
ゲーミングPCの購入は、多くの人にとって安くない買い物です。だからこそ、買った後に「こんなはずじゃなかった」と感じる方も少なくないかもしれません。せっかく購入したゲーミングPCが予定していたスペースに設置できなかったり、楽しみにしていたゲームが快適にプレイできなかったり……。
こうした後悔は、なんとなくのイメージで選んでしまうことによって起こりがち。ゲーミングPCを購入する際は、自分の目的や用途、使用環境などをしっかり考慮する必要があるのです。
そこで今回は、購入した後に後悔することがないように、失敗エピソードや選び方のコツなどを徹底紹介。本記事を参考にして、自分に最適なゲーミングPCをチョイスしてください。
目次 [隠す]
1.ゲーミングPC購入で後悔する理由とは?
ゲーミングPCは、いわゆるビジネス用途などで使う一般的なパソコンと比べて高スペックのため、決して安くない買い物です。そのため、SNSやYouTubeなどで見かけた「カッコいいゲーミング環境」に憧れて、つい衝動買いしてしまうと、思わぬ後悔をしてしまうことも少なくありません。
特にパソコン初心者の方の場合、ゲーミングPCであればどんなゲームでもプレイできると思いがちですが、決してそんなことはありません。事前にゲームの推奨スペックなどを確認せずに購入すると、性能不足で快適にプレイできず、ストレスばかり溜まってしまうことや、スペックは問題なくても、サイズがあわずに、想定していたスペースに設置できないなんてこともあります。
次章では、ゲーミングPCを買って後悔したという方の実際のエピソードを紹介しますので、事前にしっかりと計画せずに購入するとどんな落とし穴があるかを見ていきましょう。

2.購入後に後悔した失敗エピソード
2-1.本体サイズの確認不足で机に置けなかった
ゲーミングPCは、見た目にこだわっていて、外観からカッコよさを醸し出している製品が数多くあります。そのため、PCケースのサイズなどを見ずに、見た目だけで購入してしまうと、想定していた設置場所、例えば「机の上に置けなかった」という“物理的な後悔”をする方は意外と多いのです。
ゲーミングPCは高性能パーツを搭載しているため、デスクトップタイプは基本的にはミドルタワー型以上のサイズとなっているため、高さや奥行きが40〜50cmを超えるモデルが多く、事前にスペースを確認していないと置き場所に困ることも少なくありません。。
また、見た目重視でフルタワー型のモデルを選んでしまったため、予定していた机の下や棚などに収めることができず、机との距離が離れて、ケーブル類をうまく取り回すことができなくなってしまったという失敗談もあります。

2-2.用途に合わないスペックや構成を選んでしまった
ゲーミングPCと一言で言っても、そのスペックは様々。それこそ、どんなゲームでも快適にプレイできるハイスペックモデルまで、ビデオカードを搭載しているだけという低価格モデルまで千差万別なので、ゲーミングPCだからと言って、スペックをしっかり確認せずに購入するのは非常に危険です。
自分がプレイしたいゲームの推奨スペックにも届かないような構成のゲーミングPCを購入してしまうのは、まさに後悔の代表例ですが、必要以上のスペックのゲーミングPCを購入してしまうのも、コストの面で大きな後悔の元となります。
2-3.ゲーム以外の用途に対応しきれなかった
最初はゲームのプレイだけでを念頭に購入しても、次第にほかの用途にも活用したくなってくることがあります。特にゲーミングPCは基本的に高スペックなので、映像編集やCG制作などのクリエイティブな用途にも活用することができます。
しかし、クリエイターPCとして十分なパフォーマンスを発揮させるためには、さらに一回り上のスペックが必要となってくることがあり、思ったように作業ができず、もう少しハイスペックモデルにしておけばよかったと後悔することがあります。

2-4.冷却ファンの音がうるさくて集中できない
性能にはまったく問題がない場合でも、ゲーミングPCのようなハイスペックモデルには「ファンの騒音問題」がつきまといます。ファンの騒音は、購入時にはなかなか確認することができないため、大きな後悔につながりやすいポイントとなってしまいます。、
パソコンは負荷が高くなり、発熱が増えると、それを冷却するためにファンの回転数が上がり、風切音やモーター音が大きくなる傾向にあります。特にゲームプレイ中は高負荷のなるため騒音が増大し、せっかくの没入感が台無しになってしまうのです。

2-5.ノートPCにしたら発熱と拡張性で後悔
ゲーミングノートPCは、設置場所を選ばず、持ち運びが可能なので、デスクトップ型とは異なる魅力がありますが、発熱と拡張性によって後悔する方も少なくありません。
ノートPCは内部スペースが限られているため、冷却効率が低く、長時間使用していると発熱が増大し、パフォーマンスが落ちたり、熱暴走してしまうことがあります。また、冷却ファンの口径が小さいため、騒音レベルが上がってしまうという問題もあるのです。また、パーツ交換などの自由度が低いため、スペック不足になった場合は対応しづらいというデメリットも見逃せないポイントと言えます。

3.ゲーミングPC購入を後悔しないためのポイント
3-1.プレイしたいゲームの推奨スペックを確認しよう
ゲーミングPCを購入する際は、プレイしたいゲームの「推奨スペック」を事前にチェックしておきましょう。この「推奨スペック」は、快適にプレイするためには必ず押さえておきたいポイント。このスペックを最低ラインとして、予算に応じてスペックアップしていくのが基本となります。
ゲーミングPCの場合は、ビデオカードのグレードを上げていくことになりますが、ビデオカードだけハイエンドのものを利用しても、CPUやメモリなどのスペックが低いとボトルネックとなってしまい、期待しているパフォーマンスを引き出すことができません。ビデオカードを中心に、全体的な底上げをしていけば、より快適にプレイすることができるようになります。
また、現在プレイしたいゲームだけのために購入するのも少々もったいない話です。予算が許せばという条件が付きますが、スペックを高めにしておけば、今後登場するゲームにも対応できる可能性が高くなります。

3-2.設置スペースや電源環境を事前にチェック
PCケースは意外とサイズが大きく、写真で見ただけでは判断しにくいのはもちろん、実際に店頭で見ても、自宅のスペースと比較するのはなかなか難しいかもしれません。パソコンを設置予定のスペースをあらかじめ計測しておいて、そのスペースに設置できるかを数字でしっかりと確認しておきましょう。
また、設置した後は、電源ケーブルなどを接続する必要がありますので、コンセントの位置などのチェックも必須です。また、机から離れすぎると、モニターと接続するためのケーブルの長さが足りない……などの問題も生じます。これは有線のマウスやキーボードを使用する場合も同じです。パソコンをどこに設置して、どのように配線するかについては、購入前から検討しておくべきポイントとなるのです。

3-3.ノート?デスクトップ?自分に合うタイプを選ぼう
ゲーミングPCにはデスクトップ型とノートPC型があります。デスクトップ型は基本的にスペックが高く、冷却性能や拡張性が高いのがポイント。コスト面でもノートPC型よりも比較的有利です。
一方、ノートPC型は、先にも述べた通り、設置場所を選ばないのが最大のメリットで、持ち運びも可能。自宅以外でもプレイしたいという方には最適な選択となります。
デスクトップ型かノートPC型かの選択は、スペック面よりもむしろ、どのような環境で使用するかがもっとも大きな決め手です。自分の使用環境に最適なものを選ぶようにしましょう。

3-4.ゲームだけじゃない!ゲーミングPCの活用法
ゲーミングPCは、ゲームをプレイするために構成されたパソコンですが、ゲーム以外の用途にももちろん使用することができます。とりわけ、ゲーミングPCは、ハイスペック構成となることが多いため、映像編集やCG制作などのクリエイティブな用途にも活用することができます。
標準的なゲーミングPCであれば、クリエイターPCとしても十分活用可能ですが、先にも述べた通り、CPUやメモリのスペックをさらに上げることで、より快適なクリエイティブ環境を構築することができます。
パソコンは、パーツ単位での換装・増設が可能なので、後からパワーアップすることもできますが、クリエイティブ用途への活用を想定している場合は、最初から余裕を持ったスペックにしておいたほうが、コスト的にも作業的にもムダや手間を省くことができます。

3-5.ゲームをするだけならゲーム機でも十分?
ゲームをプレイするだけであれば、PlayStation 5やSwitchなどの、いわゆるコンシューマー機と呼ばれるゲーム専用機を購入するという選択肢もあります。ゲーム専用機であれば、ゲーミングPCよりも低価格で購入できますし、複雑な初期設定も不要です。また、ゲーム専用機でしかプレイできないゲームも数多くリリースされていますので、そういったゲームをプレイしたい方は、ゲーム専用機を購入することが必須となります。
一方、ゲーミングPCはコスト面などではたしかに不利ですが、ビデオカードなどの性能に応じて、ゲーム専用機よりも美麗なグラフィックを楽しむことができるほか、FPSゲームなどを高フレームレートでプレイすることが可能。PS5の最大フレームレートは120fpsですが、ゲーミングPCであればそれ以上のフレームレートを叩き出すこともできます。また、MODなどを楽しむことができるのもゲーミングPCのメリットと言えます。

3-6.ゲーミングPCはBTOメーカーでの購入がおすすめ
後悔の少ないゲーミングPCを購入するのであれば、BTO(Build To Order:受注生産)メーカーのBTOパソコンがおすすめです。BTOパソコンは基本的にカスタマイズが可能なので、予算や目的にあわせて、自分に最適な構成にすることができるからです。
特にゲーミングPCはビデオカードの選択がキモとなりますので、ビデオカードを自由にカスタマイズできるBTOメーカーを選びたいところ。特に、パソコンに関する経験や知識に自信のない方は、保証やサポートの有無についてもしっかりチェックしておきましょう。

4.【目的別】おすすめゲーミングPCモデル4選
4-1.ゲーミングPC初心者向け「G-Master Velox II AMD Edition」
厳選したオプションパーツでシンプルなカスタマイズ性を実現する「G-Master Velox II AMD Edition」は、初めてのBTOパソコンにも最適な、AMDプラットフォームのゲーミングPC。「AMD Ryzen 5 5600 XT」と「AMD X570 チップセット」搭載マザーボードの組み合わせを採用しています。
ゲーミングPC初心者向けですが、ビデオカードに「GeForce RTX 5060」を搭載することで、最新ゲームにも十分対応できるパフォーマンスとなっています。標準のままでも後悔のない構成となっていますが、もちろんカスタマイズも可能で、「GeForce RTX 5080」に変更すれば、さらに高いゲーミング性能を発揮することができます。

【G-Master Velox II AMD Edition】標準構成 |
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CPU:AMD Ryzen 5 5600XT【3.7GHz、6コア/12スレッド】 メモリ:DDR4-3200 16GB(8GB×2) チップセット:AMD X570 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060(8GB) |
4-2.ヘビーゲーマー向け:性能重視モデル「G-Master Spear X870A」
サイコムのゲーミングPCにおいてスタンダートモデルとなる「G-Master Spear」シリーズにおいて、AMDプラットフォームを採用した「G-Master Spear X870A」は、「AMD X870 チップセット」搭載マザーボードとZEN5コアの「AMD Ryzen 9000」シリーズの組み合わせとなっています。
性能重視のカスタマイズがおすすめで、標準ビデオカードは「GeForce RTX 5060 Ti」ですが、「GeForce RTX 5090」を採用した最強のゲーミングPCを構成することが可能。CPUも、3D V-Cacheを搭載したゲーマー御用達の「AMD Ryzen 9950X3D」や「AMD Ryzen 9900X3D」をチョイスして、さらにハイレベルのゲーミングPCを目指すことができます。

【G-Master Spear X870A】標準構成 |
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CPU:AMD Ryzen 7 9700X【3.8GHz、8コア/16スレッド】 メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2) チップセット:AMD X870 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB) |
4-3.動画編集・仕事にも使いたい人向け「Lepton Motion Pro Z890」
「Lepton Motion Pro Z890」は、高速なレンダリング性能を誇る映像編集に特化した、Intelプラットフォームのミドルタワー型PCです。高負荷時での安定性と静音性を両立。スタイリッシュな外観も注目したいポイントとなっています。
基本的にはクリエイターPCですが、ビデオカードに「NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti」を標準で採用しており、ゲーミングPCとしても十分な性能を発揮。「NVIDIA GeForce RTX 5080」や「NVIDIA GeForce RTX 5090」にカスタマイズすれば、ゲーミングにおいても、クリエイティブにおいても文句なしのパフォーマンスを引き出すことができます。

【Lepton Motion Pro Z890】標準構成 |
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CPU:Intel Core Ultra 7 265K【3.9GHz、20コア/20スレッド】 メモリ:DDR5-5600 32GB(16GB×2) チップセット:Intel Z890 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB) |
4-4.小さくても高性能!省スペースゲーミングPC「G-Master Spear Mini B860」
ゲーミングPCはミドルタワー型がほとんどのため、設置スペースに困る方も少なくありません。そんな方におすすめなのが「G-Master Spear Mini B860」。容量26.3リットルというコンパクトサイズとなっており、設置の自由度が非常に高いのが大きな特徴となっています。
コンパクトサイズでありながらビデオカードを標準搭載。カスタマイズ性もしっかり確保されており、「NVIDIA GeForce RTX 5080」までアップグレードすることができます。また高いレベルで冷却性能と静音性も両立していますが、水冷ユニットを採用すれば、ハイエンドのCPUを組み合わせても安定した冷却性能が期待できます。

【G-Master Spear Mini B860】標準構成 |
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CPU:Intel Core Ultra 7 265K【3.9GHz、20コア/20スレッド】 メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2) チップセット:Intel B860 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB) |
5.まとめ
ゲーミングPCは決して安くないため、購入後はできるだけ後悔したくありません。そのためには、用途や目的にあったスペックであることがもちろん、設置スペースなどの周辺環境にも注意が必要。将来性も考慮した選択が重要となります。
今回は、実際にどのような後悔があるかの実例や後悔しないためのポイントを解説しました。本記事を参考にして、後悔しないゲーミングPCを選び、快適なゲーミングライフをお過ごしください。

北海道の牧場で馬と戯れる日々を経て、パソコン雑誌やWEBニュース媒体の編集長を歴任する。Athlonに心奪われ、Xeonに絶対の忠誠を誓ったのも今や昔。現在は、編集業を中心に、原稿執筆からカメラマン、果てはアニメの宣伝プロデューサーまで、本業不明の生活を送る。ユーザーの心をがっつり掴む各種オウンドメディアを運営中。 プロフィールはこちら
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