BTOパソコンを自分の理想スペックに近づける - カスタマイズの基礎知識とポイントを徹底解説

BTOパソコンを購入する際に、切っても切れないのが「カスタマイズ」。BTOパソコンには様々な魅力がありますが、やはりカスタマイズを施してこそ、BTOパソコンを購入する価値があると言えます。

BTOパソコンは、BTOメーカーが趣向を凝らした様々なモデルが用意されており、そのままでも十分に使えるスペックとなっていますが、もう少しCPUやビデオカードを強化したい、メモリやストレージの容量を増やしたい……そんなユーザーの要望を叶えるのがカスタマイズです。

そこで今回は、BTOパソコンを購入する際にカスタマイズをするメリットやコツ、注意点などを徹底解説。初心者でも安心して理想の一台にたどり着けるように、基礎知識やカスタマイズのポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.カスタマイズの魅力

1-1.カスタマイズとは

家電量販店などで販売されているパソコンの多くは、あらかじめ設定されたスペックを、そのまま購入することになります。多くの場合、「もう少しCPUパワーがほしい」「PCゲームが楽しめるビデオカードを搭載したい」などと考えた場合、そのスペックにあった別のパソコンを探す必要があります。

一方、大手メーカーの直販サイトやBTOメーカーで購入する際は、一部のパーツを変更することが可能。メーカーによって変更できるパーツは異なり、メモリやストレージの容量ぐらいしか変更できないメーカーもあれば、CPUやビデオカードを変更できるメーカーもあります。
この、もともとあるスペックから、自分の好みやニーズにあわせてパーツを変更することを“カスタマイズ”といいます。

なお一般的に、カスタム・カスタマイズというと、改造、改修などの意味で捉えられることもありますが、本記事では、“パソコン購入時に自分のニーズにあったパーツに変更する”ことをカスタマイズとしています。

1-2.自分だけの理想のスペックが手に入る

PCカスタマイズの最大の魅力は、自分の用途やニーズに最適な理想のスペックにパソコンを仕上げることができるところです。カスタマイズに対応していないパソコンの場合、偶然に一致することはもちろんありますが、多くの場合、「もう少しグラフィック性能をアップしたい」「メモリの容量を増やしたい」など、何かしらの不満が残りがちです。

しかし、カスタマイズに対応しているパソコンであれば、メモリやストレージ容量を増やしたり、CPUやビデオカードを強化するなど、自分好みのスペックに近づけることができるのです。

それとは逆に、自分にとって不要なパーツを取り除いたり、グレードを落としたりする、いわゆるダウンカスタマイズによってコストを抑えることも可能。自分にとってふさわしい、ベストのパソコンを入手することができるのです。

2.カスタマイズ前の基礎知識

2-1.カスタマイズの幅を確かめる

カスタマイズできる幅は、先述した通り、メーカーによって異なります。メモリやストレージの容量程度しか変更できないメーカーもあれば、CPUやビデオカード、さらにはマザーボードまで変更できるメーカーもあります。

つまり、パソコンの購入を考えているメーカーが、どの程度のカスタマイズに対応しているかをチェックすることは必須。メーカーが展開しているバリエーションにもよりますが、カスタマイズの幅が狭いメーカーの場合、自分が理想としているスペックに近づけるのが難しい場合もあります。

もちろん、カスタマイズなしでも理想のスペックになっているという場合もありますが、カスタマイズが必須という方は、カスタマイズの幅が広いメーカーを選ぶというのもひとつの考え方と言えます。

2-2.カスタマイズに最適なベースマシンを選ぶ

カスタマイズを行う場合、まずはそのベースとなるパソコンを選択する必要があります。カスタマイズの幅が狭ければ、できるだけ理想のスペックに近いモデルであることが必須となりますが、カスタマイズの幅が広いメーカーであれば、外観やコンセプトなどから選ぶことも可能です。

PCケースもカスタマイズ可能なメーカーであれば、かなり自由にベースマシンを選ぶことができますが、最低限決めておきたいのは、ミドルタワー型か省スペース型かなどのサイズ感。ミドルタワー型を省スペース型、省スペース型をミドルタワー型にカスタマイズするというのが基本的に不可能なので、実際の設置場所などとあわせて事前に確定させておきましょう。

また、AMDプラットフォームかIntelプラットフォームかも、最初の段階で決まってしまい、後から変更することはできません。大きな悩みどころですが、ここも最初に確定させておくことが重要です。

2-3.BTOパソコンと自作パソコンの違い

カスタマイズは、自分に最適なスペックに仕上げるための手段ではありますが、究極的に理想を追求するのであれば、自分の手でパソコンを組み上げる「自作パソコン」という選択肢があります。

自作パソコンは、パーツの選定からすべて自分で行いますから、予算やニーズにあった最高のスペックに仕上げることが可能。PCケースなどの外観も自分好みにすることができます。BTOメーカーによっては、PCケースのカスタマイズに対応している場合もありますが、その自由度は比較的狭く、すべてを理想に近づけたいという方は、自作パソコン一択と言ってもよいかもしれません。

ただし、自作パソコンは、パーツの選定から組み立て、OSのインストールなどの作業をすべて自分の手で行う必要があるため、ある程度の知識と経験が必要です。パソコンの組み立て作業自体は、それほど難しいものではありませんが、失敗するとすべてが無駄になるという覚悟が求められます。

一方、BTOパソコンは、パーツの購入や組み立てなどの手間がかからないのはもちろん、動作検証などもしっかり行われますし、メーカー保証が用意されている点も注目。特に初心者の方にとっては安心感が大きいのもメリットとなります。

3.カスタマイズの大まかな手順:サイコム編

実際にパソコンを購入する際に、どのようにカスタマイズを行うのかについて、BTOメーカー・サイコムを例に、大まかな手順を紹介しましょう。

3-1.ベースマシンを選ぶ

サイコムはカスタマイズの自由度が高く、メモリやストレージはもちろん、CPU、ビデオカード、マザーボードなどのカスタマイズが可能。
モデルによってはPCケースのカスタマイズにも対応しています。

そのため、どのモデルを選んでも、スペック面だけで言えば理想に近い構成にすることは可能ですが、サイコムでは様々なコンセプトにあわせたベースモデルを展開しており、特に「デュアル水冷PC」や「静音PC」は、ほかのモデルにはない特徴を備えていますので、自分の用途にあったモデルを選ぶのがベストです。

【サイコムのラインナップ】
主なモデル特徴
Radiantシリーズ幅広く自在にカスタマイズ【スタンダードPC】
G-Master/Lepton Hydroシリーズ高性能ながら静音【デュアル水冷PC】
G-Masterシリーズ様々なゲーミングに特化した【ゲーミングPC】
Silent-Masterシリーズ実地データに基づいた究極の静音性【静音PC 】
Aqua-Masterシリーズ高性能CPUを効果的に冷却【水冷PC 】
LeptonシリーズAI/映像/3D/動画配信におすすめ【プロフェッショナル向けPC】
Premium Lineシリーズいいものを永く、標準2年保証【プレミアムPC】

3-2.カスタマイズページでパーツを選択

選んだベースマシンの詳細ページで、画面右上にある「カスタマイズ・お見積り」をクリックすると、カスタマイズページに遷移します。

カスタマイズページでは、CPU、CPUグリス、CPUクーラー、マザーボード、メモリ、SSDなど、使用されているパーツが細かく掲載されていますので、変更したいパーツをクリックして展開し、希望のスペックにあったパーツを選択します。

サイコムの場合、使用パーツのメーカー名や商品名、スペックなどが細かく網羅されており、メーカーレベルでパーツ選択ができるのも大きな特徴となっています。

CPUやビデオカードは、特にハイエンドになると電力消費が大きくなるため、組み合わせる電源ユニットの大容量のものが必要となります。サイコムのカスタマイズページは「サイコム あんしん相性チェッカー」を備えており、選択したパーツに問題がある場合はアラートが表示されるようになっています。このアラートは相性や物理的干渉などの問題でも表示されますので、あまり詳しくない方でも安心してパーツ選択ができます。

なお、サイコムのカスタマイズページでは、パーツを変更するとリアルタイムで「合計お見積り金額」も変更されますので、予算などに制限がある方はあわせて注目しておきましょう。

また、パソコン内部のパーツだけでなく、ソフトウェアや周辺機器も必要に応じて選択可能。延長保証などのサービスを選択すれば、カスタマイズ作業が終了となります。

4.【目的別】カスタマイズのポイント

ここではサイコムのBTOパソコンをベースにカスタマイズのポイントを整理していきます。今回は、用途にあったベースマシンを選んでいますが、異なるベースマシンを選んでも注意するポイントはだいたい同じですので、参考にしてみてください。

4-1.ゲーミングPCのカスタマイズ:G-Master Spear X870A

サイコムのBTOパソコンで現在一番人気となっているゲーミングPC「G-Master Spear X870A」の標準構成はおおよそ下記のとおりとなっています。

G-Master Spear X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X [3.8GHz/8コア/16スレッド/TDP65W] Zen5搭載モデル
CPUクーラーNoctua NH-U12S redux [空冷/CPUファン]
メモリ32GB[16GB*2枚] DDR5-5600 [メジャーチップ・JEDEC準拠品] Dual Channel
マザーボードASUS TUF GAMING X870-PLUS WIFI[AMD X870chipset]
SSDCrucial T500 CT1000T500SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 1TB]
ビデオカードGeForce RTX5060Ti 16GB MSI製
電源Antec NeoECO Gold NE750G M [750W/80PLUS Gold]
PCケース 【黒】CoolerMaster CM694
外形寸法幅220×奥行き506×高さ493mm

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ゲーミングPCとしてラインナップされているモデルなので、そのままでも十分な性能を発揮しますが、カスタマイズを行う場合は、特に注目したいのが「ビデオカード」です。標準構成の「GeForce RTX5060Ti」も高い性能を期待できますが、さらなるゲームの快適性を求めるのであれば、コストは掛かりますが「GeForce RTX5070Ti」や「GeForce RTX5080」など、さらにハイエンドのビデオカードにカスタマイズしましょう。

また、ゲーミングPCの場合、CPUに関してはそこまで高い性能は求められませんが、究極を突き詰めるのであれば、「AMD Ryzen 9 9900X3D」や「AMD Ryzen 9 9950X3D」などの3D V-Cacheを搭載したゲーマー御用達CPUへのカスタマイズも検討してみましょう。

なお、CPUやビデオカードをハイエンドモデルにカスタマイズする場合は、電源ユニットもあわせて大容量モデルにカスタマイズする必要があります。

4-2.映像・画像編集などクリエイター向けPCのカスタマイズ:Lepton Motion Pro X870/A

サイコムのBTOパソコンにおいて、高速なレンダリング性能を誇る映像編集に特化したミドルタワー型モデルが「Lepton Motion Pro」シリーズ。高負荷時での安定性と静音性を両立し、拡張性も確保した本作の標準構成は下記のとおりです。

Lepton Motion Pro X870/A】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X(3.8GHz、8コア/16スレッド)
CPUクーラーNoctua NH-U12S chromax.black (ブラックVer.) [空冷/CPUファン]
メモリ32GB[16GB*2枚] DDR5-5600 [メジャーチップ・JEDEC準拠品] Dual Channel
マザーボードASUS TUF GAMING X870-PLUS WIFI [AMD X870chipset]
SSDCrucial T500 CT1000T500SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 1TB]
ビデオカードGeForce RTX5060Ti 16GB MSI製
電源Antec NeoECO Gold NE750G M [750W/80PLUS Gold]
PCケース Fractal Design Torrent Compact Black TG Dark Tint
外形寸法幅222×奥行き450×高さ467mm

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高性能のCPUとビデオカードを組み合わせた、映像クリエイターのサンゼ氏が監修を務める「Lepton Motion Pro X870/A」ですが、標準構成をみると、PCケース以外は、先に紹介した「G-Master Spear X870A」とほとんど同じ構成となっています。
というのも、かつて映像編集向けのパソコンといえば、CPUパワーが重要視されましたが、現在はビデオカードを重視する流れとなっているためです。

つまり、映像編集の快適度をさらに向上させるためには、ビデオカードを「GeForce RTX5070Ti」や「GeForce RTX5080」などの上位モデルにカスタマイズするのが最適解と言えます。
ただし、使用するソフトウェアや処理によっては依然としてCPUパワーを必要とする場合があります。その場合は「AMD Ryzen 9 9900X」や「AMD Ryzen 9 9950X」にカスタマイズしてみましょう。

また、作業を行う動画や画像ファイルのサイズや量によっては、メモリ容量も重要です。クリエイティブな作業は、複数のソフトウェアを同時並行的に使用することも多いため、64GB(32GB×2)以上にカスタマイズすれば作業効率も高まり、作業ストレスも抑えられます。
「Lepton Motion Pro X870/A」では256GB(64GB×4)までカスタマイズすることが可能となっていますので、用途と予算にあわせてできるだけ大容量のメモリを搭載することも快適性向上に繋がります。

4-3.コスパ重視のカスタマイズ:Radiant GZ3600X870A

Radiant GZ3600X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 9600X [3.9GHz/6コア/12スレッド/TDP65W] Zen5搭載モデル
CPUクーラーAMD純正 Wraith CPUクーラー [空冷/CPUファン]
メモリ16GB[8GB*2枚] DDR5-5600 [メジャーチップ・JEDEC準拠品] Dual Channel
マザーボードGIGABYTE X870 EAGLE WIFI7 [AMD X870chipset]
SSDCrucial P310 CT500P310SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 500GB]
ビデオカードCPU内蔵グラフィック
電源SilverStone SST-ET550-B [550W/80PLUS Bronze]
ケース【黒】Fractal Design CORE 2550S Black [サイコムオリジナル仕様]
外形寸法幅195×奥行き450×高さ442mm

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サイコムの「Radiant」シリーズは、高いカスタマイズ性が魅力のスタンダードモデル。インターネットやメール、オフィス系ソフトの利用がメインの、いわゆるビジネス用途に最適なマシン構成となっています。

ビジネス用途では基本的にグラフィック性能は求められないため、ビデオカードは搭載せず、CPUに内蔵されたグラフィック機能を採用しています。現在のパソコントレンドにおいて最低限と言えるスペックを押さえた構成で、コストを抑えたい方に最適なモデルですが、例えばCPUのグレードをさらに落とす、ダウンカスタマイズによってさらに値段を低くすることも可能です。

シンプルな構成が持ち味の「Radiant」シリーズですが、最初に述べた通り、カスタマイズ性の高さも魅力。実際に試してみるとわかりますが、先に紹介したゲーミングPCやクリエイターPCとほとんど同じ構成にすることも可能です。

つまり、基本はビジネス用途ですが、カスタマイズでビデオカードを搭載すれば、ゲームをプレイしたり、動画編集にチャレンジするなど、幅広い用途に対応することもできます。シンプルにコスパを追求するか、カスタマイズで用途を広げるか、ユーザーのニーズや好みに、変幻自在にあわせられるベースマシンとして注目のモデルと言えます。

4-4.静音パソコンのカスタマイズ:Silent-Master NEO B850A

パソコンから発せられる騒音をできるだけ抑えたいという方に最適なのが「Silet-Master」シリーズ。公的第三者機関の無響室で独自の検証を重ねることで、高い静音性を実現したサイコムの人気シリーズで、性能と静音を両立した「Silent-Master NEO」シリーズと、ファンレスCPUクーラーの採用で究極の静音性を実現する「Silent-Master PRO」シリーズがラインナップされています。

Silent-Master NEO B850A】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 9600X [3.9GHz/6コア/12スレッド/TDP65W] Zen5搭載モデル
CPUクーラーNoctua NH-U12S [空冷/CPUファン]
メモリ16GB[8GB*2枚] DDR5-5600 [メジャーチップ・JEDEC準拠品] Dual Channel
マザーボードASUS TUF GAMING B850-PLUS WIFI [AMD B850chipset]
SSDCrucial T500 CT1000T500SSD8 [M.2 PCI-E Gen4 SSD 1TB]
ビデオカード【Silent Master Graphics】NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 16GB
電源Antec NeoECO Gold NE650G M [650W/80PLUS Gold]
PCケース【黒】CoolerMaster Silencio S600
外形寸法幅209×奥行き478×高さ470.5mm

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静音性に特化した構成となっていますが、カスタマイズももちろん可能。ゲームやクリエイティブな作業を行う方は、ビデオカードを「GeForce RTX5070Ti」や「GeForce RTX5080」などの上位モデルにカスタマイズすることが可能です。ただし、静音性重視の「Silent-Master」をベースに選ぶのであれば、ビデオカードもサイコムオリジナル超静音空冷モデル「Silent Master Graphics」がおすすめ。標準構成では、「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載した「Silent Master Graphics」が採用されていますが、「GeForce RTX 5070」および「GeForce RTX 5070 Ti」を搭載したモデルにカスタマイズすることで、さらに高い性能を静音性と両立することができます。

なお、「Silent Master Graphics」は、「Silent-Master」シリーズ以外のモデルに組み合わせることも可能。先に紹介した3モデルにおいても、静音性を高めたいという方は、「Silent Master Graphics」の採用を検討してみるとよいでしょう。

5.カスタマイズする際の注意点

5-1.目的にあったパーツを選択しよう

カスタマイズを行う際、できるだけ高性能にしたいという思いが先走ってしまい、必要以上のスペックを選んでしまうことは少なくありません。パソコンの場合、スペックが高すぎて困るということは特にないのですが、ハイエンドのパーツを組み合わせると、予算オーバーになりかねませんし、電気代も掛かってしまいますので、よほど予算に余裕のある方でなければ、導入コストもランニンコストも大きなダメージとなってしまいます。

逆に、予算を抑えて、スペックを下げてしまうと、「ゲーム画面がカクつく」「編集作業に時間がかかる」など、せっかく購入したパソコンが後悔の種になってしまうこともあります。

カスタマイズを行う場合は、パソコンの使用目的を明確にして、重要パーツを中心にパーツ選択を行い、予算面でも性能面でも満足が行くように、しっかりと検討しましょう。

5-2.カスタマイズは購入後も可能

本記事では、“パソコン購入時に自分のニーズにあったパーツに変更する”ことをカスタマイズと定義してお話してきましたが、パソコン購入後でもカスタマイズは可能です。特にBTOパソコンであれば、汎用的なパーツで構成されていますので、購入後でも各種パーツの換装や増設をすることによって、性能や快適性を高めることができます。

パーツの換装・増設は、パソコンを自作するのと同様の作業ですので、知識と経験が必要となりますし、メーカーによっては保証が切れてしまうこともありますが、作業自体は決して難しいものではありません。初心者の方であれば、詳しい人に教えてもらいながら、知識と経験を身につけていくことで、将来的に、よりパソコンを使いこなすことが可能となります。

BTOメーカーによっては、「パーツ取付サービス」のように、パーツの換装・増設を行うサービスを用意していることもありますので、自分で作業するのはちょっと怖いという方は、パソコンを購入したメーカーのサービスを確認してみましょう。

5-3.見た目のカスタマイズも注目

大手メーカー製パソコンやBTOパソコンの場合、見た目にはあまりこだわれないという問題があります。PCケースのカスタマイズが可能な場合でも、あまりラインナップが充実していないことも少なくありません。

PCケースの見た目が不満という方は、外観をデコレーションしてみるのもひとつの手です。シールやステッカーを貼ったり、色を塗ったりするだけでも、印象は大きく変わってきます。

また、側板が透明パネルのPCケースを使用している方は、LEDストリップライトなどを使用して、光で主張することも可能。最近では、光るCPUクーラーやビデオカード、メモリなども数多く販売されていますので、そういったパーツを利用してみるのも面白いでしょう。

ミドルタワーのRadiantシリーズなら多様なケースにカスタマイズが可能

6.高いカスタマイズ性と品質を両立|サイコム「Radiant」シリーズ

6-1.「Radiant」シリーズの特徴

BTOメーカー・サイコムのラインナップにおいて、スタンダードモデルとして位置づけられるのが「Radiant」シリーズです。サイコムといえば、ゲーミングPCを中心としたハイスペックかつハイパフォーマンスPCの印象が強いという方も多いかもしれませんが、「Radiant」シリーズは非常にシンプルかつソリッドな標準構成が特徴となっています。

「Radiant」シリーズの多くのモデルはビデオカードを搭載せず、CPU内蔵のグラフィック機能を利用しているため、標準構成のままではゲーム用途には不向きですが、サイコムならではの充実したカスタマイズ性により、ゲームやクリエイティブ用途でも使える構成に変更することが可能。カスタマイズのベースマシンとしても活躍します。

ミドルタワー型、ミニタワー型、省スペース型など豊富なラインナップを揃え、PCケースのカスタマイズにも対応し、サイズ感だけでなく、デザインやカラーを選ぶことができるのも大きな特徴となっています。

6-2.ミドルタワー:Radiant GZ3600X870A

「Radiant GZ3600X870A」は、AMDプラットフォームを採用したミドルタワーモデルで、「AMD X870チップセット」搭載マザーボードとZEN5コアの「AMD Ryzen 9000」シリーズの組み合わせを採用しています。

CPU内蔵のグラフィック機能を利用しており、ビデオカードは非搭載ですが、カスタマイズによって「GeForce RTX 5090」が選べるなど、ニーズにあわせた選択が可能。メモリやストレージ容量が少なめなので、必要に応じて増量したいポイントになっています。

Radiant GZ3600X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 9600X (3.9GHz、6コア/12スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GBx2)
マザーボードAMD X870 チップセット
SSD500GB(SATA/2.5インチ SSD)
ビデオカードCPU内蔵グラフィック
外形寸法幅195×奥行き450×高さ442mm

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6-3.ミニタワー:Radiant VX3600B860

「Radiant VX3600B860」は、ミニタワー型のPCケースに、「Intel B660チップセット」搭載マザーボードと「Intel Core Ultra」を組み合わせた、Intelプラットフォームのコンパクトモデルとなっています。

コンパクトモデルのため、搭載できるマザーボードは「GeForce RTX 5060 Ti」までとなっていますが、カスタマイズによって「NVIDIA RTX 4000 Ada」などのプロフェッショナル向けビデオカードを採用することも可能となっています。

Radiant VX3600B860】標準構成
CPUIntel Core Ultra 5 225(3.3GHz、10コア/10スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードIntel B860 チップセット
SSD500GB(SATA/2.5インチ SSD)
ビデオカードCPU内蔵グラフィック
外形寸法幅195×奥行き450×高さ380mm

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6-4.省スペース:Radiant SDM3300X600A

容量8リットルという超コンパクト設計の「Radiant SDM3300X600A」は、「AMD X600 チップセット」搭載マザーボードとCPU内蔵でありながらも高いグラフィック性能を誇る「AMD Ryzen 8000G」シリーズの組み合わせを採用したパワフルなキューブ型モデルです。

超コンパクトサイズでありながら、ビデオカードの搭載が可能で、種類は限られますが、「GeForce RTX 5060」を組み合わせることもできます。「AMD Ryzen 8000G」シリーズの採用により、軽いゲームであれば十分遊べる性能を備えていますが、最新ゲームやクリエイティブな用途にも活用したい方はぜひ注目してみてください。

Radiant SDM3300X600A】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 8600G(4.3GHz、6コア/12スレッド)
メモリDDR5-4800 16GB(8GB×2)
マザーボードAMD X600 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードCPU内蔵グラフィック
外形寸法幅168×奥行き219.3×高さ218.3mm

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7.まとめ

BTOパソコンは各メーカーが趣向を凝らした様々な構成で展開されていますが、そこに自分なりのエッセンスを加えることで大きく生まれ変わり、自分ならではのオリジナルマシンを構築できるのが大きな魅力です。

CPUやビデオカードは多くの種類があるため、なかなか最適な構成を見つけ出すのは困難です。カスタマイズが可能であれば、自分が理想とする構成に近づけることができますから、購入後に後悔することも少なくなります。

今回は、BTOパソコンを中心としたカスタマイズの方法や注意点などを紹介しました。カスタマイズにはユーザーの数だけ答えがあります。パソコンを購入する際は、本記事を参考にして、自分なりのカスタマイズに挑戦し、自分だけのオリジナルな1台を構築しましょう。

BTOパソコン売れ筋ランキング

(10月1日~10月31日)

  • 1位
    1位G-Master Spear X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 2位
    2位Radiant GZ3600X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 3位
    3位G-Master Velox Campio Edition 2025
    ※こちらの商品は販売終了しました。
    【新登場!】G-Master Velox III AMD Edition
  • 4位Radiant GZ3600Z890
    最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 5位G-Master Spear Z890
    AI時代の新CPU、Intel Core Ultraプロセッサを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 6位Silent-Master NEO B850A
    こだわりのNoctua製空冷CPUクーラーを採用し、エアーフローと静音性のバランスを極めた静音PC。AMD Ryzen 9000シリーズを搭載するATXミドルタワー型モデル。
  • 7位Premium Line Z890FD
    「いいものを永く」のコンセプトで標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスが充実した、Intel Core Ultraプロセッサ搭載のプレミアムPC。
  • 8位G-Master Spear Mini B850A
    AMD Ryzen 9000シリーズを搭載する容量26.3リットルとコンパクトながら幅広いカスタマイズ性とミニマルなデザインを持ち合わせたゲーミングPC。
  • 9位G-Master Velox II Intel Edition
    高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!第14世代インテル(R)Core(TM)プロセッサ搭載モデルです。
  • 10位Lepton Hydro WSX870A
    冷却性能と静音性のバランスを高次元で両立したデュアル水冷ワークステーション。Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズと、サイコム独自に水冷化したGeForce RTX5000シリーズの組み合わせで、最強のクリエイション環境を実現します。