
「AMD Radeon RX 9070 GRE」は、AMDの最新GPU「Radeon RX 9000」シリーズのビデオカード(GPU)です。末尾に「GRE」が付くビデオカード(GPU)は、2025年に中国市場向けとして登場し、2026年6月からグローバル市場へ展開されたモデルとなっています。
本記事では、「Radeon RX 9000」シリーズのハードウェア的な特徴や超解像技術「FSR」などのソフトウェア面でのサポートなどの基本を押さえたうえで、「Radeon RX 9070 GRE」のスペックや性能を前世代の「Radeon RX 7700 XT」や同世代の「Radeon RX 9070」との比較を交えて紹介していきます。
1.「AMD Radeon RX 9000」シリーズの特徴
「AMD Radeon RX 9070 GRE」のスペックなどの詳細を紹介する前に、まずはそのベースとなる「Radeon RX 9000」シリーズの特徴について解説します。

1-1.最新アーキテクチャ「RDNA 4」を採用
AMD製GPUの最新モデルとして2025年3月に登場した「Radeon RX 9000」シリーズは、「RDNA 4」アーキテクチャを採用。レイトレーシングユニットも第三世代となり、リアルなライティングやシャドウ、リフレクションを実現するほか、第二世代に進化したAIアクセラレータの存在により、ゲーミング用途だけではなく、クリエイティブ用途でも高いパフォーマンスが期待できます。
なお、「Radeon RX 9000」シリーズからはネーミングルールが刷新されているのも注目ポイント。前世代の「Radeon RX 7000」シリーズでは、「Radeon RX 7900 XT」のように、数字の100の位で性能を表していましたが、「Radeon RX 9000」シリーズでは、「Radeon RX 9070 XT」のように、10の位で性能を表す仕様となっています。
また、「Radeon RX 9000」シリーズはミドルレンジクラスに注力されており、ハイエンドモデルは今のところリリースされていません。そのため、現時点では「Radeon RX 9070 XT」が「Radeon RX 9000」シリーズにおける最上位モデルとなっています。
1-2.幅広いディスプレイに対応
「Radeon RX 9000」シリーズでは、新設計となる「AMD Radiance Display エンジン」と強化されたメディアエンジンの搭載により、幅広いディスプレイ対応を実現。DisplayPort 2.1aおよびHDMI 2.1bをサポートし、最大8K/144Hzという高解像度と高リフレッシュレートに対応可能となっています。
また、配信・録画機能の強化も行われており、AV1エンコードによる高画質なゲーム録画やストリーミングを快適に処理できる点も大きな特徴となっています。

2.「AMD Radeon RX」シリーズを支えるソフトウェア
超解像技術「FSR」は、ゲーム体験を高める注目テクノロジ。さらに、GPUだけでなくCPUも開発・設計するAMDならではの「AMDスマートテクノロジ」など、「AMD Radeon RX」シリーズを支えるソフトウェア面のテクノロジについて紹介します。
2-1.「FSR “Redstone”」でよりAI重視の流れに
「AMD FidelityFX Super Resolution(FSR)」は、最先端のアップスケーリングおよびフレーム生成テクノロジを使用することで対応ゲームのパフォーマンスを大幅に高める、AMDが開発した超解像技術。NVIDIAの超解像技術「DLSS」が「GeForce RTX」シリーズでのみ使用できるのに対し、従来の「FSR 3」まではRadeonを含むほぼすべてのGPUで利用できるオープンな技術として普及していました。
しかし、「FSR 4」はAIアクセラレーションによるアップスケーリングアルゴリズムを使用することから、「Radeon RX 9000」シリーズなど特定のGPUでのみ利用可能となる形へ動作要件が変化しました。 そして、2025年12月に登場した「FSR “Redstone”」は、「RDNA 4」世代のGPU上でよりスムーズなパフォーマンスとシャープなビジュアルを実現する、機械学習を活用したゲームテクノロジのセットで、「FSR」においてもAI活用の流れがより明らかになりました。
この「FSR “Redstone”」は、従来の「FSR 4」に相当するAIベースのアップスケーリング機能を「FSR Upscaling」として含み、さらに3つの新機能を追加した計4つの機能で構成されています。新たに追加されたのは、 AIによるフレーム生成機能「FSR Frame Generation」、レイ再生成によりシャープでノイズのないビジュアルを実現する「FSR Ray Regeneration」、リアルタイムで効率的なグローバル イルミネーションを実現する「FSR Radiance Caching」です。
2-2.「AMD Ryzen」との組み合わせも注目
「Radeon RX」シリーズはAMDが設計・開発しているGPUということもあり、同じAMDが設計・開発するCPU「Ryzen」シリーズと組み合わせることによって、「AMDスマートテクノロジ」を利用できます。
「AMDスマートテクノロジ」は、必要に応じてすばやく動的に電力を管理し、「Radeon」と「Ryzen」の相乗効果を利用することによってシステムのパフォーマンスと効率性を向上。ゲームのパフォーマンスを最大化したり、レイテンシを低減したり、さらには電力効率を高めたりすることが可能となっています。
「AMDスマートテクノロジ」には様々な機能が含まれていますが、その中でもゲーミング用途でもっとも注目したいのが「AMD Smart Access Memory」です。これは「Ryzen」から「Radeon」搭載ビデオカードのビデオメモリ(VRAM)全体へアクセスできるようにすることで、対応環境・対応ゲームでパフォーマンス向上が期待できる機能となっています。

3.「AMD Radeon RX 9070 GRE」の特徴
ここまで、「AMD Radeon RX 9000」シリーズについて、ハードウェアおよびソフトウェア面から紹介してきましたが、ここでは、「AMD Radeon RX 9070 GRE」の特徴を、前世代のミドルレンジモデルである「AMD Radeon RX 7700 XT」および同世代の「AMD Radeon RX 9070」と比較してみましょう。
3-1.基本スペックを比較
「Radeon RX 9070 GRE」の基本スペックを「Radeon RX 7700 XT」と比較すると、アーキテクチャは「RDNA 3」から「RDNA 4」へと進化していますが、演算ユニットは54基から48基と減少しており、動作クロックは向上しているものの、VRAMに関してはいずれも12GBの「GDDR6」を搭載しています。
一方、同じ「RDNA 4」世代の「Radeon RX 9070」と比較すると、演算ユニットが56基から48基と大きく減少しているほか、VRAM容量も16GBから12GBに減少。また、メモリインターフェイスも256ビットから192ビットとなっています。
このように、スペック面から見ると、「Radeon RX 9070 GRE」は「Radeon RX 9070」の下位モデルに位置づけられるビデオカードとなっています。
| 「Radeon RX 9070 GRE」と「Radeon RX 7700 XT」と「Radeon RX 9070」のスペック比較 | |||
|---|---|---|---|
| Radeon RX 9070 GRE | Radeon RX 7700 XT | Radeon RX 9070 | |
| アーキテクチャ | RDNA 4 | RDNA 3 | RDNA 4 |
| 演算ユニット | 48 | 54 | 56 |
| ストリーミングプロセッサ | 3072 | 3456 | 3584 |
| レイアクセラレータ | 48 | 54 | 56 |
| AIアクセラレータ | 96 | 108 | 112 |
| ブースト周波数 ブーストクロック | 2.79GHz | 2.544GHz | 2.52GHz |
| ゲーム周波数 ベースクロック | 2.22GHz | 2.171GHz | 2.07GHz |
| VRAM | 12GB GDDR6 | 12GB GDDR6 | 16GB GDDR6 |
| メモリインタフェース | 192ビット | 192ビット | 256ビット |
| 標準ボード電力(デスクトップ) | 220W | 245W | 220W |
| PSUの推奨最低要件 | 650W | 700W | 650W |
3-2.パフォーマンスを比較
「Radeon RX 9070 GRE」のパフォーマンスについては、本サイトの「ビデオカード性能比較」を参考にしてみましょう。「ビデオカード性能比較」は、BTOメーカー・サイコムがベンチマークソフトなどを利用して独自に測定したスコアをまとめたもの。あくまでも参考値であり、絶対的な性能を表したものではありませんが、性能を比較する際のひとつの目安として活用できます。
「ビデオカード性能比較」の数値を見ると、「Radeon RX 9070 GRE」のスコアが「10,878」であるのに対し、「Radeon RX 7700 XT」は「9,649」となっており、演算ユニット数は減少しているものの、パフォーマンス面では新アーキテクチャを採用している「Radeon RX 9070 GRE」に軍配が上がります。
ただし、同じアーキテクチャの「Radeon RX 9070」は「11,708」となっており、演算ユニット数の減少に加え、VRAM周りの違いがはっきりとスコアに表れていることがわかります。

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4.まとめ
「AMD Radeon RX 9070 GRE」は、「AMD Radeon RX 9000」シリーズにおいてはミドルレンジクラスのビデオカード(GPU)で、スペック的には「Radeon RX 9070」の下位モデルに位置づけられます。
VRAM容量が「Radeon RX 9070」の16GBに対して、VRAM容量が12GBと少なくなっている点も含めて、パフォーマンス面では「Radeon RX 9070」に及びませんが、前世代の「Radeon RX 7700 XT」を上回るスコアを記録していますので、導入を考えている方は、コスト面とあわせて検討してみてください。
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