2025年のCPU動向を振り返る - AMD、Intelともに新CPUが牽引

AMD、そしてIntelから2024年に相次いで新CPUが登場したこともあり、2025年はCPUにとっても大きな動きのある一年でした。特にAMDの大躍進もあり、市場におけるシェアにも大きな変化が生じています。

ゲーミングやクリエイティブといったこれまでの大きな目的に加えて、2025年はAIの処理がパソコンにとっても大きな比重を占める用途となりつつあり、「AI PC」をはじめ、AI処理性能の向上を謳うパソコンも数多く登場しています。

そこで今回は、2025年のトレンドを振り返りながら、IntelとAMD、それぞれのCPUの特徴や強みを整理し、あらためて2025年の総括と2026年以降の展望を紹介してみたいと思います。

1.2025年のCPU市場を振り返る

1-1.AIの普及が加速

生成AIの進化などにより、AIが生活にも大きく普及。いまやAIという言葉を目や耳にしない日はないといっても過言ではありません。もちろんパソコン業界でもAIへの対応は必須となり、CPUにおいても、2025年はAI処理を司るNPU(Neural Processing Unit)を搭載した製品が急速に広がり、AI処理性能を重視した「AI PC」やAIアクセラレーター内蔵製品を全面に打ち出しています。

そして、2025年に出荷されるパソコンの約4割がAI対応になっていると言われ、AIを活用するための新しい使い方やソフトウェアが市場にも大きなインパクトを与えています。

1-2.2025年は新CPUが牽引

CPU市場では2023年以降、AMDが急激にシェアを拡大していますが、その流れは2025年も継続しています。全体のシェアでは依然としてIntelが優位に立っていますが、デスクトップPCの販売台数をはじめ、サーバー市場においても、急追しており、大きな存在感を示しています。

2024年にリリースされた「Ryzen 9000」シリーズはもちろん、先に紹介したAI処理向けの「Ryzen AI」と呼ばれるNPUを搭載した「Ryzen 8000G」シリーズも引き続き高く評価されていますし、「3D V-Cache」を搭載したモデルは、コアユーザーを中心にゲーム分野でも多くの支持を集めています。

一方、Intelは、2024年末に登場した「Core Ultra」シリーズが主流。AI処理を担当するNPUが追加されたほか、高効率かつ高いマルチコア性能が特徴となっています。また、第14世代の「Core i」シリーズも、ゲーミング性能の高さから引き続き人気を集めている点も注目です。

「NPU」とは?

「Neural Processing Unit」の略で、CPUに搭載されているAI処理専用エンジンです。 NPUを搭載することで、AI処理の高速化やソフトウェアの機能向上、さらには省電力化が期待できます。

1-3.CPU選びがさらに重要に

Intelの「Core Ultra」(Arrow Lake)やAMDの「Ryzen 9000」(Zen 5)など、2024年後半に登場した新アーキテクチャを採用したCPUの最適化が進み、高効率・省電力化技術の進化も伴って、ゲーミングやクリエイティブ、AIなどの様々な分野で大きな展開を見せています。

これまでCPUはひたすらに性能向上を目指す方向で進歩を続けましたが、新アーキテクチャを採用したCPUでは、性能面よりも効率面や消費電力、発熱などへの対応を重視。ゲーミングやAI処理などの性能面はもちろんですが、省エネ性を活かした静音PCなど、CPU性能に依存したパソコン選びではなく、「パソコンで何をするか」を軸とした、用途・目的にあわせたCPU選びがさらに重要となってきています。

2.2025年のAMDとIntel

2-1.AMD:ソケットAM5の継続とゲーミング性能の高い評価

2024年にリリースされた「Ryzen 8000G」シリーズや「Ryzen 9000」シリーズは、2022年に登場した「ソケットAM5」を採用しているため、「Ryzen 7000」シリーズを使っている方でも、基本的に同じマザーボードでアップグレードが可能。少なくとも2027年までの継続が予定されていますので、できるだけコストを抑えて性能向上を目指したい方にとっては大きなメリットとなっています。

また、2022年の「Ryzen 7 5800X3D」で初めて採用された「3D V-Cache」は、L3キャッシュを大容量化することでゲーミング性能を向上させる技術ですが、現行の「Ryzen 7 9800X3D」や「Ryzen 9 9900X3D」などの「3D V-Cache」搭載モデルは、2025年度もコアなゲームユーザーを中心に人気を集めており、「ゲーミングならAMD」という評価を高める要因となっています。

そして、Ryzenの高いマルチコア性能も引き続き評価が高く、映像編集や3DCG制作などのクリエイティブ用途でも注目を集めています。

2-2.Intel:AI性能を高めた「Core Ultra」が主力

第13世代・第14世代「Core i」シリーズの不具合が問題になったものの、早急に解決が図られ、さらに「Core Ultra」シリーズを投入することで、新たな展開をみせたIntel。「Core Ultra」シリーズは、NPUを組み込むことで、AI処理性能を高めているのが特徴となっており、ビデオ会議や資料作成など、最近ではビジネス分野でも幅広く活用されているAIをスムーズに処理できるようになっています。

「Core Ultra」シリーズでは、高速な「Pコア」と効率重視の「Eコア」がバランスよく機能することで、作業に応じた最適な動作を実現。ハイパースレッディングは採用せず、物理コアのみの構成となっていますが、従来を上回るマルチコア性能を発揮しています。また、パフォーマンスに対する省電力性でも高く評価されています。

「Core Ultra」シリーズがメインストリームとなっているIntelですが、前世代となる第14世代の「Core i」シリーズも、シングルコア性能の高さからゲーミングPCなどでは依然として人気のCPUとなっています。

3.用途別に2025年のAMDとIntelを比較

3-1.ゲーミング:AMDが大きくシェアを拡大

ゲーム分野において2025年は、AMD製CPUの採用例が増え、「ゲーミングならAMD」という評価が非常に高くなった年と言えます。実際、「Steamハードウェア&ソフトウェア 調査」においても、AMD製CPUの使用率は42.09%となっており、Intel製CPU(57.82%)を猛追しています。

従来、ゲーミングにおいては、シングルコア性能が重視されたため、Intel製CPUが有利と言われていましたが、「3D V-Cache」搭載モデルはもちろん、ゲームのマルチコア対応が進んだこともあり、AMD製CPUはゲーム分野でも存在感を発揮。「AMD Radeon」を搭載したビデオカードとの相乗効果、さらにコストパフォーマンスの高さも、高い評価に繋がっています。

3-2.クリエイティブ:マルチコア性能と消費電力に注目

映像編集や画像加工、3D制作などクリエイティブに関する処理は、マルチコア性能が求められることが多く、特に時間がかかるレンダリング処理などはコア数やスレッド数が大きく影響します。

単純な比較でいえば、「Intel Core Ultra 7 265K」が20コア/20スレッド、「AMD Ryzen 7 9700X」が8コア/16スレッドとなり、「Core Ultra 7 265K」のほうが有利となりそうですが、「Core Ultra 7 265K」の20コアのうち、性能の高いPコアは8コア分となっている点に注意が必要です。
また、消費電力の目安となるTDPが、「Core Ultra 7 265K」の125Wと対して、「Ryzen 7 9700X」は65Wと抑えられているため、長時間稼働になりやすい演奏編集においてはひとつのアドバンテージと言えるかもしれません。

一方、ハイエンドでの比較になると、「Core Ultra 9 285K」の24コア/24スレッドに対して、「Ryzen 9 9950X」が16コア/32スレッドとなっており、さらに「Core Ultra 9 285K」は24コアのうちPコアは8コアとなっているため、単純な比較では「Ryzen 9 9950X」が優勢となりますが、
逆にTDPは「Core Ultra 9 285K」が「Core Ultra 7 265K」と同じ125Wであるのに対し、「Ryzen 9 9950X」は170Wと大きく跳ね上がっており、省電力性では「Core Ultra 9 285K」のほうが有利となります。

なお、編集ソフトとの相性からクリエイティブ分野ではIntel製CPUの使用例が多いのが現状ですが、AMDも最適化にはかなり力を入れています。クリエイティブ分野でCPUを選ぶ際は、コア数やスレッド数、消費電力、そしてソフトウェアの最適化状況などを総合的に判断する必要があります。

3-3.日常・ビジネス:性能・価格で大きな差はなし

インターネット閲覧やメールの送受信、オフィス系ソフトの利用やオンラインミーティングといった日常的な用途は、比較的軽い処理であり、高い性能を求められることもないため、「Intel Core Ultra」でも「AMD Ryzen」でも特に大きな差は出ません。

価格面においても、かつてはAMD製CPUがコストパフォーマンスの面で有利と言われていましたが、現在はあまり大きな差はなく、製品によってはIntel製CPUのほうがコスパに優れていることもあります。

パソコン全体となると、使用しているパーツの違いなどもありますが、例えば、サイコムのBTOパソコンの場合、映像編集向けの「Lepton Motion Pro」シリーズは、「Intel Core Ultra 7 265K」とZ890チップセット搭載マザーボードを組み合わせたIntelプラットフォームの「Lepton Motion Pro Z890」が標準構成で350,480円であるのに対し、「AMD Ryzen 7 9700X」とX870搭載マザーボードを組み合わせたAMDプラットフォームの「Lepton Motion Pro X870」が標準構成で348,160円となっており、価格面においても両者にはほとんど差がないことがわかります。

3-4.AI活用:NPUの搭載でIntelが一歩リード

AI処理をCPUで行うという点では、NPUを搭載している「Intel Core Ultra」、つまりIntel製CPUがリード。AMDも「Ryzen 8000G」シリーズにはNPUが搭載されていますが、メインストリームの「Ryzen 9000」シリーズには搭載されていません。

ただし、大規模なAI処理となると、CPUではなくビデオカード(GPU)で処理するのが基本となりますので、CPUにNPUが搭載されているか否かはあまり大きな問題になりません。ノートPCにおいて、「Intel Core Ultra」が多く採用されているのは、ビデオカード(GPU)を搭載できず、AI処理をCPUで行う必要性があるという点が非常に大きいと思われます。

4.AMD・Intel製CPU搭載!おすすめのBTOパソコンを紹介

4-1.ベーシックな構成でカスタマイズのベースにも最適「Radiant」

BTOメーカー・サイコムのラインナップにおいて、スタンダードモデルとして位置づけられているのが「Radiant」シリーズです。サイコムといえば、ゲーミングPCを中心としたハイスペックかつハイパフォーマンスなパソコンが主力という印象の強いメーカーですが、「Radiant」シリーズは非常にシンプルかつソリッドな標準構成が特徴となっています。

「Radiant」シリーズは、ミドルタワー型、ミニタワー型、省スペース型と幅広いラインナップで展開されており、それぞれにIntelプラットフォームとAMDプラットフォームが用意されています。
また、その多くはビデオカードを搭載せず、CPU内蔵のグラフィック機能を利用したシンプルな構成で、ゲームなどはあまりプレイしない方やビジネス用途などに最適なラインナップとなっています。

しかし、サイコムならではの充実したカスタマイズにももちろん対応しており、ハイエンドCPUやビデオカード、大容量メモリの搭載など、自由自在なカスタマイズが可能。コストパフォーマンスの高いシンプルな構成のパソコンとしてはもちろん、細やかなカスタマイズによって特殊な用途にも最適化できる自由度から、個人はもちろん法人用途としても人気のシリーズとなっています。

Radiant GZ3600Z890

【Radiant GZ3600Z890】標準構成
CPUIntel Core Ultra 5 245K(4.2GHz、14コア/14スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードIntel Z890 チップセット
SSD500GB(SATA/2.5インチ SSD)
ビデオカードCPU内蔵グラフィック
外形寸法幅195×奥行き450×高さ442mm

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Radiant VX2800B550A

Radiant VX2800B550A】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 5600X(3.7GHz、6コア/12スレッド)
メモリDDR4-3200 8GB(8GB×1)
マザーボードAMD B550 チップセット
SSD500GB(SATA/2.5インチ SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce GT730 2GB
外形寸法幅195×奥行き450×高さ380mm

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4-2.自分好みのゲーミングPCを構築「G-Master Spear」

サイコムのゲーミングPCブランド「G-Master」シリーズにおいてその中核をなす定番モデルが「G-Master Spear」シリーズです。ミドルタワー型のメインストリームは、「Intel Core Ultra」や「Intel Core i」を搭載したIntelプラットフォーム、「AMD Ryzen」を搭載したAMDプラットフォームのモデルを用意。「Intel Core i」を搭載したモデルには、メモリがDDR5のものと、DDR4のものといった2種類がラインナップされています。

ビデオカードは標準で「NVIDIA RTX 5060 Ti」搭載モデルを採用していますので、最新PCゲームを美麗なグラフィックや高フレームレートで楽しむことができますが、「G-Master Spear」シリーズは拡張性の高さも注目ポイントで、さらにハイエンドのCPUを組み合わせたり、さらに高性能のビデオカードにカスタマイズすることが可能。自分好みのスペックに仕上げる楽しさも「G-Master Spear」シリーズの魅力となっています。

なお、「G-Master Spear」シリーズには、容量26.3リットルのPCケースを採用したコンパクトモデル「G-Master Spear Mini」シリーズも用意されていますので、コンパクトサイズのゲーミングPCをお求めの方は、ぜひ注目してみてください。

G-Master Spear X870A

G-Master Spear X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X (3.8GHz、8コア/16スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードAMD X870 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅220×奥行き506×高さ493mm

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G-Master Spear Mini B860

G-Master Spear Mini B860】標準構成
CPUIntel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードIntel B860 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅194×奥行き443×高さ321mm

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4-2.映像編集に特化「Lepton Motion Pro」

「Lepton Motion Pro」シリーズは、映像クリエイターのサンゼ氏が監修した、映像編集に特化したラインナップですが、高いパフォーマンスによって、3DCG制作にもしっかり対応できる、スタイリッシュかつハイスペックが注目のクリエイターPCです。

「Intel Core Ultra」を採用したIntelプラットフォームと、「AMD Ryzen」を採用したAMDプラットフォームがそれぞれ用意されており、いずれもビデオカードに「NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)」を採用。カスタマイズによって、CPUやビデオカードのグレードアップ、メモリの増量など、自分好みの構成をチョイスし、さらなる高みを追求することもできます。

スタイリッシュな外観も人気の「Lepton Motion Pro」シリーズには、さらにサイズダウンしたミニタワー型の「Lepton Motion Pro Mini」シリーズも展開されていますので、用途や設置環境を踏まえて、最適なモデルを選びましょう。

Lepton Motion Pro Z890

Lepton Motion Pro Z890】標準構成
CPUIntel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードIntel Z890 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅222×奥行き450×高さ467mm

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Lepton Motion Pro Mini B850/A

Lepton Motion Pro Mini B850/A】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X(3.8GHz、8コア/16スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードAMD B850 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅222×奥行き417×高さ374mm

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4-3.AI活用にも力を発揮「Lepton Hydro」

CPUとビデオカードを水冷ユニットによって個別に冷却する「デュアル水冷」を採用したサイコムのフラッグショップモデル「Hydro」シリーズにおいて、プロフェッショナル向けと位置付けられる「Lepton Hydro」シリーズは、デジタルクリエイションやAI開発に最適なワークステーションモデルとなっています。

CPUはもちろん、サイコム独自の工夫によってビデオカードも水冷化されていることで、高い負荷の作業においても、安定した動作が期待できるほか、長時間に作業がおよんでも、しっかりと冷却することができますし、静音性も両立できている点も注目です。

「Lepton Hydro」シリーズも、Intel&AMDの両プラットフォームで展開されており、Intelプラットフォームでは「Core Ultra 7 265K」(20コア/20スレッド)、AMDプラットフォームでは「Ryzen 9 9950X](16コア/32スレッド)の高性能CPUを標準で搭載。さらに、AMDプラットフォームでは、32コア/64スレッドの「AMD Ryzen Threadripper 9970X」を標準搭載した、まさにハイエンドワークステーションという名に相応しいモデルも用意されています。また、ハイパフォーマンスでありながらコンパクトなサイズ感が魅力の「Lepton Hydro Cube」シリーズもラインナップされています。

Lepton Hydro WSX870A

Lepton Hydro WSX870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 9 9950X(4.3GHz、16コア/32スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードAMD X870 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコムオリジナル Hydro LC Graphics® GeForce RTX5080
外形寸法幅220×奥行き469×高さ490mm

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Lepton Hydro WSZ890 Cube

Lepton Hydro WSZ890 Cube】標準構成
CPUIntel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードIntel Z890 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコムオリジナル Hydro LC Graphics® GeForce RTX5080
外形寸法幅202×奥行451×高さ286mm

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5.2025年の総括と2026年以降の展望

2025年は、AMDプラットフォームが大きくシェアを拡大した、まさにAMD躍進の年といえます。「Ryzen 8000G」シリーズの高い内蔵グラフィック性能、「Ryzen 9000」シリーズの高いマルチコア性能などパフォーマンス面でも高く評価され、ゲーミングやクリエイティブの分野でも幅広く導入が進んでいます。

一方、Intelは、高効率かつ高いマルチコア性能を備えた「Core Ultra」シリーズが2025年を牽引。NPUを搭載することでAI処理性能を高めており、AI時代にもマッチしたCPUとなっています。ゲーミング分野ではAMDの猛追を受けていますが、多くのソフトウェアにおける相性や最適化といったアドバンテージもあり、今後の市場動向にも注目が集まります。

2026年の展開を予想するうえで、押さえておきたいのがAIへの対応。生成AIの進歩を始め、AIの活用がさらに加速していくと思われる2026年ですが、すでにノートPCの分野では、NPUを搭載した「Intel Core Ultra」に対して、AMDも「AMD Ryzen AI」と呼ばれるモバイル向けのNPU搭載CPUで対抗。ノートPCにおいては依然としてIntelが高いシェアを誇っていますが、AIへの対応が今後の展開を大きく左右するかもしれません。

一方、デスクトップPCにおけるAI対応に関しては、NPUを搭載している「Intel Core Ultra」に対して、「AMD Ryzen 9000」は非搭載となっており、Intelが有利な状況。ただし、デスクトップPCにおいては、GPUのAI処理性能が強力なため、ビデオカードを搭載しているパソコンでは、あまりNPUのメリットを活かしきれないのが現状です。NPUには、CPUやGPUの負荷を軽減しつつ、低消費電力でAI処理ができるというメリットがありますが、本格的にAI活用を考えると、現時点では少々力不足であり、今後の対応を注目したいポイントとなっています。

また、AI処理に関わらず、いかに低消費電力で、高効率に処理できるかが今後のCPUには大きく求められる要素となっています。これまでの“とにかく性能を追求する”という方向から、“性能だけでなく効率をより重視する”という流れは、今後さらに加速していくと考えられます。

Intelは、2026年に開発コード名「Panther Lake」と呼ばれる新たな「Core Ultra」シリーズの登場を予定しています。AMDのZen 6コアを採用した新たな「Ryzen」が2026年内に登場するかどうかは不明であり、新たな「Core Ultra」の性能次第では、形勢が大きく動く可能性もありますので、今後も引き続き、IntelとAMDの動向については目が話せない状況と言えそうです。

BTOパソコン売れ筋ランキング

(10月1日~10月31日)

  • 1位
    1位G-Master Spear X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 2位
    2位Radiant GZ3600X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 3位
    3位G-Master Velox Campio Edition 2025
    ※こちらの商品は販売終了しました。
    【新登場!】G-Master Velox III AMD Edition
  • 4位Radiant GZ3600Z890
    最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 5位G-Master Spear Z890
    AI時代の新CPU、Intel Core Ultraプロセッサを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 6位Silent-Master NEO B850A
    こだわりのNoctua製空冷CPUクーラーを採用し、エアーフローと静音性のバランスを極めた静音PC。AMD Ryzen 9000シリーズを搭載するATXミドルタワー型モデル。
  • 7位Premium Line Z890FD
    「いいものを永く」のコンセプトで標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスが充実した、Intel Core Ultraプロセッサ搭載のプレミアムPC。
  • 8位G-Master Spear Mini B850A
    AMD Ryzen 9000シリーズを搭載する容量26.3リットルとコンパクトながら幅広いカスタマイズ性とミニマルなデザインを持ち合わせたゲーミングPC。
  • 9位G-Master Velox II Intel Edition
    高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!第14世代インテル(R)Core(TM)プロセッサ搭載モデルです。
  • 10位Lepton Hydro WSX870A
    冷却性能と静音性のバランスを高次元で両立したデュアル水冷ワークステーション。Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズと、サイコム独自に水冷化したGeForce RTX5000シリーズの組み合わせで、最強のクリエイション環境を実現します。