無料で使える高機能動画編集ソフト「DaVinci Resolve」 - 導入方法や簡単な操作手順を紹介

YouTubeやInstagram、TikTokなど、現在のSNSは動画配信が主流になっており、多くの方が動画を投稿されています。ちょっとした動画であればスマートフォンでも簡単に編集できますが、タイトルやエフェクトなどにこだわるのであれば、動画編集ソフトを利用する必要があります。

動画編集ソフトは初心者向けから本格的な編集ができるものまで様々ですが、その中でも注目を集めているのが、映画の本場・ハリウッドの制作現場でも使用されている動画編集ソフト「DaVinci Resolve(ダヴィンチ リゾルブ)」。高機能でありながら無料で使用できるところも人気の理由となっています。

そこで本記事では、「DaVinci Resolve」の特徴からインストール方法、基本的な使い方などを紹介。「初心者には難しそう」「機能が多くて使いこなせないかも」「他の動画編集ソフトとの違いは?」など、使用を悩んでいる方もぜひ一度チェックしてみてください。

1.DaVinci Resolveについて

1-1.DaVinci Resolveとは?

「DaVinci Resolve Studio」は、Blackmagic Designが開発する、映画の本場・ハリウッドでも使用される機能性の高さが魅力の動画編集ソフトです。映画をはじめ、テレビ番組やCM、ミュージックビデオ、ドキュメンタリーなど、さまざまな映像制作現場で使用されている注目度の高いソフトですが、特に人気を集めている理由が、無料で使用できる「DaVinci Resolve」の存在です。「DaVinci Resolve Studio」が持つ機能のほとんどが使用可能であるのに加え、無料ながら使用期限はなく、一般的な用途であれば不満なく利用することができるのが特徴です。

また、動画編集ソフトはCPUパワーが重要ですが、「DaVinci Resolve」はGPUパワーの効果が大きいと言われているソフトで、ハイエンドのビデオカードを利用している方には特におすすめしたい動画編集ソフトとなっています。

2.DaVinci Resolveの主な機能

2-1.編集

「プロの現場で使用されている」と言われると、特に動画編集初心者は身構えてしまうかもしれませんが、機能性は高くてもあくまでも動画編集ソフトなので、クリップの切り貼り、トランジションの追加、テキストやテロップの挿入など、基本的な編集作業はもちろんサポートされていますので、簡単な編集しかしないという方でも臆せずにチャレンジしてみましょう。

操作や動画編集に慣れてくれば、マルチカメラ編集や360度動画編集、VFXの挿入など、幅広い編集機能を駆使して、さらにクオリティの高い動画を編集できるようになります。

「DaVinci Resolve」の「エディット」ページは直感的に使用できるインタフェースでありながら、必要なツールなどがすべて搭載されていますので、操作に慣れてくれば、非常にスピーディーに高クオリティな映像を編集することができます。

2-2.カラーグレーディング

「カラーグレーディング」は、映像の色を編集する機能で、「DaVinci Resolve」は、色温度やコントラスト、彩度などの調整に加え、マスクやLUT(ルックアップテーブル)などの機能を利用することによって、映像の雰囲気を自由にコントロールできるのがポイントです。

写真のレタッチと同様、ホワイトバランスを調整したり、明るさを修正することで、実際の見た目に近い映像にするだけでなく、自分好みの色合いにすることによって、映像の世界観を構築するのが「カラーグレーディング」であり、これによって映像のクオリティやオリジナリティは格段と向上します。

思った通りの色調整を行うのは初心者にはかなり難しいハードルになりますが、作業自体は非常に簡単なので、「Davinci Resolve」を使うのであれば、「カラーグレーディング」にもぜひ挑戦してみてください。

2-3.VFX 

「VFX」は“Visual Effects”の略で、視覚効果を意味する用語です。現実には見られない画面効果を実現する技術で、「DaVinci Resolve」には、モーショングラフィックスや合成などのVFX制作に必要な機能が備わっています。

「DaVinci Resolve」の「Fusion」ページでは、シネマライクなVFXやモーショングラフィックスを作成することが可能。テキストタイトルを2Dや3Dでデザインしたり、インフォグラフィックを追加したり、さらには不要なオブジェクトの削除や映像の合成などもサポートしています。

2-4.オーディオ編集

映像には「音声」が付き物ですが、あくまでも映像編集のおまけ程度という動画編集ソフトも少なくありません。しかし、「DaVinci Resolve」の「Fairlight」ページには、本格的な音声編集機能が用意されており、サウンドトラックの収録をはじめ、波形編集やミキシングなども行うことができます。

さらに、「DaVinci Resolve」では、音声編集と映像編集をワンクリックで切り替えて作業することが可能。音にもこだわった映像編集ができるのも「Davinci Resolve」の魅力と言えます。

2-5.メディア管理・クラウド共有

「DaVinci Resolve」は、インテリジェントなメディアロケーション管理に対応。クリップの読み込みや整理、検索などが簡単に行えるのも特徴です。さらに、「メディア管理」機能を使えば、タイムラインで使用した部分のみを編集前の状態でコピーすることが可能。ストレージの容量節約にも役立ちます。

また、Blackmagic Cloudをサポートしており、クラウド上のDaVinci Resolve Project Serverでプロジェクトライブラリをホストすることが可能。映像を共同制作する場合などに非常に便利な機能となっています。

2-6.GPUアクセラレーション

先に、「GPUパワーの効果が大きい」と書きましたが、「DaVinci Resolve」ではほとんどすべてのエフェクトにGPUを利用することで、処理速度を向上させています。そのため、ビデオカードを搭載したパソコンのほうが快適な処理が期待できます。

「GPUアクセラレーション」については、有償版も無償版も同じ扱いですが、「H.264のハードウェアエンコード/デコード」など一部の機能については有償版のみのサポートとなっています。つまり、NVIDIAやAMDのビデオカードを搭載しているパソコンを使用する場合、「H.264のハードウェアエンコード/デコード」および「H.265のハードウェアデコード」を利用する状況においては、有償版のほうがより高速な処理が行われます。

なお、この違いが有るのはWindows版で、macOS版については、GPUアクセラレーションに関する有償版と無償版の違いはありません。

3.Davinci Resolveのメリット

3-1.無償版でもプロ使用の機能が使える 

先にも述べた通り、「DaVinci Resolve」は、「DaVinci Resolve Studio」の無償版です。「DaVinci Resolve Studio」から機能を削ったものが「Davinci Resolve」となりますが、制限されている機能はほんの一部であり、ほとんどすべての機能が「DaVinci Resolve」でも利用できます。プロとして本格的に映像編集に関わるのでなければ、無償版でも十分に対応できますし、商業利用も可能となっています。

GPUアクセラレーションなどに一部制限があるため、有償版のほうが処理は高速です。無償版で操作に慣れて、4Kを超えるような高解像度の長時間映像を編集するのであれば、有償版への移行を検討してみるとよいでしょう。

3-2.高性能なカラーグレーディング機能

「DaVinci Resolve」は、カラーグレーディングソフトとして開発されたという経緯もあり、カラーグレーディングに関する機能が非常に高性能なのが特徴です。基本的なカラーコレクションから、高度なカラーグレーディングまで、幅広い機能を備えていますので、色にこだわって映像編集をしたい方は特に注目してみてください。

カラーホイールやカーブなどを使って、映像の色彩を細かく調整することができるのも特徴ですが、編集初心者にはややハードルが高いところでもあります。しかし、LUT(ルックアップテーブル)と呼ばれる色調のプリセットも用意されていますので、手軽にカラーグレーディングに挑戦することもできます。

3-3.ノードベースのワークフロー

「DaVinci Resolve」でカラーグレーディングを行う際に重要となるのが「ノード」です。このノードは、「DaVinci Resolve」における特徴的な管理方法で、明るさやコントラスト、色調補正などの情報を格納し、次のノードに伝えていくことで、最終的な映像を完成させます。

ひとつのノードに複数の情報を格納することもできますが、個別のノード、例えば明るさのノード、コントラストのノードなどにすることによって、後の修正や取り消しも容易となり、複雑な処理も柔軟に対応することができるようになります。

なお、この「ノード」は「Fusion」機能を利用する際にも登場しますので、「DaVinci Resolve」ならではのノードという考え方には慣れておきましょう。

3-4.統合型のポストプロダクションソフトウェア

「DaVinci Resolve」のインタフェースは、「メディア」「カット」「エディット」「Fusion」「カラー」「Fairlight」「デリバー」といった複数のページに分かれていて、各ページに特定のタスク専用のワークスペースとツールが用意されています。

基本的な編集作業は「カット」ページと「エディット」ページ、VFXやモーショングラフィックスは「Fusion」ページ、カラーコレクションやカラーグレーディングは「カラー」ページ、音声編集は「Fairlight」ページ、メディア管理や書き出しは「メディア」ページと「デリバー」ページで実行します。

まずは、各ページの特徴を把握するのが第一ですが、これらのタスクがワンクリックで切り替えられますので、操作に慣れてくれば、非常にスムーズに各工程を効率的に作業することができるようになります。

3-5.マルチプラットフォーム対応

「DaVinci Resolve」は、Windowsだけではなく、macOSやLinuxでも利用できるマルチプラットフォーム対応となっています。さらに、iPadで利用できるiOS版の「DaVinci Resolve for iPad」も用意されており、幅広いプラットフォームで利用可能となっています。

各OSごとに推奨環境は異なりますが、様々な環境で同じように作業ができる点は「DaVinci Resolve」の大きなメリットと言えそうです。



4.Davinci Resolveのデメリット

4-1.操作が複雑

動画編集ソフトは、一般的に機能性が高いほど操作も複雑になります。「DaVinci Resolve」のインターフェースはかなり直感的に操作できるものとなっていますが、やはり動画編集初心者の方にはややハードルは高いかもしれません。

機能性の低いソフトであれば、簡単操作で映像編集が可能ですが、いったん操作に慣れてしまうと、ほかのソフトにはなかなか移りにくくなります。その意味では、初心者であっても、本格的に取り組んでいくのであれば、最初は複雑でも高機能のソフトに挑戦したほうが良いでしょう。

高機能の動画編集ソフトは、機能に応じて価格も高くなります。しかし、「DaVinci Resolve」は、高機能なのに無料で使えるという大きなメリットがありますので、初心者の方もまず挑戦してみることをおすすめします。

4-2 .日本語化が不完全

「DaVinci Resolve」は、日本語化にも対応していますので、初心者の方も安心ではありますが、その日本語化が完全ではないという欠点もあります。バージョンを重ねるに連れてかなり改善されていますが、現在でも英語表記のままという項目が少なくありません。このあたりは慣れるしかありませんが、今後のバージョンアップに期待したいところです。

なお、「DaVinci Resolve」は標準では英語表記のソフトなので、日本語化して使用する場合は、最初の起動時に必ず「日本語」を選択しましょう。最初に日本語に設定し忘れた場合は、左上の「Davinci Resolve」→「Preferences」→「User」を選び、「Langage」で「日本語」を選べば、後から日本語化することも可能です。

4-3 .要求されるパソコンスペックが高い

「DaVinci Resolve」を使用する場合、Windows版における最小動作環境は以下のように書かれています。

・Windows 10 Creators Update.
・16 GB of system memory. 32 GB when using Fusion
・Blackmagic Design Desktop Video 10.4.1 or later
・Integrated GPU or discrete GPU with at least 2 GB of VRAM
・GPU which supports OpenCL 1.2 or CUDA 11
・NVIDIA/AMD/Intel GPU Driver version - As required by your GPU


”システムは、少なくともWindows 10 Creators Updateバージョンを実行する必要がある。”
”16 GBのRAMが必要。Fusionを使用する場合、32 GBが必要。”
”インストールされているバージョンは、10.4.1で以降である必要がある。”
”システムには、統合GPUまたはVRAMが2 GB以上のディスクリートGPUが必要。”
”GPUは、OpenCLバージョン1.2またはCUDAバージョン11をサポートしている必要がある。”
”NVDIA、AMD、またはIntelのウェブサイトから最新のドライバーをダウンロードしてインストールする必要がある”

メモリ容量以外は特に高いハードルではありませんが、これはあくまでも最小動作環境ではあり、快適に動作させるためには、ある程度、高めのスペックのパソコンを用意したいところです。特にFusionを使ってみたい方はメモリ容量に注意しましょう。

一般的に動画編集ソフトはCPUパワーが重要となりますので、できるだけ周波数が高く、コア数/スレッド数の多いCPUを利用するのが定跡です。これは「DaVinci Resolve」でも同じですが、本ソフトの場合は、CPU以上にGPUパワーが必要で、特にビデオカードに搭載されたVRAM(ビデオメモリ)の容量が重要となります。

最小動作環境では2GB以上となっていますが、4K編集であれば8GB~12GB、8K編集であれば16~24GB程度のVRAMを用意したいところ。VRAM基準で考えると、4K編集の場合はミドルレンジ以上、8K編集になると「GeForce RTX 4080」や「同 4090」などのハイエンドモデルが必要となります。



5.Davinci Resolveのダウンロード・インストール方法

5-1.ダウンロード方法   

「DaVinci Resolve」を導入する場合、まずは開発元である「Blackmagic Design」の公式サイト( https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve )からソフトをダウンロードします。

1.「今すぐダウンロード」をクリック

2.自分が使用しているOSを選択

3.必要な個人情報を入力
4.「登録&ダウンロード」をクリックするとダウンロードがスタート

5-2.インストール方法と注意点

「DaVinci Resolve」のインストールは一般的なウィザード形式になっていますので、画面の指示にしたがっていけば特に問題なくインストールは完了します。

ひとつだけ注意したいのは、インストールが完了し、再起動を行った後、最初に表示される画面で「言語設定」を行うところです。先にも述べた通り、後から「言語設定」を変更することも可能ですが、基本的にはここで設定してしまいましょう。



6.Davinci Resolveの使い方

6-1.プロジェクトの作成

多くの動画編集ソフトは、編集を行う際に「プロジェクト」ファイルを作成します。このプロジェクトファイルは、カット編集やエフェクトなど、どのような編集を行ったかを記録するファイルで、プロジェクトファイルがあれば、再度編集を行う場合でも、以前と同じ設定からやり直すことができます。

「DaVinci Resolve」の場合も、まずは「プロジェクト」ファイルを作成します。ソフトを起動したら、右下の「新規プロジェクト」をクリックし、プロジェクト名を入力後、「作成」をクリックします。

「Davinci Resolve」の編集画面が開いたら、まずは左上の「ファイル」メニューから「プロジェクト設定...」を選び、プロジェクトの基本設定を確認。ここでは「解像度」や「フレームレート」を確認し、必要であれば変更します。この設定は後からでも可能ですが、編集開始前にあらかじめ設定しておいたほうがベターです。

6-2.編集に使う素材を取り込む

「プロジェクト」ファイルを作成・確認したら、次は編集する映像の素材を取り込みます。まず画面下のメニューから「メディア」を選択。編集する動画ファイルを「メディアプール」にドラッグします。ファイルは別ウインドウからドラッグしてもOKですし、左上の「メディアストレージ」から選択することもできます。

ファイルをドラッグした際、ファイルのフレームレートとプロジェクトのフレームレートが異なる場合、「プロジェクトフレームレートを変更しますか?」というダイアログが表示されます。先に設定したフレームレートで編集する場合は「変更しない」、素材のフレームレートそのままで編集する場合は「変更」を選択しましょう。

後は同じ要領で、編集に使用する素材をメディアプールに追加します。静止画像や音楽ファイルなどを使用する場合も同様です。

6-3.「カット」ページで編集を行う

編集に使用する素材を取り込んだら、次は素材の不要な部分をカットする「カット」編集です。画面下部のメニューから「カット」を選択し、「カット」画面へ移行。「カット」画面では、左上の「メディアプール」から動画素材をタイムラインにドラッグします。

タイムラインでは、タイムラインバーを動かして、要・不要の区切りのところでハサミマークの「クリップを分割」ボタンをクリックします。映像ファイルの先頭だけを使いたい、あるいは後半のみを使いたい場合は1カ所、中央部分のみを使いたい場合は2カ所、複数箇所を使用する場合は、それぞれの区切りで「クリップを分割」を行い、必要なシーンを抽出します。後は、不要な部分を選択して「DELETE」キーを押すだけで、不要なシーンがカットされ、必要なシーンのみが残ります。

「カット」作業が終了したら、シーン間の切り替わりに効果をつける「トランジション」を設定してみましょう。「トランジション」を設定すれば、不自然な切り替わりや明暗の差などを華やかに演出することができます。

「Davinci Resolve」には数多くの「トランジション」が用意されており、画面左上の「トランジション」をクリックし、利用したい「トランジション」をタイムラインにドラッグするだけで簡単に適用できます。

また、動画にタイトルや字幕などのテキスト情報を表示する場合は、画面左上の「タイトル」を選択。プリセットから最適なものを選んで、タイムライン上の表示させた位置にドラッグします。表示する文字は、左上の「インスペクタ」をクリックして設定します。「インスペクタ」では、フォントや文字色、サイズなどの詳細も設定可能です。

なお、「カット」作業など各種編集を行った場合は、その都度「プロジェクト」ファイルを保存しておきましょう。後になってやり直す可能性がある場合は、別ファイルとして保存しておくのもよいでしょう。


6-4.「エディット」ページでエフェクトを追加

画面下部の「エディット」をクリックすると、「エディット」ページが表示されます。「カット」ページで行った編集作業は「エディット」ページでも実行可能なので、どちらで作業を行ったも結果は同じです。自分のやりやすい方で作業すれば問題ありませんが、「エディット」ページは情報が多いため、「トランジション」や「タイトル」などは「カット」ページで行ったほうがやりやすいかもしれません。

「エディット」ページでは、各種「エフェクト」(特殊効果)の追加など高度な編集機能が用意されていますが、映像編集では定番の「フェードイン」「フェードアウト」も「エディット」ページで設定できます。「フェードイン」「フェードアウト」はクリップの始点と終点の上部にある白いキューを動かすだけで設定できますので、効果的に利用してみましょう。

また、「エディット」ページはトラック管理がやりやすいので、BGMなどの音声を別途追加する場合も「エディット」ページを利用します。BGMは、メディアプールからタイムラインの空いているところに音楽ファイルをドラッグするだけでオーディオトラックとして追加されます。トラックが追加されたら、使用したい位置や長さを調整しましょう。

なお、オーディオトラックも、ビデオトラックと同様に、「フェードイン」「フェードアウト」が設定できます。また、音量については、オーディオトラック内の白いラインを上下に動かすことで調整できますが、細かく設定したい場合は右上の「インスペクタ」を開いて調整します。

さらに「Fusion」ページではアニメーションやモーショングラフィックスなどの特殊エフェクトの追加、「カラー」ページでは「DaVinci Resolve」ならではのカラーグレーディング、「Fairlight」ページでは、波形編集やミキシングなどの音声編集を行うことができますが、このあたりはあらためて紹介したいと思います。


6-5.「デリバー」ページで動画を書き出し

「カット」編集や各種エフェクト、BGMなどを追加して完成した映像は、「デリバー」ページで動画ファイルとして書き出します。編集した映像をすべて書き出すだけでなく、「エディット」ページで「イン点」と「アウト点」をあらかじめ設定すれば、範囲を絞って書き出すこともできます。

書き出す動画ファイルは「レンダー設定」で各種設定を行います。「レンダー設定」には、「YouTube」や「Vimeo」「TikTok」などのプリセットも用意されていますので、目的が合致する方はプリセットを有効活用しましょう。

「ファイル名」や「保存先」、「解像度」「フレームレート」「フォーマット」「ビデオコーデック」などを設定したら、最下部にある「レンダーキューに追加」をクリック。後は「すべてレンダー」をクリックすると、動画ファイルが書き出されます。



7.他の動画編集ソフトとの違い

7-1 .Adobe Premiere Pro

映画の編集などプロの現場でも幅広く使用されているAdobeの動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」は、その他のAdobe製ソフトとの連携性が高いのが特徴です。「DaVinci Resolve」はひとつのソフトに複数の機能が搭載されていますが、「Adobe Premiere Pro」は、動画編集に特化しつつ、他のAdobe製ソフトで機能をサポートするイメージです。

いずれのソフトも機能性が高く、ハイクオリティな映像を制作できますが、初心者には少しハードルが高いという点は共通かもしれません。それぞれに一長一短はありますが、やはりカラーグレーディングに関しては「DaVinci Resolve」が強く、色にこだわるのであれば「DaVinci Resolve」に軍配が上がります。基本的な編集は「Adobe Premiere Pro」、色関連は「DaVinci Resolve」と使い分けている人もいるぐらいです。

「Adobe Premiere Pro」はサブスクリプションのみでの提供となっており、無料体験版はあるものの、ほとんどの機能を無料で使える「DaVinci Resolve」と比べるとコストが掛かるのが難点。ただし、「Adobe Creative Cloud」で「Photoshop」や「Illustrator」とあわせて使うのであれば、比較的コストを抑えることができますし、2万以上のフォントが使い放題の「Adobe Fonts」が利用できるのも見逃せないポイントになります。

詳細はこちら

7-2.Final Cut Pro  

「Final Cut Pro」は、Appleが開発する動画編集ソフトで、非常に人気が高く、初心者からプロの現場まで幅広く利用されていますが、macOS/iOS専用ソフトであり、Windows環境では利用することができません。

直感的でシンプルな操作性を備えながら、多彩なエフェクトが利用できるなど機能性の高さも魅力ですが、やはりカラーグレーディングに関しては「Davinci Resolve」のほうが強みを発揮します。

価格面では、買い切りで45,000円と、有料版の「DaVinci Resolve Studio」とほとんど同じ価格設定となっていますが、無料でほとんどの機能が利用できる「DaVinci Resolve」のコストパフォーマンスの高さにはかないません。

Appleが自ら開発しているソフトなので、macOSとの相性も抜群。Macユーザーであれば、「Final Cut Pro」を使うほうがメリットは大きいかもしれません。ただし、Mac以外の環境でも使う可能性のある方や、複数のユーザーで共同作業を行うような方は「DaVinci Resolve」を使うほうが利便性は高まるでしょう。

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8.「Davinci Resolve」におすすめのBTOパソコン

8-1 .Lepton Motion Pro Z790/D5

BTOメーカー・サイコムの「Lepton Motion Pro Z790/D5」は映像編集に特化したパソコン。CPUに最大5.6GHz、20コア/28スレッドのIntel Core i7-14700K、ビデオカードにVRAM8GBのNVIDIAの GeForce RTX 4060を標準で搭載し、メモリもDDR5-4800を32GB(16GB×2)と必要十分な構成となっています。

4Kを超えるような映像編集を目指すのであれば、CPUやビデオカードをカスタマイズすることで、さらなるパワーアップも期待できます。

スタイリッシュでエアフローに優れたFractal Design製のPCケースや圧倒的な冷却&静音性を発揮するNoctua製のCPUクーラーも注目ポイント。快適な動画編集を約束する1台に仕上がっています。

「Lepton Motion Pro Z790/D5」の標準構成
CPU:Core i7-14700K
マザーボード:ASRock Z790 Pro RS
メモリ:32GB[16GB*2枚]DDR5-4800 Dual Channel
SSD:Crucial P5 Plus CT1000P5PSSD8 [M.2 PCI-E GEN4 SSD 1TB]
ビデオカード:GeForce RTX4060 8GB ASUS製DUAL-RTX4060-8G
OS:Windows 10 Home
外形寸法:幅222×奥450×高さ467mm

「Lepton Motion Pro Z790/D5」製品ページ

8-2.Lepton Motion Pro Mini B760/D5

「Lepton Motion Pro Mini B760/D5」は、「Lepton Motion Pro Z790/D5」と同様、映像編集に特化したスタイリッシュなミニタワー型モデル。高性能パソコンはサイズが大きくなりがちですが、設置場所を選ばないコンパクトモデルで、自宅での作業にも最適な1台に仕上がっています。

サイズはコンパクトながら、CPUにIntel Core i7-13700K、ビデオカードにNVIDIAの GeForce RTX 4060、メモリもDDR5-4800を16GB(8GB×2)を搭載。
Fractal Design製のPCケースやNoctua製のCPUクーラーなど、圧倒的なパワーと静音&冷却性能の両立が期待できる構成になっています。

Lepton Motion Pro Mini B760/D5 高速なレンダリング性能を誇る映像編集に特化したスタイリッシュなミニタワー型モデル。 コンパクトながら安定性と静音性も両立。 設置場所を選ばず、現場の即戦力としてクリエイターをサポートします。
「Lepton Motion Pro Mini B760/D5」の標準構成
CPU:Core i7-13700K
マザーボード:MSI MPG B760I EDGE WIFI
メモリ:16GB[DDR5-4800 8GBx2 Dual Channel]
SSD:Crucial T500 CT1000T500SSD8 [M.2 PCI-E GEN4 SSD 1TB]
ビデオカード:GeForce RTX4060 8GB ASUS製DUAL-RTX4060-8G
OS:Windows 10 Home
外形寸法:幅222×奥417×高さ374mm

「Lepton Motion Pro Mini B760/D5」製品ページ

9.まとめ

「DaVinci Resolve」はプロの現場でも使用される本格的な動画編集ソフトですが、映像編集初心者の方でも簡単な編集であれば手軽に操作できますし、慣れてくれば本格的な編集にもチャレンジすることができます。

ただし、快適な作業を求めるのであれば、パソコンにある程度のスペックが求められます。「DaVinci Resolve」で映像編集にチャレンジするのであれば、これを機会に、自分のパソコン環境についても見直してみることをおすすめします。

本記事では、「DaVinci Resolve」の特徴から、導入手順や簡単な操作方法、さらには他の動画編集ソフトとの違いやおすすめのBTOパソコンなどを紹介しました。ぜひ本記事を参考にして、快適な動画編集ライフをお過ごしください。



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  • 9位Radiant GZ3500X670A
    Zen4アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 7000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
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