AMDとIntel、2大CPUメーカーの最新情報をチェック!「Ryzen」と「Core Ultra」の特徴を徹底解説

パソコンを購入する際、多くの方が最初に注目するのがCPUです。CPUはパソコンの頭脳とも言える超重要パーツであり、パソコンの性能だけでなく、操作の快適性にも大きな影響を与えるパーツなので、CPU選びは非常に重要な悩みどころと言えます。

その中でも、「AMD」と「Intel」という、昔から根強い人気を誇る2大ブランドのどちらを選ぶかは非常に大きな分岐点となるだけに、両者の違いや特徴については、事前にしっかりチェックしておきたいポイントとなっています。

本記事では、AMD製CPU「Ryzen」とIntel製CPU「Core Ultra」といった最新モデルの特徴や違いを、初心者にもわかりやすく整理しています。さらに、用途別のおすすめCPUや注目のBTOパソコンを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次 [隠す]

1.「AMDとIntel」CPUの特徴とラインナップ

1-1.AMDのCPU「Ryzen」シリーズの特徴

「AMD Ryzen(ライゼン)」は、CPUをはじめ、GPUやチップセットなどを手掛けるAMD(Advanced Micro Devices)が設計・開発するCPUブランド。AMDは、かつてはIntelの互換CPUを製造していましたが、独自開発となる「Atlon」で人気を博し、その後、64ビットCPUやデュアルコアCPUなど先んじてリリースするなど、高い技術力が評価されるようになりました。

「Ryzen」は、2016年末に発表されたCPUブランドで、高いマルチコア性能が特徴となっています。また、「Radeon」などのGPUを手掛けるAMDだからこそともいえる高性能な内蔵グラフィック機能を備えている点も注目ポイントとなっています。

現在の最新モデルは、「ZEN5」アーキテクチャーを採用した「Ryzen 9000」シリーズで、ソケットAM5を採用。また、一世代前の「ZEN4」アーキテクチャーではありますが、高性能のグラフィック機能を内蔵した「Ryzen 8000G」シリーズはAPU(Accelerated Processing Unit)と呼ばれ、上位モデルにはAIに特化したNPU「Ryzen AI」が搭載されています。

「Ryzen」シリーズには、「Ryzen 3」「Ryzen 5」「Ryzen 7」「Ryzen 9」といったグレードが用意されており、数字が大きいほうが性能も高くなっています。なお、「Ryzen 9000」シリーズは「Ryzen 5/7/9」のみで、「Ryzen 3」はリリースされていません。また、グレートの後ろには、たとえば「Ryzen 7 9700X」といった形で型番が続きますが、この型番も数字が大きいほど性能も高くなります。そして末尾の「X」は高性能モデルであることを示しています。

1-2.IntelのCPU「Core Ultra」シリーズの特徴

「Intel Core(コア)」は、世界最大手の半導体メーカーであるIntelが開発・製造するCPUブランド。CPU分野ではかつてより高い評価を得ていましたが、「Pentium」ブランドのCPUで一世を風靡し、デスクトップ向け「Core」ブランドの先駆けとなる「Core 2」シリーズの登場によりその存在感を示しました。

デスクトップ向けでは「Core 2」からスタートした「Core」ブランドですが、その後は「Core i」シリーズとして発展し、現在は「Core Ultra」シリーズとして展開されています。

「Core Ultra」シリーズは、性能を重視した「Pコア」(Performance-cores)と電力効率を重視した「Eコア」(Efficient-cores)を組み合わせたハイブリッド設計を採用。さらに、AI専用プロセッサ(NPU)や「Intel AI Boost」機能を搭載することで、AIタスクや画像処理、音声認識などの処理性能を大幅に向上させています。また、「Core Ultra」シリーズも一部のモデルを除き、グラフィック機能を内蔵しています。

「Core Ultra」シリーズには、「Ryzen」同様、「Core Ultra 3」「Core Ultra 5」「Core Ultra 7」「Core Ultra 9」といったグレードが用意されており、こちらも数字が大きいほうが性能も高くなっていますが、現時点ではデスクトップ向けの「Core Ultra 3」はリリースされていません。そして、「Core Ultra」シリーズもグレートの後ろには、たとえば「Core Ultra 7 265」といった形で型番が続きますが、この型番も数字が大きいほど性能も高くなります。なお、末尾に「K」が付くものはオーバークロックがやりやすい倍率ロックフリー、「F」が付くものはグラフィック機能が非搭載であることを意味しています。

2.CPUのスペックの見方

2-1.コア数とスレッド数

「コア数」はCPU内の「命令を処理する物理ユニット」の数を示しており、コア数が多いほど同時に多くの作業を並行して処理できるため、マルチタスクや重い作業に強くなります。

一方、「スレッド数」は「同時に処理できる命令(タスク)」の数を示しています。通常は1コアあたり1スレッドを処理しますが、マルチスレッド技術によって1コアあたり2スレッドの処理ができる場合もあり、コア数が「物理的な数」であるのに対し、スレッド数は「論理的な数」となっています。

「Ryzen」は、SMT(Simultaneous Multi Threading)技術をサポートしており、1コアあたり2スレッドの処理が可能なため、例えば12コアを搭載する「Ryzen 7 9700X」は、24スレッドの処理が可能です。「一方、ハイパー・スレッディング・テクノロジー」と呼ばれるSMT技術をいち早く導入したIntelですが、「Core Ultra」には採用していないため、計20コア(Pコア8+Eコア12)を搭載する「Core Ultra 7 265」のスレッド数はコア数と同じ20となります。

2-2.動作クロック(クロック周波数)

「動作クロック(クロック周波数)」は、CPUが1秒間に何回命令を実行できるかを示す指標で、単位はHz(ヘルツ)ですが、「Ryzen」、「Core Ultra」ともに、最大動作クロックは5.7GHz(ギガヘルツ)に達しています。

動作クロックは数値が高いほど1秒あたりの処理速度は速くなるため、かつては動作クロック=CPUの性能と言っても過言ではありませんでしたが、現在では、アーキテクチャーやコア数、キャッシュ容量などの影響が大きくなっているため、単純に動作クロックが高いから性能も高いとは言えない状況になっています。

2-3.キャッシュ容量

「キャッシュ」はCPU内部にある高速な一時記憶領域のことで、「キャッシュ容量」はその大きさを示しており、キャッシュ容量が大きいほど頻繁に使うデータを素早く処理できるため、CPU全体の処理効率や処理速度が向上します。

速度に応じて「L1/L2/L3」といった階層があり、かつてはキャッシュ容量といえば「L2(2次キャッシュ)」を意味することが多かったのですが、「Ryzen」「Core Ultra」ともにL3(3次キャッシュ)まで搭載。「Core Ultra」ではL3のことを「インテル スマートキャッシュ」と表現しています。一方、「Ryzen」において型番の末尾に「3D」が付くモデルについては、3D V-Cacheという仕組みを採用した大容量のL3が特徴となっています。

2-4.TDP(熱設計電力)

「TDP(Thermal Design Power)」は、「熱設計電力」とも呼ばれ、CPUが最大で発生させる熱量を示す指標。単位はW(ワット)で、消費電力の目安としても使用されます。

TDPの数値が高いほど発熱・消費電力が大きくなり、それにあわせた冷却システムが必要になることを示しています。一般的に高性能CPUはTDPが高い傾向にありますので、冷却面での注意が必要です。逆に、省電力・静音性を重視する場合は、TDPが低いモデルを選ぶようにしましょう。

現在、CPUは動作クロックを負荷に応じて可変するため、Intelでは、定格時のTDPを「PBP(Processer Base Power:プロセッサーベースパワー)」、高負荷時のTDPを「MTP(Maximum Turbo Power:最大ターボパワー)」として公開しています。

2-5.GPU(内蔵グラフィックス)

現在、多くのCPUはGPUを統合することでグラフィック機能を内蔵しています。そのため、ビジネス用途がメインで、ゲームやクリエイティブな作業をしない場合は、ビデオカードを別途搭載することなく、映像を出力することが可能となっています。

かつてチップセットに搭載されていたグラフィック機能と比較すると、現在のCPUに内蔵されているグラフィック機能はかなり高性能となっていますが、それでもやはり外付けのビデオカードよりもかなり性能は劣るのが現状です。

3.「AMDとIntel」CPUの違いを徹底比較

3-1.シングル・マルチコア性能

シングルコア性能は、CPUの1つのコアがどれだけ高い処理能力を持っているかを示し、マルチコア性能は、CPUの複数のコアが同時にどれだけ効率よく処理できるかを示します。

特にマルチコア性能はソフトウェアの最適化などが関係するために一概に優劣をつけるのは難しいのですが、一般的に、シングルコア性能はIntel、マルチコア性能はAMDに軍配が上がると言われています。

シングルコア性能はゲーミングに大きな影響を与えると言われており、特にIntelの第13世代・第14世代の「Core i」シリーズは高い人気を誇っていました。その一方で、AMDは「Ryzen」に3D V-Cacheを搭載してL3キャッシュを増量することによって、ゲーミング性能を高めています。なお、「Core Ultra」のゲーミング性能はあまり高く評価されていないのが現状です。

一方のマルチコア性能については、「Ryzen」が優勢と言われていますが、「Core Ultra」は、ハイパースレッディング・テクノロジーをなくしたことでスレッド数が減ったにも関わらず、新アーキテクチャの影響もあって、高いマルチコア性能を発揮しますので、今後の動向に注目したいところです。

3-2.内蔵グラフィック性能

Intel製CPUの場合、「Core i」シリーズは「Intel UHD Graphics」、「Core Ultra」シリーズは「Intel Graphics」と呼ばれるGPUを搭載しています。なお、一部の「Core i」シリーズは「Iris Xe Graphics」、一部の「Core Ultra」は「Intel Arc Graphics」と呼ばれる性能の高いGPUを統合していますが、基本的にはビデオカードの搭載が難しいノートPC向けのラインナップとなっています。

一方、AMDの「Ryzen 9000」シリーズは「AMD Radeon Graphics」、「Ryzen 8000G」シリーズは、グレードによって異なりますが「AMD Radeon 740/760/780M」を搭載しています。

先にも述べた通り、CPUに内蔵されているグラフィック機能は、性能的にも高くなっており、ビジネス用途や動画視聴程度であればまったく問題なく使用できますが、ゲーミングなどに使用するのはまだまだ力不足と言えます。ただし、「Ryzen 8000G」シリーズに内蔵されているグラフィック機能はかなり性能が高く、最新ゲームとなると少々厳しいのですが、軽めの3Dゲームであれば十分に対応できるパフォーマンスを発揮します。

3-3.価格・コストパフォーマンス

パフォーマンスあたりの価格、つまりコストパフォーマンスもCPU選びにおいては重要な指標。AMDはかつてよりコストパフォーマンスの高いCPUをリリースしてきましたは、「Ryzen」においてもその評価は変わっていません。

一方、Intelは、ハイエンド帯の価格がやや高めとなっており、コストパフォーマンスという点ではやや分が悪い状況にありますが、例えば第13世代・第14世代の「Core i」シリーズなどは、型落ちとなって価格が下がっているため、コストパフォーマンスという意味では非常に面白い存在といえます。

ビデオカードとは異なり、CPUはCPUソケット、つまりマザーボードとセットになりますので、ソケット形状についても注意が必要となります。Intelの場合は、2~3年ほどでソケット形状が変更される傾向にありますが、AMDの場合、前世代の「ソケットAM4」が約5年に渡って使用されたのと同様、2022年に登場した「ソケットAM5」も長期間の運用が予定されているため、CPU交換も念頭に入れたシステム全体のコストパフォーマンスという点でもAMDのほうが有利と言えます。

ソケットAM5対応 ASUS TUF GAMING B850-PLUS WIFI

3-4. 消費電力と発熱の違い

CPUの発熱は、世代やアーキテクチャーによって異なるため、一概にどちらが上とは言い切れないことがほとんどです。基準としてTDPという数値がもちろんありますが、IntelがPBPとMTPといった2つの指標に分けていることからもわかるとおり、使用状況によっても大きく変わってくるのです。

ただ、高性能のCPUほど、発熱、消費電力が大きくなるのは、「Core Ultra」の「Ryzen」も同じですが、「Core Ultra」の場合、ハイエンド帯の「Core Ultra 9 285」のTDP(PBP)が65W、「Core Ultra 9 285K」でも125Wに抑えられているのは、大きく注目したいポイントとなっています。

4.「AMDとIntel」用途別おすすめCPUを紹介

4-1.ゲームを快適に楽しみたい

ゲームは基本的にシングルコア性能が求められるため、一般的にIntel製CPUのほうが有利と言われています。ただし、最新の「Core Ultra」シリーズは最適化が進んでいないこともあり、一世代前の第14世代「Core i」シリーズがおすすめとなっていますが、「Core Ultra」が使い物にならないということではなく、あくまでも比較した場合の話となります。今後のアップデートやプラットフォームとしての先を見据えれば「Core Ultra」でも大きな問題はないと言えます。

一方、「Ryzen」はマルチコア性能が高く、ゲーミング用途ではやや遅れを取っていましたが、3D V-Cacheによって大容量のL3キャッシュを搭載した末尾「3D」のモデルが登場したことで情勢は大きく変化。ゲーミング特化のCPUとして大きな注目を集めています。ただし、ゲームによってはL3キャッシュの影響が少ないものがある点は注意が必要です。

4-2.動画編集やクリエイティブ作業がメイン

動画編集やクリエイティブな作業は、マルチコア性能が大きく影響するため、「Ryzen 7」や「Ryzen 9」といったコア数の多いCPUがおすすめです。もちろんIntel製CPUの場合も、マルチコア性能が低いというわけではないため、どちらを選んでも大きな差はないと言えます。その一方で、先にも述べた通り、「Core Ultra」のハイパースレッディングを廃したことで、スレッド数が減っていますが、アーキテクチャの刷新により、高いマルチコア性能が確保されている点が注目を集めています。

ただし、かつては動画編集などの作業はCPUの性能が大きく影響しましたが、最近のソフトウェアは、ビデオカード、つまりGPUをフルに活用する傾向が強く、CPUについてはあまり重視されなくなりつつあります。

4-3.プログラミング・AI開発などに利用

プログラミングやAI開発などもビデオカード(GPU)の重要性が高まっている分野ですが、複数の仮想マシンを立ち上げたりするような開発環境であれば、AMD、Intelに関わらず、コア数の多いハイエンドモデルを使用したいところです。

ただし、こういったプロフェッショナルな分野になると、通常の「Ryzen」や「Core Ultra」ではなく、AMDであれば「Ryzen Threadripper」、Intelであれば「Xeon」といったワークステーション向けのCPUの利用も検討してみましょう。ります。

4-4.事務作業やインターネット閲覧が中心

事務作業などのビジネス用途、インターネット閲覧やメールといった作業が中心であれば、あまりCPUにこだわる必要はありません。「Core Ultra 5」や「Ryzen 5」といったグレードでも十二分にパフォーマンスを発揮します。

ビジネス用途であれば、グラフィック性能もあまり必要としないため、CPUの内蔵グラフィックスでも十分です。CPUによっては、グラフィック機能を内蔵していないモデルもあり、その場合はビデオカードが必須となるため、コストを抑えたい方は注意しましょう。また、内蔵グラフィックを使う場合、性能が高い「Ryzen 8000G」シリーズを採用すれば、万が一、3Dグラフィック性能が必要な作業が発生しても安心です。

5.CPU選びで失敗しないためのポイント

5-1.用途を明確にする

CPUを選ぶ際、最初に明確にしておきたいのは、どのような用途でパソコンを使用するかについてです。とりあえずハイエンドのCPUを採用しておけば、どんなに作業にも対応可能ですが、やはり予算などを考えると、できるだけ最適なものをチョイスするのが賢明です。

自分が何をしたいかを明確にしたうえで、予算とのバランスを考慮しながら、第4章で紹介した、用途に応じたCPUを検討してみましょう。

5-2.マザーボードの対応をチェック

新たにパソコン1台を購入する場合は、あまり気にする必要はありませんが、現在使っているパソコンのCPUを換装したい、あるいはパソコンの自作を考えている方にとっては、マザーボード、特にCPUソケットをチェックする必要があります。

CPUは世代によって、CPUソケットが異なるため、例えばLGA1700の「Core i7」をLGA1851.の「Core Ultra 7」に換装することは物理的に不可能であり、マザーボードごと交換する必要があります。特にIntelは2~3年ほどでソケット形状が変更になるため、自分の使っているCPUの世代についてはしっかりとチェックしておきましょう。

一方、AMDの「Ryzen」についても、ソケット形状が異なれば物理的に使用できない点はIntelと同様ですが、ソケット形状が変更になる周期が約5年と長いため、新しいCPUが登場した際に、換装できる可能性はIntelよりも高くなっています。

5-3.他パーツとのバランスも重要

いくらハイエンドのCPUでも、ビデオカードやメモリなど他のパーツのグレードが低いと、本来のパフォーマンスを十分に発揮することはできません。もちろん、どれだけハイエンドのビデオカードであっても、CPUのグレードが低いと、同じように性能をフルに発揮することはできないのです。

そのため、CPU選びはトータルバランスを考えることが重要で、予算を配分する際は、何らかのパーツがボトルネックにならないように注意することが肝要です。

5-4.冷却・消費電力も考慮しよう

先にも述べた通り、CPUは性能が上がるにつれて、発熱や消費電力が増大する傾向にあります。そして、もっとも注意しなければならないのは、CPUの発熱を抑えられないと、パフォーマンスを落とすことで温度の上昇を防ぐ「サーマルスロットリング」と呼ばれる機能が働いてしまうことです。

そのため、特にハイエンドのCPUを使用する方は、高性能なCPUクーラーや水冷ユニットの導入を検討することをおすすめします。安定したパフォーマンスを引き出すためには、安定した冷却が必須だからです。さらに、パソコンの設置場所やPCケース内のエアフローなどもしっかりとチェックして、CPUが効率的に冷却される環境を構築しましょう。

サイコムオリジナルAsetek 624S-M2 RGBポンプ仕様 + Noctua NF-F12 PWM x2 [240mm水冷ユニット]

5-5.レビューやベンチマークを参考にする

CPUの性能はカタログスペックからだとなかなか判断しにくいものです。自分の用途にあった性能を確認するために、第三者によるレビューやベンチマーク結果を参考にするとよいでしょう。

いわゆるベンチマークソフトでも、だいたいの性能差を掴むことは可能ですが、できれば自分が使用したいソフトウェアに関するレビューやベンチマーク結果を参考にしたいところです。ある程度の性能が把握できれば、そこからコストパフォーマンスを割り出すこともできますので、より自分に最適なCPUを選ぶことができます。

5-6.「AMD」と「Intel」の今

CPU業界は長らくIntelの一強時代が続き、AMD製CPUが話題の中心となることもありましたが、一部のマニア人気にとどまり、なかなか一般層にまでは広がりませんでした。

しかし現在では、「Ryzen」の性能面、特にコストパフォーマンスの高さが大きな注目を集め、さらにはIntel製CPUにトラブルが続いたことによって、AMDのシェア率もかなり高くなっています。この傾向は特にゲーミングPCにおいて顕著で、Steamによる2025年4月度のハードウェア&ソフトウェア調査を見ると、AMD製CPUの使用割合が約4割(39.65%)にも達しています。

シェア率は非常に重要で、シェアが高ければ性能も高いということはありませんが、ソフトウェアの最適化などに大きな影響ができます。これまでIntelの寡占状態だったこともあって、最適化は当然Intelのほうが進んでいたのですが、今後AMDのシェアがさらに拡大すれば、ソフトウェアメーカーも無視できなくなることは必然と言えます。

AMDの「Ryzen」もIntelの「Core Ultra」もそれぞれ優れたCPUですが、今後はさらに熾烈な争いが展開されることが予想されます。

6.AMD・Intel製CPU搭載!おすすめのBTOパソコンを紹介

6-1.シンプルかつハイエンドのゲーミングPC:G-Master Spear Z890/G-Master Spear X870A

BTOメーカー・サイコムのゲーミングPC「G-Master Spear」シリーズにおいて、Intelプラットフォームの最高峰が「G-Master Spear Z890」、AMDプラットフォームの最高峰が「G-Master Spear X870A」となります。

「G-Master Spear Z890」は「Intel Core Ultra」と「Intel Z890 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせ、「G-Master Spear X870A」は「AMD Ryzen 9000」シリーズと「AMD X870 チップセット」搭載マザーボードの組合せを採用。シンプルかつ高性能のゲーミングPCをお求めの方に注目してほしいモデルとなっています。

ゲーミング性能を追求するのであれば、ビデオカードのカスタマイズがおすすめですが、CPUをアップグレードすることによる効果も決して無視できないポイントです。特に「G-Master Spear X870A」の場合は、CPUを3D V-Cache搭載モデルにカスタマイズすることで、より快適なゲーミング環境を構築することが可能です。

G-Master Spear Z890

【G-Master Spear Z890】標準構成
CPU:Intel Core Ultra 7 265K【3.9GHz、20コア/20スレッド】
メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2)
チップセット:Intel Z890 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)

G-Master Spear X870A

【G-Master Spear X870A】標準構成
CPU:AMD Ryzen 7 9700X【3.8GHz、8コア/16スレッド】
メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2)
チップセット:AMD X870 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)

6-2.映像編集に特化したクリエイターPC:Lepton Motion Pro Z890/Lepton Motion Pro X870/A

高速なレンダリング性能を誇る映像編集に特化したミドルタワー型PC「Lepton Motion Pro」にも、Intelプラットフォームを採用した「Lepton Motion Pro Z890」とAMDプラットフォームを採用した「Lepton Motion Pro X870/A」がラインナップ。

圧倒的なエアフローによる安定性と大口径ファンによる静音性が魅力のクリエイターPCで、ゲーミング用途にも対応できる圧倒的なパフォーマンスが魅力。スタイリッシュな外観も作業のモチベーションアップに繋がります。

ゲーミングPC同様、クリエイターPCもビデオカードへの注目度が高くなってきていますが、ソフトウェアによってはCPUの重要性もまだまだ健在。映像編集に本格的に取り組むのであれば、ビデオカードだけでなくCPUのカスタマイズもあわせて検討してみましょう。

Lepton Motion Pro Z890

【Lepton Motion Pro Z890】標準構成
CPU:Intel Core Ultra 7 265K【3.9GHz、20コア/20スレッド】
メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2)
チップセット:Intel Z890 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)

Lepton Motion Pro X870/A

【Lepton Motion Pro X870/A】標準構成
CPU:AMD Ryzen 7 9700X【3.8GHz、8コア/16スレッド】
メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2)
チップセット:AMD X870 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)

6-3.初心者注目のコンパクトゲーミングPCも:G-Master Velox Mini B860 Intel Edition/G-Master Velox Mini B650A AMD Edition

厳選された標準&カスタマイズパーツで、快適なゲーミング環境が自在に構築できるコンパクトゲーミングPC「G-Master Velox Mini」シリーズは、初めてのBTOパソコンという方にもおすすめのラインナップとなっています。

容量わずか19リットルというコンパクトな筐体でありながら、ビデオカードを搭載しており、ゲーミングPCとしてのパフォーマンスも必要十分。カスタマイズによって、Noctua製の高性能CPUクーラーや水冷ユニットを組み合わせれば、ハイエンドクラスのCPUを搭載しても心配なしの冷却性能が期待できます。

コンパクトサイズゆえにカスタマイズの幅は、ミドルタワー型などと比べるとどうしても制限されてしまいますが、コンパクトなサイズ感に魅力を感じる方はぜひ注目してみてください。なお、第14世代の「Intel Core i」シリーズを搭載した「G-Master Velox Mini B760 Intel Edition」も要チェックです。

G-Master Velox Mini B860 Intel Edition

【G-Master Velox Mini B860 Intel Edition】標準構成
CPU:Intel Core Ultra 5 225F【3.3GHz、10コア/10スレッド】
メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2)
チップセット:Intel B860 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB)

G-Master Velox Mini B650A AMD Edition

【G-Master Velox Mini B650A AMD Edition】標準構成
CPU:AMD Ryzen 5 9600【3.8GHz、6コア/12スレッド】
メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2)
チップセット:AMD B650 チップセット
SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB)

7.まとめ

今回は2大CPUメーカーである「AMD」と「Intel」のCPUの特徴や違いについて解説しました。依然として人気の高いIntel製CPUですが、現在はAMD製CPUが猛追しており、今後の動向についてもしっかりチェックしていきたいところです。

AMDの「Ryzen」とIntelの「Core Ultra」について、総合的な優劣はなかなかつけにくいのですが、それぞれに特徴や得手不得手があるのも事実です。本記事を参考にしつつ、自分の用途に最適なCPUをチョイスして、快適なパソコンライフをお過ごしください。

BTOパソコン売れ筋ランキング

(4月1日~4月30日)

  • 1位
    1位G-Master Spear X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 2位
    2位Radiant GZ3600X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 3位
    3位G-Master Spear Mini B850A
    AMD Ryzen 9000シリーズを搭載する容量26.3リットルとコンパクトながら幅広いカスタマイズ性とミニマルなデザインを持ち合わせたゲーミングPC。
  • 4位Premium Line X870FD-A
    いいものを、永く。標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスも充実したサイコムが提案する新たなPCのカタチ。その名は、Premium Line
  • 5位G-Master Spear Z890
    AI時代の新CPU、Intel Core Ultraプロセッサを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 6位Radiant GZ3600Z890
    最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 7位G-Master Velox II Intel Edition
    高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!
    定番のインテル® Core™ プロセッサ搭載モデルです。
  • 8位Radiant VX3100B760/D4
    インテル®Core™プロセッサ(第14世代)採用のMicroATXミニタワー型モデル。ミドルタワー型PCは大きくて置けない、でも高性能なパソコンが欲しい!とお悩みの貴方にオススメ!
  • 9位G-Master Velox Mini B650A AMD Edition
    容量19リットルのコンパクト筐体にAMD Ryzen 9000シリーズとGeForce RTXシリーズを搭載するゲーミングPC。納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめます。
  • 10位Lepton Motion Pro X870/A
    スタイリッシュ&ハイスペックな映像編集者向けPC。高負荷時の安定性と静音性を両立し拡張性も確保。現場の即戦力としてクリエイターをバックアップします。
S