパフォーマンスを発揮するフラッグシップモデル |
購入時は、グレードだけでなく、コア数、クロック、キャッシュ容量、消費電力、ベンチマーク結果なども確認しましょう。
2.「AMD Ryzen」と「Intel Core Ultra」の比較ポイント
2-1.「シングルコア性能」と「マルチコア性能」
「AMD Ryzen」と「Intel Core Ultra」を比較する際、もっとも注目を集めるのはやはりパフォーマンスです。AMD製CPUとIntel製CPUのどちらが優れているかという議論は、パソコンユーザーの間では途切れることのない話題と言ってもよいでしょう。
CPUの性能は多くの場合、様々なベンチマークソフトによって計測されますが、各CPUにはそれぞれの設計思想があり、得手不得手があるため、使用するベンチマークソフトによって結果は大きく異なります。特定のベンチマークソフトの結果をもって、CPUの優劣を一概に決めることはできません。
そこで、CPUの性能を測るひとつの指標として、「シングルコア性能」と「マルチコア性能」に分けて考えてみることにします。「シングルコア性能」はゲーミングや操作の軽快さにつながりやすく、「マルチコア性能」はクリエイティブ用途や複数ソフトの同時利用の際に注目されるポイントとなります。
以前は、AMD製CPUは「マルチコア性能」、Intel製CPUは「シングルコア性能」に強みがあると語られることが多くありました。しかし現在は、どちらも世代ごとに性能が大きく向上しており、単純に「AMDはマルチ」「Intelはシングル」と分けるのは難しくなっています。そのため、CPUを選ぶ際は、メーカー名だけで判断するのではなく、実際に使うソフトやゲーム、ベンチマーク結果、消費電力、冷却性能まで含めて比較することが重要です。
本サイトの「CPU性能比較表」において、BTOメーカー・サイコムが複数のベンチマークソフトなどを利用して独自に測定した結果を見ると、マルチコア性能では「Ryzen Threadripper」など多コアCPUが強く、シングルコア性能ではIntel製CPUが上位に入る傾向も見られます。
ただし、ベンチマーク結果は測定環境やソフトによって変わります。「CPU性能比較表」の数値は、あくまでCPU選びの参考値としてご確認ください。
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2-2.内蔵グラフィックスの違い
内蔵グラフィックスは、CPUに内蔵されているグラフィック機能のことで、ビデオカードを組み合わせることなく、画面出力ができる便利な機能です。ただし、性能的にはあまり高くないため、本格的なゲーミングなどには向きませんが、ビジネス用途のパソコンなどでは、コストを抑えるための大きな味方となります。
かつて「AMD Ryzen」にはグラフィック機能が内蔵されていませんでしたが、現行の「Ryzen 9000」シリーズには、一部を除き、ほとんどのモデルに「Radeon Graphics」と呼ばれるグラフィック機能が内蔵されています。そのため、ゲーミングやクリエイティブ目的でなければ、ビデオカードなしでも問題ありません。また、「Ryzen 8000G」シリーズは、より高性能なグラフィック機能を内蔵しているため、軽めのゲームであれば十分に楽しめる性能を発揮します。
一方、Intel製CPUを見ると、現行の「Intel Core Ultra」も、多くのモデルでIntel Graphics系の内蔵グラフィックスを備えており、インターネット閲覧や動画視聴、Office作業などには十分な性能を発揮します。ただし、本格的な3Dゲームや高負荷なクリエイティブ用途では、別途ビデオカードを組み合わせる必要があります。

2-3.消費電力・発熱の違い
消費電力と発熱は、パソコンの安定性や静音性に大きく関わる重要な要素です。特にCPUは、性能が高くなるほど、消費電力が大きくなり、発熱も増える傾向にありますので、CPU本来のパフォーマンスを引き出すためには、十分な冷却が必須となります。
CPUの発熱や冷却設計の目安として使われることが多い「TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)」をみると、「AMD Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition」の200Wを筆頭に、上位モデルは170Wや120Wなど、100W超えのTDPとなっていますが、「AMD Ryzen 7 9700X」以下のモデルは65Wと低めに抑えられているのが特徴です。
一方、Intel製CPUでは、ベース動作時の電力目安である「PBP(Processor Base Power)」と、ターボ動作時の上限目安である「MTP(Maximum Turbo Power)」が示されています。
例えば「Intel Core Ultra 9 285K」や「Intel Core Ultra 7 265K」がPBP125W/MTP250Wであるのに対し、「Intel Core Ultra 5 245K」はPBP125W/MTP159Wとなっており、同じPBP125WでもMTPが大きく異なるのがわかります。また、「Intel Core Ultra 9 285」や「Intel Core Ultra 7 265」になるとPBP65W/MTP182Wとなります。
なお、実際の消費電力は、マザーボード設定、冷却性能、電力制限、使用するソフトウェアによって変わります。CPUを選ぶ際は、TDPやPBP/MTPだけでなく、CPUクーラーや電源容量とのバランスも確認しましょう。
| 主なCPUのTDPおよびPBP/MTP | |||
|---|---|---|---|
| 名称 | TDP | PBP | MTP |
| 「AMD Ryzen 9000」シリーズ | |||
| Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition | 200W | - | - |
| Ryzen 9 9950X | 170W | - | - |
| Ryzen 9 9900X3D | 120W | - | - |
| Ryzen 7 9800X3D | 120W | - | - |
| Ryzen 7 9700X | 65W | - | - |
| Ryzen 5 9600X | 65W | - | - |
| Ryzen 5 9600 | 65W | - | - |
| 「Intel Core Ultra」シリーズ | |||
| Core Ultra 9 285K | - | 125W | 250W |
| Core Ultra 9 285 | - | 65W | 182W |
| Core Ultra 7 270K Plus | - | 125W | 250W |
| Core Ultra 7 265K | - | 125W | 250W |
| Core Ultra 7 265 | - | 65W | 182W |
| Core Ultra 5 245K | - | 125W | 159W |
| Core Ultra 5 245 | - | 65W | 121W |
2-4.マザーボードとの互換性
パソコンを購入する際、長く使用することを考えると、将来的にCPUの換装ができるかどうかもチェックしておきたいポイントです。そのためには、マザーボード、特にソケット形状についても注目しておく必要があります。
現行の「AMD Ryzen 9000」シリーズは、2022年に登場した「ソケットAM5」と呼ばれるソケット形状を採用しています。この「ソケットAM5」は、「Ryzen 7000」シリーズから導入されたものです。そのため、現在「Ryzen 7000」シリーズを利用されている方は、BIOS(UEFI)更新こそ必要となりますが、基本的には「Ryzen 9000」シリーズに換装することが可能となっています。
AMDは、少なくとも2029年までAM5プラットフォームのサポートを表明しており、今後登場するCPUでも引き続き利用できる可能性があります。ただし、実際の対応可否はマザーボードやBIOS更新状況によって異なります。
一方、Intel製CPUは、2~3世代でソケット形状が変更されることが多く、2021年11月に発売された第12世代の「Core i」シリーズから2023年10月に発売された第14世代の「Core i」シリーズまでの3世代のソケット形状は「LGA1700」ですが、2024年10月に発売された「Core Ultra シリーズ2」のソケット形状は「LGA1851」となっているため、物理的に互換性はありません。
ソケット形状が変更されるまでのスパンは世代によって異なりますが、AMDは同じソケットを複数世代にわたって長く使う傾向が強く、Intelは比較的短いサイクルで変更されることが多くなっています。 パソコンの進化にはCPUだけでなく、メモリやビデオカードなど様々な要素が影響するものの、ソケット形状だけに注目した場合、AMDのほうが同じマザーボードを長く活用できる(CPUを換装しながら長く使い続けられる)可能性が高いといえるでしょう。
3.「Ryzen」シリーズの型番の見方
パソコンについてあまり詳しくない方にとって、「AMD Ryzen 9 9950X」などの名称を見てもなかなかその性能までは想像がつきにくいかもしれません。そこで今回は、「AMD Ryzen」シリーズの型番の読み解き方を紹介します。
3-1.「AMD Ryzen」の型番
「AMD Ryzen」シリーズの名称は、基本的に「ブランド名」+「型番」で構成されます。「AMD Ryzen 9 9950X」の場合、「AMD」がメーカー名、「Ryzen 9」がブランド名(+グレード)、「9950X」が型番となります。
なお、「型番」には複数の要素が含まれており、最初の数字は「9000」シリーズなどの「世代」を表します。つまり、「8000G」シリーズであれば「8」、「7000」シリーズであれば「7」から「型番」が始まることになります。また、末尾の「X」は機能・特徴を示す符号となっており、「型番」と一言で表現していますが、正確には「世代」+「型番」+「機能・特徴」で構成されたものとなっています。


3-2.「AMD Ryzen」のグレードについて
「ブランド名」に付与される「グレード」は、先にも述べた通り、「3」「5」「7」「9」といった数字で、CPUの大まかな性能を示す指標です。数字が大きいほど、性能が高くなるため、高負荷の作業をする方は、グレードの高いCPUを使用したほうが、処理の快適性も高まります。
なお、デスクトップ向けの主な「AMD Ryzen」は、グレードとコア数がある程度連動しており、「Ryzen 5」は6コア、「Ryzen 7」は8コア、「Ryzen 9」は12コアまたは16コアのモデルが中心となっています。
| 世代別「グレード」とコア数の関係 | ||||
|---|---|---|---|---|
| グレード | 9000シリーズ | 8000Gシリーズ | 7000シリーズ | 5000シリーズ |
| Ryzen 9 | 12/16 | - | 12/16 | 12/16 |
| Ryzen 7 | 8 | 8 | 8 | 8 |
| Ryzen 5 | 6 | 6 | 6 | 6 |
3-3.型番末尾の記号が示すもの
「AMD Ryzen」の型番は、末尾に記号を付与することで「機能・特徴」が示されます。つまり、このアルファベットを知っていれば、そのCPUにどんな機能・特徴があるのかを把握できるわけです。
末尾の記号には様々な種類がありますが、その多くはモバイル向けCPUで使用されており、デスクトップ向けの「Ryzen」の場合、まずは「X」「F」「3D」の3つを押さえておきましょう。
| X | 高性能モデル | 無印モデルよりも高クロックで性能が高いことを示します |
| F | 内蔵グラフィック非搭載 | グラフィック機能が内蔵されていないため、画面出力にははビデオカードが別途必要となります |
| 3D | 3D V-Cache搭載 | 「3D V-Cache」と呼ばれる3D積層構造を採用することで大容量L3キャッシュを搭載したモデル |
なお、かつてグラフィック機能を標準で搭載していなかった時代は、内蔵グラフィック機能を搭載しているモデルには「G」の記号が付与されていました。現行のデスクトップ向けモデルにおいては、「Ryzen 8000G」シリーズに加え、2026年にソケットAM5対応でNPUを強化したデスクトップ向けAPU系ラインナップとして発表された「Ryzen AI 400」シリーズにおいても、引き続きこの「G」が使用されています。
また、「AMD Ryzen 9000」シリーズの最上位モデルとして、2026年4月にリリースされた「AMD Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition」は、型番末尾の記号が非常に長くなっていますが、これは2つのCCDそれぞれに3D V-Cacheを搭載したモデルであることを示しており、L3キャッシュ容量を192MBまで拡大しているのが特徴となっています。
4.【用途別】「Ryzen」を選ぶときに見るべきポイント
4-1.ゲーミングPCなら「3D V-Cache」搭載モデル
ゲーミングPCでは、GPU性能が最も重要ですが、CPUのシングルコア性能やキャッシュ容量、ゲーム側の最適化もフレームレートに影響します。かつてはIntel製CPUが高いシェアを占めていましたが、現在ではAMD製CPUの人気も高まっており、「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: May 2026」を見ると、Intelの55.02%に対してAMDは44.97%(2026年5月時点)と、AMDが着実に差を縮めつつあることがわかります。
特に注目したいのが、大容量L3キャッシュを搭載した「3D V-Cache」搭載モデルの存在です。ゲーミングPCはビデオカードの性能が最重要視されますが、「3D V-Cache」搭載モデルを組み合わせれば、同じビデオカードでもさらなるフレームレートの向上が見られるなど、少しでも快適なプレイを目指すゲーマーに高い人気を誇っています。
とはいえ、やはりゲーミングPCの場合は、ビデオカード(GPU)をメインに構成を選ぶことになりますが、その場合でも、CPUとビデオカードのバランスは非常に重要です。いくらハイエンドのビデオカードを搭載しても、CPUの性能が低いとそこがボトルネックとなり、ビデオカードの性能を十分に引き出せません。
また、ゲームをプレイするだけでなく、プレイ実況などの配信をする場合は、CPUのマルチコア性能も重要となりますので、「7」グレード以上の「Ryzen」を利用することをおすすめします。

4-2.動画編集ならコア数に注目
かつて動画編集の分野ではCPUパワーが重視され、動作クロックが高く、コア数の多いCPUが必須でした。しかし最近の動画編集ソフトは、ビデオカード(GPU)の並列処理能力を活かした設計になっている製品が多く、現在ではCPUよりもビデオカードが重視される流れとなっています。
とはいえ、すべての処理がGPUで行われているわけではなく、ソフトウェアの設計によっては、書き出しやプレビューなどにCPUの性能が影響するものも少なくありません。動画編集の快適さはCPUだけで決まるわけではなく、使用する編集ソフト、素材の解像度、コーデック、GPU支援の有無、メモリ容量、ストレージ速度によって必要な構成が変わります。

4-3.プログラミング・開発用途ならマルチコア性能が重要に
プログラミング用途では、エディタ、ブラウザ、仮想環境、データベース、チャットツールなどを同時に使う場面が多く、CPUのマルチコア性能やメモリ容量が快適さに影響します。
プロフェッショナルな開発現場になると、ワークステーション向けの「Ryzen Threadripper」などが使用されることもありますが、価格面での負担が大きくなりやすいため、コストを抑えるのであれば、16コアの「Ryzen 9」シリーズでも十分なパフォーマンスが期待できるでしょう。
また、大容量L3キャッシュを実現する「3D V-Cache」搭載モデルは、ゲーミングPC向けとして人気ですが、一部の開発系ワークロードにおいても効果を発揮する場合があります。ゲーミングと開発用途を両立したい場合や、幅広い用途で高い性能を求める場合の選択肢のひとつとして検討してみるのもおすすめです。
一方で、ローカル生成AIや機械学習用途では、CPUだけでなくGPU性能やVRAM容量が非常に重要です。AI開発も視野に入れる場合は、「Ryzen 9」などの高性能CPUに加え、ビデオカードなどのGPU構成も重視しましょう。

5.「AMD Ryzen」搭載おすすめのBTOパソコンを紹介
5-1.最新ゲームも問題なしのスタンダードゲーミングPC:「G-Master Spear X870A」
BTOメーカー・サイコムのゲーミングPCブランド「G-Master」シリーズにおいてその中核をなす定番のスタンダードモデルが「G-Master Spear」シリーズ。「G-Master Spear X870A」は、「AMD Ryzen 9000」シリーズと「AMD X870 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせを採用したハイパフォーマンスゲーミングPCとなっています。
ビデオカードは標準構成で「NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti」を搭載。標準構成でも最新ゲームを十分に楽しめるパフォーマンスを発揮しますが、カスタマイズによってさらなる高みを目指すことが可能。ビデオカードのランクアップはもちろん、CPUを「3D V-Cache」搭載モデルに変更するなど、自分好みのカスタマイズを楽しめます。
G-Master Spear X870A

| 【G-Master Spear X870A】標準構成 | |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9700X (3.8GHz、8コア/16スレッド) |
| メモリ | DDR5-5600 32GB(16GB×2) |
| マザーボード | AMD X870 チップセット |
| SSD | 1TB(NVMe/M.2 SSD) |
| ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB) |
| 外形寸法 | 幅220×奥行き506×高さ493mm |
5-2.映像編集に最適なクリエイティブPC:「Lepton Motion Pro II B850A」
映像編集に特化したクリエイティブPCとして人気の「Lepton Motion Pro」シリーズの最新モデルとなる「Lepton Motion Pro II B850A」は、「AMD Ryzen 9000」シリーズを採用したAMDプラットフォームの1台。マイクロATXのスタイリッシュなミニタワー型でありながら、パワフルなパフォーマンスを発揮し、映像編集を楽しみたい方に最適なラインナップとなっています。
外観はコンパクトなミニタワー型ですが、タワー型ワークステーションにも劣らぬエアフロー、静音性、拡張性、堅牢性を実現。高負荷時でも安定性と静音性を両立します。標準構成では「AMD Ryzen 7 9700X」を搭載していますが、さらにコア数の多い「Ryzen 9」シリーズや、大容量L3キャッシュの「3D V-Cache」搭載モデルへのカスタマイズで、さらなる快適さを追及できます。
Lepton Motion Pro II B850A

| 【Lepton Motion Pro II B850A】標準構成 | |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9700X (3.8GHz/8コア/16スレッド) |
| メモリ | DDR5-5600 32GB(16GB×2) |
| マザーボード | ASRock B850M Pro RS WiFi |
| SSD | 2TB(NVMe/M.2 SSD) |
| ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX5060 Ti (16GB) |
| 外形寸法 | 幅261×奥行き471×高さ373mm |
5-3.プログラミング・AI開発にも最適なデュアル水冷:「Lepton Hydro WSX870A」
CPUとビデオカードをそれぞれ独立した水冷ユニットで冷却する、サイコムならではの「デュアル水冷」を採用した「Lepton Hydro」シリーズは、高い性能、そして冷却性能と静音性の両立を実現するハイエンドワークステーション。AMD Ryzen 9000」シリーズのパフォーマンスを、プログラミング・AI開発にも活かせる1台となっています。
標準構成は16コア/32スレッドの「AMD Ryzen 9 9950X」と「NVIDIA GeForce RTX 5080」という組み合わせで、負荷の高い処理にも対応可能な構成となっていますが、CPUを「3D V-Cache」を搭載した「Ryzen 9 9950X3D」や「Ryzen 9 9950X3D2 Dual Edition」などにカスタマイズすることで、さらに快適な環境を構築可能。CPU・ビデオカードの冷却に水冷ユニットを採用していますので、発熱や騒音に悩まされることなく、安定した長時間運用ができる点も魅力となっています。
Lepton Hydro WSX870A

| 【Lepton Hydro WSX870A】標準構成 | |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 9 9950X(4.3GHz、16コア/32スレッド) |
| メモリ | DDR5-5600 32GB(16GB×2) |
| マザーボード | AMD X870 チップセット |
| SSD | 1TB(NVMe/M.2 SSD) |
| ビデオカード | サイコムオリジナル Hydro LC Graphics® GeForce RTX5080 |
| 外形寸法 | 幅220×奥行き469×高さ490mm |
6.まとめ
「AMD Ryzen」は、高いマルチコア性能によって、映像編集などのクリエイティブPCで注目を集めていますが、最近ではゲーミングPCの分野でも「3D V-Cache」による大容量L3キャッシュを搭載したモデルが牽引役となり、さらに人気を高めています。
現行モデルは一部を除き、ほとんどのモデルにグラフィック機能が内蔵されていますが、その性能にこだわりたい方は「Ryzen 8000G」シリーズもぜひ候補に入れてみて下さい。
今回は、「AMD Ryzen」にスポットを当てて、その特徴やラインナップ、Intel製CPUとの違い、さらには型番の読み解き方などを解説しました。パソコンの購入に向けて、CPU選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

父親の影響で、中学生からパソコンの自作を始める。秋葉原のPCショップでアルバイトをしながら学生生活を過ごし、現在は通信会社の子会社でシステムエンジニアとして勤務。週末は副業でPCやデジタルガジェット系のライターをしながら、今もアキバ通いを続けてます。BTOパソコンは奥が深いです、単に道具として使うだけではなくパーツ選びも楽しみましょう!
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