
「メーカー製パソコンでは物足りないけれど、自作はちょっとハードルが高い」。そんな方におすすめなのが「BTOパソコン」です。
BTOパソコンは、CPU、メモリ、ビデオカード、ストレージなど、構成パーツを比較的自由にカスタマイズできるのが最大の魅力。用途に合わせた、自分好みのスペックで構成できるため、性能重視やコスト重視など、自身のニーズや理想にそったパソコンを仕上げることが可能です。
カスタマイズなどの一手間があるために、「パーツ選びが難しそう」「注文してから届くまでに時間がかかるのでは?」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そんな不安は完全に杞憂。本記事では、BTOパソコンの基本から、初心者でも安心の選び方、おすすめスペックなどを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.BTOパソコンとは?
1-1.BTOパソコンの特徴
BTOパソコンのBTOは“Build To Order”の略で「受注生産」を意味する言葉です。いわゆる大手パソコンメーカーの完成品パソコンは、あらかじめ決まったスペックの中から選ぶ必要があるため、必ずしも理想のパソコンが入手できるわけではありませんが、BTOパソコンならば、CPU、メモリ、ストレージ、ビデオカードなどを個別に選択することが可能なので、自分に最適な構成のパソコンが購入することができます。
例えばゲーミング用途であれば高性能なビデオカードを搭載したり、CG制作のクリエイティブ用途では大容量のメモリを搭載するなど、特定の用途に特化したパソコンを、自分好みのスペックで構築することが可能となります。

1-2.自作パソコンとの違い
自分好みのパーツでパソコンを構築するのであれば、自作パソコンという選択肢もあります。自作パソコンは、その名の通り、自分で選んだパーツを自分で組み立てるパソコンのことで、CPU、メモリ、マザーボード、ストレージ、ビデオカードなどの各パーツを予算や目的に応じて、自由に選択することが可能なので、BTOパソコンよりもさらに自分に最適なパソコンを構築することができます。
ただし、パーツの選定から組み立て、動作確認までの作業をすべて自分で行う必要があるため、知識と経験が求められますし、何よりも時間と労力をかなり必要とします。さらに、パーツ単位での保証はあるものの、パソコン全体としての保証はないため、トラブルが発生した場合も、すべて自分の手で解決する必要があります。
パソコンに関する知識や経験に自信があり、少しでもコストを抑えたいという方は自作パソコンもひとつの選択肢となりますが、あまり手間をかけたくない方やトラブルはできるだけ避けたいという方はBTOパソコンを選んだほうが安心感も高くなります。

2.BTOパソコンのメリットとは?
2-1.自由にカスタマイズできる
BTOパソコンの最大の特徴は、BTOメーカーが提供するモデルをベースとして、ユーザー自身の用途や予算に応じて自由にパーツをカスタマイズできるところです。ビデオカードはできるだけ高性能にしたい、メモリやストレージの容量を増やしたいといったアップグレードはもちろん、CPUのランクを下げるなどのダウングレードも可能です。
なお、カスタマイズできる範囲はBTOメーカーによって異なるため、メモリ容量やビデオカードの変更にとどまらず、PCケースまで変更できることもあれば、カスタマイズの幅が狭く、あまり自由にカスタマイズできないこともありますので、そのあたりは事前のチェックが重要となります。

2-2.コストパフォーマンスがよい
BTOパソコンを、大手メーカー製のパソコンと比較すると、コストパフォーマンスの高さもメリットのひとつとなります。すべての構成が決まっている大手メーカー製パソコンとは異なり、BTOパソコンは自分に必要なパーツのみで構成することも可能なので、無駄な機能にお金を使うことがありません。
また、大手メーカー製パソコンの場合は、様々なソフトウェアがプリインストールされているため、初心者にとっては購入してすぐに使えることがメリットになりますが、使わないソフトウェアの金額ももちろん加算されるため、無駄な出費も避けられません。
一方のBTOパソコンは、無駄なソフトが入っていないだけでなく、Office系ソフトやセキュリティソフトの有無を選択できたり、場合によってはOSさえもインストールされていない状態で購入することが可能。ある程度知識のある方にとっては、BTOパソコンを購入したほうが無駄な出費を抑えることができます。

2-3.組み立て済だからすぐに使える
一方、自作パソコンと比較すると、BTOパソコンは購入してすぐに使用できるところが大きなメリットとなります。
自作パソコンは、パーツ単位で購入し、自分で組み立てて、動作確認を行う必要があるため、ある程度の時間を必要とします。しかし、BTOパソコンは、組み立てから動作確認までがすでに行われているので、手元に届き次第、使用可能。パーツ間の相性問題や組み立てミスなどもほとんどないため、安心して利用できる点も大きなメリットと言えます。

2-4.保証やサポートが受けられる
そして、多くのBTOメーカーは保証やサポート体制を整えているので、万が一、故障したりトラブルが起こっても安心です。その意味では、大手メーカー製パソコンも保証やサポートの点は充実していますが、自作パソコンの場合は、トラブルの原因を自分で調べる必要があるため、どうしても知識や経験が必要となります。
保証やサポートの内容はBTOメーカーによって異なるため、購入時は事前のチェックが重要。例えば、BTOメーカー・サイコムの場合、標準で1年保証、さらに3年までの延長保証にも対応していますので、長期間にわたって安心してパソコンを使用することができます。

3.BTOパソコンのデメリットも知っておこう
3-1.届くまでに時間がかかる
BTOパソコンは、注文を受けてから組み立てられるため、どうしても納品までに時間がかかってしまいます。
基本的には、注文から1~2週間程度での納品となることが多いのですが、パーツの在庫状況や組み立て工場の稼働状況によっては、それ以上の時間がかかる場合もあり、繁忙期には1カ月以上かかってしまうメーカーもあります。

3-2.実物を事前に確認できない
BTOパソコンの注文や販売は、基本的にオンラインで行われるため、実際の製品を事前に確認することが難しいという問題があります。特にPCケースのサイズ感や質感などをWEBサイトの写真で確認するのには限界があるため、思っていたものと違うという印象を抱くことも少なくありません。
BTOメーカーによっては、リアル店舗やショールームを用意している場合もありますし、イベントなどでブースを出展して実機を展示する場合もあります。購入前に実物を確認したいという方は、そういった機会を利用することをおすすめします。

3-3.パーツ選びには知識が必要
BTOパソコンのメリットは、パーツを自由にカスタマイズできるところですが、パーツのカスタマイズには知識を必要とします。実際の用途を考慮せず、むやみに高性能なパーツにカスタマイズしても、思ったような性能が発揮されないこともあり、無駄な出費になってしまうことも珍しくありません。
多くのBTOメーカーでは、用途に応じて、わざわざカスタマイズしなくても十分な性能が発揮できる様々なモデルが用意されています。カスタマイズできるのがBTOパソコンのメリットではありますが、よほどの理由がない限りは、標準構成でも問題ありません。
BTOメーカーによっては、相談窓口を設けて、購入前のパーツ相談に応じてくれる場合もありますので、特に知識や経験に自信のない方は、一度相談してみることをおすすめします。
4.初心者向けBTOパソコンを選ぶポイント
4-1.CPU:性能を決める重要なパーツ
CPU(Central Processing Unit)は、パソコンの心臓であり、頭脳ともいえるパーツであり、パソコンの処理速度に大きな影響を与えます。基本的にはクロック周波数の高いものほど性能も高くなりますが、複数のコアを搭載するマルチコアCPUが主流となっている現在では、単純なクロック周波数よりもコア数が重視される傾向にあります。
現在、Intelの「Core i」シリーズおよび「Core Ultra」シリーズやAMDの「Ryzen」シリーズが主流で、それぞれのブランドによる特徴はありますが、特にこだわりがなければ、いずれを選んでも、優れた性能を発揮します。

各CPUは3・5・7・9といったグレードを表す数値が付けられており、この数字が大きいほうが性能も高くなります。例えば「Core i3」よりも「Core i5」のほうが高性能ですし、「Core Ultra 5」よりも「Core Ultra 7」のほうが高性能となります。
インターネットの閲覧やメール、オフィス系ソフトの使用がメインの場合があまりCPU性能にこだわる必要はなく、「3」や「5」の数値を持つCPUでも十分ですが、ゲーミングPCやクリエイターPCなど、高い性能が求められる用途の場合は「7」や「9」といった数値のCPUが必要となってきます。

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4-2.メモリ:16GB以上がおすすめ
メモリは、パソコンが処理するデータを一時的に保管するスペースであり、メモリの容量が増えれば、それだけ快適な操作性が期待できます。ゲーミングやクリエイティブのような負荷の高い作業はもちろん、WEB閲覧やオフィス系ソフトのような軽い作業でも、メモリ容量が多いほうが望ましく、最低でも16GB以上を搭載することをおすすめします。
メモリには、容量のほかに「DDR4」や「DDR5」といった規格があり、現在ではデータ転送速度が高速な「DDR5」が主流となっています。また、現在のCPUは、2枚のメモリを同期させて転送速度を向上させるデュアルチャンネルが主流。この場合、同スペック、同容量のメモリを2枚セットで利用する必要がありますが、BTOパソコンであれば最適な組み合わせで提供されるので、心配は不要です。ただし、増設や換装する場合も考慮して、知識としてしっかり押さえておきましょう。

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4-3.ビデオカード:ゲーミング目的なら必須
ビデオカードは、グラフィックボードとも呼ばれ、パソコンにおける映像出力を担うパーツです。最近のCPUはグラフィック機能を内蔵しているものが多く、ビデオカードなしでも画面出力自体は可能ですが、3Dグラフィックスの表示を伴うゲームをプレイする場合はビデオカードは必須となります。
ビデオカードの基板上には、GPU(Graphics Processing Unit)やグラフィックメモリ(VRAM)が搭載され、多くの場合、ファンを備えた冷却システムが組み合わせられます。GPUの性能は3Dグラフィックスの表示に大きく影響しますが、最近では画像処理以外の計算処理を行うGPGPUとしての利用も注目されており、映像編集や科学技術計算などを行う場合もビデオカードの搭載が必要不可欠となっています。
GPUには、NVIDIAの「GeForce」シリーズとAMDの「Radeon」シリーズが2大ブランドとなっており、基本的にどちらかを選ぶことになります。CPUと同様、どちらを選んでも、それぞれに優れた性能を発揮しますが、ゲームによっては推奨ブランドがあり、そのブランドのGPUに最適化されているため、プレイしたいゲームが決まっている場合は、推奨ブランドにあわせたほうが良いでしょう。

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4-4.ストレージ:高速転送できるSSDが主流
ストレージは、パソコンのデータを保管する場所で、メモリチップにデータを記録する「SSD(Solid State Drive)」と、金属製の円盤に磁気でデータを記録する「HDD(Hard Disk Drive)」といった大きく2つの種類があります。
一般的に、SSDは読み書き速度や静音性に優れ、HDDは価格面、容量面で有利となっています。かつては、SSDにOSやプログラム、HDDに画像や動画のデータを保存するといった構成が推奨されましたが、SSDの低価格化と大容量化によって、最近では高速なSSDのみの構成が多くなっています。
また、現在では「M.2」と呼ばれる規格に対応したSSDが広く流通しており、より高速なデータ転送を実現していますが、性能の向上に伴って、消費電力や発熱も増大しています。そのため、ストレージに関しても冷却対策が必要となっている点に注意が必要です。

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4-5.電源ユニットや冷却システムにもこだわろう
電源ユニットは、パソコン内の各パーツに電力を供給する役割を持つ重要なパーツであり、電源ユニットの品質は、パソコン全体の安定性や寿命にも大きな影響を与えます。特に高性能なCPUやビデオカードを使用する場合は、電源容量の大きい電源ユニットを使用するようにしましょう。
また、電源容量のほかに、電源ユニットを選ぶ際の注目ポイントは「80PLUS」認証です。これは、電力変換効率を表す規格で、80%以上の変換効率を備える電源ユニットに与えられる認証です。変換効率が高いと発熱が減少するので、省電力性や静音性、寿命の延長などが期待できます。

CPUやビデオカードは性能の向上にあわせて発熱も増大しているため、安定して性能を発揮するためには冷却システムも重要となります。CPUクーラーは、IntelやAMDがCPUとセットで出荷する、いわゆる“純正”クーラーでも十分に冷却することは可能ですが、さらに冷却性能や静音性の高い、こだわりのCPUクーラーを採用しているBTOメーカーもありますので、そのあたりも購入時にはしっかりチェックしておきましょう。
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基本的にCPUクーラーは、ヒートシンクとファンで冷却する“空冷”システムですが、冷却性能と静音性を高いバランスで両立させる“水冷”ユニットを搭載したモデルを用意するBTOメーカーもあります。予算に余裕があれば、“水冷”モデルもぜひ検討してみてください。

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4-6.安さ重視でスペック不足にならないように注意
パソコンは決して安い買い物ではないので、購入時にはできるだけ価格を抑えるため、無駄を削ぎ落としていくことは非常に重要ですが、あまりギリギリのラインを攻め過ぎると、将来性や快適性が犠牲となってしまいます。
特にゲームやソフトの進化は速く、要求スペックもすぐに高くなる傾向にあります。予算の問題は決して無視できませんが、少しずつでも余裕のある構成を選べば、その分だけ長くパソコンを使うことができるため、結果としてコストを抑えることになります。
また、ゲーミングPCの場合、ビデオカードが最重要パーツではありますが、ビデオカードのみに予算を注ぎ込んでしまうと、予算を抑えたCPUやメモリがボトルネックとなってしまい、せっかくの高性能ビデオカードが性能をフルに発揮できなくなってしまいます。重要なパーツに予算を割くのは重要ですが、全体のバランスもあわせて検討する必要がある点を注意しましょう。

5.用途別BTOパソコンのおすすめスペック
5-1.ネットサーフィン・ビジネス用途
インターネット閲覧やメール、オフィス系ソフトの利用がメインとなる場合は、あまり高性能なCPUは必要ありませんし、画面出力もCPU内蔵のグラフィック機能で十分となります。
メモリに関しては、8GB程度でも問題ありませんが、複数のソフトを同時に利用したり、ブラウザでタブを多用したりすると、すぐにメモリ不足に陥ってしまいます。あまり負荷の高い作業を行わないビジネス用途でも、メモリは16GBを最低ラインとして搭載しておいたほうが良いでしょう。

5-2.ゲーミング用途
ゲーミングPCの場合は、ビデオカードが最重要パーツなので、予算はできるだけビデオカードに割くことをおすすめします。しかし、先述した通り、そのほかのパーツを蔑ろにしてしまうと、結果としてビデオカードが性能をフルに発揮できなくなるため、全体のバランスにも注意が必要となります。
基本的なスペックの目安は、プレイしたいゲームの推奨環境にあわせるのがベストですが、続々と登場する最新ゲームを快適にプレイしたい場合は、少しずつでもオーバースペックにしておいたほうが、予算は必要となりますが、長くプレイできるため、結果としてコストを抑えることに繋がります。
また、高性能なCPUやビデオカードを利用する場合は、電源ユニットの電源容量や冷却システムにも注意しましょう。

5-3.画像編集・映像編集/生成AI
画像編集や映像編集を目的とするパソコンの場合、かつてはCPUが最重要パーツとなっていましたが、GPUの並列処理能力を活かすソフトウェアが続々と登場してきたことで、現在ではビデオカードの重要性が非常に高くなっています。
そのため、ゲーミングPC同様にビデオカードに予算を割くのが最適ですが、ソフトウェアや処理によってはCPU性能も必要となるため、CPUもできるだけ高性能なものを組み合わせることをおすすめします。メモリに関しても32GB以上は搭載したいところです。
さらに生成AIなどの作業も検討している場合は、クリエイティブ用途のスペックでも対応可能ですが、ビデオカードに搭載されているVRAM(ビデオメモリ)の重要性が高まるため、16GB以上のVRAMを搭載したビデオカードをチョイスしたほうがよいでしょう。

5-4.ゲーム実況・ライブ配信
ゲーム実況を行う場合、ゲームをプレイすることが必須となる以上、ゲーミングPCに求められるスペックが最低ラインとなります。さらに配信ソフトをゲームと同時に稼働させる必要があるため、CPUの処理性能やメモリ容量もゲーミングPC以上のパフォーマンスが求められます。
また、パソコンのスペックとは関係ありませんが、配信を行う場合は、インターネットへの接続環境も重要。安定した通信ができる環境を構築する必要があります。また、マイクやヘッドセット、ゲームパッドなど様々なデバイスを接続できるようにUSB端子の数もしっかりチェックしておきたいポイントとなります。

6.BTOパソコンの注文方法と注意点
6-1.注文から納品までの流れ
リアル店舗を設けているBTOメーカーもありますが、BTOパソコンはオンライン販売が基本となりますので、まずはBTOメーカーのホームページにアクセスするところがスタート地点となります。
注文の流れはBTOメーカーによって異なりますが、基本的には「1. ベースモデルの選択」「2. 必要に応じてカスタマイズ」「3. 購入者情報の入力や支払い方法・配送方法の指定」「4. 注文内容を確認して確定」という流れになり、最終確定後は確認メールなどで納品日などが通知され、後は納品を待つだけとなります。
6-2.納期と配送について
先述した通り、BTOパソコンは注文を受けてから組み立てが開始となるため、BTOメーカーによって異なりますが、注文から納品までに1~2週間程度かかるのが一般的です。パーツの在庫状況や注文時期によっては1カ月程度かかることもありますので、BTOパソコンを購入する場合は、余裕をもって注文するようにしましょう。
なお、スペックがあらかじめ決められていて、カスタマイズができない「即納モデル」を用意しているBTOメーカーもあり、その場合は注文後すぐに発送されます。
配送方法もメーカーによって異なりますが、宅配便などで発送されることが多く、受け取り住所などで多少前後しますが、発送後1~3日程度で届くのが一般的です。

6-3.商品到着後は動作を確認
ミドルタワー型などのパソコンの場合、収納する箱のサイズはかなり大きくなりますので、あらかじめ開封できるスペースを確保しておくことが重要です。
BTOパソコンは、基本的にメーカー側でOSやドライバがインストールされており、動作検証も行われているので、箱から出した後は、電源を入れて、OSの初期設定を行うだけで使用可能となっています。
まずは電源を入れて正常に起動するかを確認。使用可能な状態になったら、注文内容通りのスペックになっているかを必ずチェックすることが重要です。もし不具合や欠品などがあった場合は、サポートセンターなどに早急に連絡しましょう。

7.信頼できるBTOメーカーを見極めるには?
7-1.保証・サポートが整っているか
パソコンは決して安くないため、万が一のトラブルは故障が起こった際の保証やサポート体制は、メーカーの信頼性を測る重要なポイントになります。BTOメーカーによってサポート内容や対応時間が異なるため、購入前には必ずチェックしておきましょう。また、特に専任のサポートスタッフを配置しているメーカーは、迅速かつ適切なサポートが期待できます。
保証期間については、最低でも1年間はほしいところ。延長保証に対応しているかどうかも重要なチェックポイントです。また、購入後だけでなく、購入前の事前相談に対応してくれるかどうかもメーカー選びのカギとなります。

7-2.パーツの情報がはっきり書いてあるか
BTOパソコンを構成している各パーツの詳細情報がちゃんと公開されているかどうかもチェックしておきましょう。特にビデオカードやマザーボードについては、GPUやチップセットだけでなく、メーカー名や型番などが明示されていれば、安心して選択することができます。

7-3.値段が安すぎないか
極端に低価格なBTOパソコンは、品質面で少し疑問符が残るため、適切な価格設定を行っているメーカーを選ぶようにしましょう。
適正価格を見極めるのは、特に初心者の方にとっては少し難しいかもしれません。さまざまなメーカーの、同程度のスペックのパソコンの価格を比較するのはもちろんですが、使用されているパーツの品質や保証・サポート体制なども確認して、総合的に判断できる目を養っていくことも重要です。
7-4.口コミや評判もチェックしよう
インターネット上のレビューサイトやSNSなどで、ユーザーの声を拾うことも大事です。実際に使っている方の声や口コミは、メーカーの信頼性を判断する上でも非常に参考になります。
購入したパソコンの満足度はもちろん、購入前後のサポートや保証対応などについての情報も収集。口コミは個人の主観的な部分が多いため、一人の意見だけに左右されず、複数の情報源を参考にして、最後は自分の視点で、総合的な判断を行いましょう。
8.おすすめBTOメーカー「サイコム」BTOパソコンを紹介
8-1.サイコムのBTOパソコンの特徴
BTOパソコンを購入する上で、BTOメーカー選びは最初の悩みどころですが、ここではBTOメーカーを代表して、サイコムのBTOパソコンについて紹介します。
サイコムは、1999年5月に埼玉県草加市にて、インターネットを利用したカスタムPCの販売をスタート。以降、インターネットを主戦場に信頼性の高いBTOメーカーとして、その地位を築いています。サイコムは、職人の集団としての“こだわり”を大事にしており、同社のBTOパソコンはこだわりの詰まった初心者でも安心して使用できるラインナップが多数用意されています。

8-2.ビジネス向け:Radiant GZ3600X870A
サイコムのスタンダードモデル「Radiant」シリーズにおいて、AMDプラットフォームを採用した、高いカスタマイズ性とパフォーマンスが魅力の定番ミドルタワーが「Radiant GZ3600X870A」です。標準構成で、ZEN5コアの「AMD Ryzen 5 9600X」と「AMD X870 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせを採用しています。
メモリはDDR5-5600を16GB(8GB×2)搭載し、CPU内蔵のグラフィック機能を使用しており、ビジネスユースに最適な1台ですが、用途に応じてビデオカードを追加するなど、カスタマイズのベースモデルとしても活用することができます。

【Radiant GZ3600X870A】標準構成 |
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CPU:AMD Ryzen 5 9600X【3.9GHz、6コア/12スレッド】 メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2) チップセット:AMD X870 チップセット SSD:500GB(SATA/2.5インチ SSD) ビデオカード:CPU内蔵グラフィック |
8-3.ゲーミング向け:G-Master Spear X870A
サイコムのゲーミングPC「G-Master Spear」シリーズにおいて、AMDプラットフォームを採用した「G-Master Spear X870A」は、標準構成で「AMD Ryzen 7 9700X」と「AMD X870 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせを採用した、ハイエンドかつハイコストパフォーマンスの注目モデルです。
メモリはDDR5-5600を32GB(16GB×2)搭載し、ビデオカードは「NVIDIA GeForce RTX 4060」を採用。ゲーミングPCとしてはもちろん、映像編集などのクリエイターPCとしても十分に活躍できるスペックが魅力となっています。

【G-Master Spear X870A】標準構成 |
---|
CPU:AMD Ryzen 7 9700X【3.8GHz、8コア/16スレッド】 メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2) チップセット:AMD X870 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB) |
8-4.映像編集向け:Lepton Motion Pro Mini B860
映像編集に特化した「Lepton Motion Pro」シリーズのコンパクトモデルが、新たに「Intel Core Ultra 7 265K」と「Intel B860 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせとなって登場。
スタイリッシュなミニタワー型でありながら、高速なレンダリング性能を誇る高い性能に加えて、安定性と静音性を両立。メモリはDDR5-5600を32GB(16GB×2)搭載し、ビデオカードは「NVIDIA GeForce RTX 4060」を採用しています。設置場所を選ばず、即戦力となる性能を備えたクリエイター必見の新モデルとなっています。

【Lepton Motion Pro Mini B860】標準構成 |
---|
CPU:Intel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド) メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2) チップセット:Intel B860 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB) |
8-5.ゲーム実況・ライブ配信向け:Lepton WSZ890 Stream Box
ゲーム実況や動画配信に特化した「Lepton WSZ890 Stream Box」は、「Intel Z890 チップセット」を搭載した多機能マザーボード「ASRock Z890 LiveMixer WiFi」をベースに、「Intel Core Ultra 7 265K」を標準で搭載しています。
メモリはDDR5-5600を32GB(16GB×2)搭載するなど、複数のソフトウェアを同時に使用する配信でも不安なし。「NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER」搭載ビデオカードを採用しているので、最新ゲームをプレイしながらのライブ配信にも十二分に対応します。

【Lepton WSZ890 Stream Box】標準構成 |
---|
CPU:Intel Core Ultra 7 265K【3.9GHz、20コア/20スレッド】 メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2) チップセット:Intel Z890 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER(12GB) |
9.まとめ
BTOパソコンは、目的や用途に最適なパーツを選ぶことで、自分だけのオリジナルパソコンを手軽に構築できるのが最大の特徴ですが、初心者やパーツの知識が少ない人は、少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。
BTOパソコンは自由度が高いがために、まず自分がパソコンで何がしたいかを明確にすることが重要。目的や用途が明確になっていれば、自ずと必要なカスタマイズも見えてくるはずです。そのうえで、保証やサポート体制などが充実しているかどうかがメーカー選びのキモとなるのです。
本記事では、BTOパソコンの基本から、初心者でも安心の選び方、おすすめスペックなどを解説しました。ぜひ自分に最適な、自分だけのオリジナルパソコン構築のための参考にしてみてください。

北海道の牧場で馬と戯れる日々を経て、パソコン雑誌やWEBニュース媒体の編集長を歴任する。Athlonに心奪われ、Xeonに絶対の忠誠を誓ったのも今や昔。現在は、編集業を中心に、原稿執筆からカメラマン、果てはアニメの宣伝プロデューサーまで、本業不明の生活を送る。ユーザーの心をがっつり掴む各種オウンドメディアを運営中。 プロフィールはこちら
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