
学生主体のチームがフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを企画・設計・製作・操縦し、その「ものづくりの総合力」を競う学生フォーミュラ。
2024年の日本大会で総合9位にランクインし、さらなる躍進を目指す、九州工業大学の学生フォーミュラチーム「KIT-FORMULA」のマシン開発には、サイコムのBTOパソコンが使用されています。
学生フォーミュラでは、各チームがレーシングカーを開発するベンチャー企業という想定になっていて、ただ走らせるだけではなく、設計・解析、製造・製作、コスト管理、販売戦略など一連の活動を総合的に審査。まさに「ものづくりの総合力」が試される大会なのです。
1981年にアメリカのSAE(Society of Automotive Engineers)がはじめて「Formula SAE」をもとに、現在では世界21カ国で開催され、約60カ国のチームが参加する学生フォーミュラですが、その中で、日本大会は2003年に開催され、今年2025年は23回目の大会が開催予定。
昨年度の大会では、国内外80校以上の大学、7,000人以上の大学生が参加する規模の大会となっています。

大会では、実際にフォーミュラカーを走らせる“動的審査”と設計や製造、販売戦略などのプロセスを審査する”静的審査”の大きく2つの中で、合計8種目の審査が行われ、合計1,000点満点で採点されます。
特に動的審査においては、最後の種目を突破できる大学は全体の4割にも満たない難関となっていますが、九州工業大学「KIT-FORMULA」は、2022年以降3年連続での完走を果たしています。
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九州工業大学「KIT-FORMULA」の挑戦

「KIT-FORMULA」は、初めて日本大会が開催された2003年の翌年となる2004年に設立。
20年以上の歴史の中で、約21台の車両を製作し、学生フォーミュラに挑戦。2011年には初のトップ10入りをはたすなど最前線で活躍を続けていますが、2022年からはシングルナンバーを目指した3カ年計画を始動し、最終年となる昨年2024年は見事目標達成となる総合9位を獲得しました。

現在、活動するメンバーは約60人。昨年の大会終了後から、次年度に向けての目標やコンセプトを決定し、新車両の開発に着手。10月から2月までの期間に、設計やシミュレーションを重ね、様々な実測データを収集。そのデータをもとにして、4月27日のシェイクダウンに向けて、実際の製作が行われました。
「KIT-FORMULA」の開発においては、シーズンの折り返し地点でもあるシェイクダウンの日程順守は非常に重要であり、そのうえで、“動けば良い”わけではなく“競技ができる車両”のクオリティを大切にしているそうです。なお、シェイクダウンまでの軌跡は公式X(Twitter)にて投稿されていますので、興味のある方は「#KITFORMULA_2025SD企画」で検索してみてください。

「KIT-FORMULA」は、学生フォーミュラに挑戦する意義として、「ものづくりに必要な総合的なスキルを身につける」ことを最重要視しています。そして、設計や製作だけでなく、企画、マネジメント、予算管理、そしてチーム運営に至るまでの実践的な能力を総合的に養うのと同時に、新しい挑戦を恐れず、積極的に取り組む姿勢も重視。その姿勢の中で、車両を次々とアップグレードさせていくことが重要だと考えています。
そして、創意工夫を凝らしながら挑戦を重ね、仲間と協力し、技術と情熱を形にしていくプロセスそのものが九州工業大学の伝統や技術力、そしてものづくりへの情熱を体現するものであり、このプロジェクトを通じて、チームワークの重要性やものづくりへの真摯な姿勢を学び、社会を豊かにするエンジニアを育成することを最終的な目的としています。

2025年の新車両「KS-21」を発表
2025年5月16日に開催された「KIT-FORMULA」の新車発表会では、2025年の大会を戦う新車両「KS-21」がお披露目されました。

「The Vehicle Driven by Will 意志が宿る一台」をメインコンセプトとする「KS-21」は、ドライバーとエンジニア、それぞれの意思を一台の車両に宿すことを目指して設計されました。
ドライバーの操作に対して車両が期待通りに応答し、その挙動が明確にフィードバックされることで、双方向の信頼関係が生まれる…… 「意のままに操れる性能」の実現を目指した一台となっています。

2025年の目標は、九州工業大学歴代最高順位となる総合7位。その目標達成に向けて、設計・開発された「KS-21」ですが、その完成に向けて、多くの企業・団体からの支援を受けています。
サイコムもその中の一企業として、設計・解析用に高性能パソコンの支援を実施。サイコムは、パソコンを通して、「KIT-FORMULA」の活躍を応援しています。

「学生フォーミュラ」の舞台で活躍するサイコムのBTOパソコン

「学生フォーミュラにおいてパソコンの存在は非常に重要」と話す、「KIT-FORMULA」ドライブトレイン班の福原幹太郎さん。そもそも設計自体、今やパソコンがないと難しい時代。さらに、解析も流体解析やトポロジー解析、強度解析など多岐にわたり、パソコンのスペックに対する要求も非常に高くなっているそうです。
サイコムのパソコンが導入されるまでは、解析ソフトの要求スペックに満たず、「思ったような解析ができなかった」と振り返る福原さん。3DCADを使った設計部分ではビデオカード、解析部分ではCPUの性能が求められます。ビデオカードの性能が低いと、プレビューさえもまともにできないことがありますし、かつて使用していたパソコンでは、流体解析に10時間以上の時間が掛かったうえ、エラーで固まってしまうことも珍しくなかったと言います。
そして、「サイコムさんのパソコンが届いて、それが一気に解消されました」と続け、「重たい3DCADも自由に動かせますし、作業効率が格段と上がったので、かなり快適に作業ができるようになりました」と笑顔を浮かべます。

「KIT-FORMULA」とサイコムとの関わりは、岡友麻さんが出した一通のメールから。
設計・解析におけるパソコンのスペック不足に悩んでいた現状を打破するために、当時1年生だった岡さんは、複数のパソコンメーカーに支援を求める行動を起こしたそうです。
自身のメールに対して、「サイコムさんの反応は早く、すぐにオンラインミーティングの場を設定していただけたのはありがたかったです」と感謝する岡さん。
サイコムが支援を決めた理由について、「活動内容はもちろんですが、それを伝えるしっかりとした資料、さらに目標に向けての情熱、熱意が感じられたことが最大の理由です」とサイコム マーケティング担当マネージャーの佐藤明さんは説明します。

その結果、最初に岡さんがお願いしたパソコンは「Intel Core i5」+「NVIDIA GeForce RTX 4060」の構成でしたが、用途や目的を検討した結果、「設計&解析がスムーズになり、チームのワークフローが円滑になってほしい」との判断から、さらに高いスペックのパソコンが用意され、1台のリクエストに対して3台のパソコンが提供されるなど、「めちゃくちゃありがたかったです」と岡さんは感謝の言葉を重ねます。

サイコムのパソコンを駆使して、総合7位という目標に向かって活動を続ける「KIT-FORMULA」。モータースポーツとパソコンはあまり紐づかないと思われがちですが、“ものづくり”という観点でいえば、絶対に必要なアイテムとなっています。
最後に福原さんは「今後も末永いお付き合いをさせていただき、自分たちを通して、学生フォーミュラを一緒になって盛り上げていきたい」との意気込みを明かしてくれました。

サイコムの支援について
九州工業大学KIT-FORMULAの皆様が、学生という立場にありながらも自らの手で課題を乗り越え、形あるものを創り上げていく姿勢に強く心を動かされました。
ものづくりにひたむきに向き合うその情熱と探究心は、私たちサイコムが大切にしている“Craftsmanship”の精神と深く通じるものがあります。
パソコンの力で設計や解析などの作業が少しでも効率化され、限られた時間を創造に注げるようになれば――そう願いを込めて、今回のサポートを決意いたしました。
「KIT-FORMULA」の活動を支えるサイコムのBTOパソコン
Lepton Hydro WSZ790 Cube
「Lepton Hydro WSZ790 Cube」(※現在販売終了)は、ハイエンドのCPUとGPUをそれぞれ独立して水冷化する「デュアル水冷」を採用したワークステーションモデル。効率的なエアフローを実現することによって、コンパクトなキューブ型でありながらも発熱を抑え、安定した高パフォーマンスを引き出します。
提供モデルは、「Intel Core i7-14700K」と「NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPER」の組み合わせで、多岐にわたる複雑な解析や3DCADによる設計など、パソコンの性能が作業の効率化に直結する「KIT-FORMULA」においては、まさに最適な1台となっています。
なお、現行モデルとして、CPUが「Intel Core Ultra」となった「Lepton Hydro WSZ890 Cube」が登場。
サイコムオリジナル水冷ビデオカード「Hydro LC Graphics® GeForce RTX5070 Ti」を標準搭載しており、非常に注目のモデルとなっています。

【Lepton Hydro WSZ790 Cube】カスタマイズ構成 |
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CPU:Intel Core i7-14700K マザーボード:Z790チップセット メモリ:32GB ビデオカード:RTX4070TiSUPER HYDRO SSD:NVMe 2TB 電源:850W 80+ Gold |
\現行品の新モデルはこちら/
G-Master Velox II Intel Edition
「G-Master Velox II Intel Edition」は、厳選された標準パーツとシンプルなカスタマイズ性によって、BTOパソコンを初めて購入するユーザーにも人気の高い、Intel プラットフォームを採用したエントリー向けのゲーミングPCです。
解析や設計用途ではなく、データ整理や資料作成といった、いわゆる事務用途での活用を想定した提供となっていますが、「NVIDIA GeForce RTX 4060」搭載ビデオカードが採用されていますので、3DCADなどを利用することも十分可能なスペックとなっています。
なお、「G-Master Velox II Intel Edition」の現行モデルは、チップセットが「Intel B760 チップセット」に、ビデオカードが「NVIDIA GeForce RTX 5060」に、それぞれグレードアップされており、エントリー向けながらも最新ゲームに対応可能なパフォーマンスが期待できます。

【G-Master Velox II Intel Edition】標準構成 |
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CPU:Intel Core i5 14400F マザーボード:B660チップセット メモリ:16GB ビデオカード:RTX4060 SSD:NVMe 1TB 電源:650W 80+Bronze |

北海道の牧場で馬と戯れる日々を経て、パソコン雑誌やWEBニュース媒体の編集長を歴任する。Athlonに心奪われ、Xeonに絶対の忠誠を誓ったのも今や昔。現在は、編集業を中心に、原稿執筆からカメラマン、果てはアニメの宣伝プロデューサーまで、本業不明の生活を送る。ユーザーの心をがっつり掴む各種オウンドメディアを運営中。 プロフィールはこちら
BTOパソコン売れ筋ランキング
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- Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
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- 4位Radiant GZ3600X870A
- Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
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- AMD Ryzen 9000シリーズを搭載する容量26.3リットルとコンパクトながら幅広いカスタマイズ性とミニマルなデザインを持ち合わせたゲーミングPC。
- 6位Radiant GZ3600Z890
- 最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
- 7位Silent-Master NEO B850A
- こだわりのNoctua製空冷CPUクーラーを採用し、エアーフローと静音性のバランスを極めた静音PC。AMD Ryzen 9000シリーズを搭載するATXミドルタワー型モデル。
- 8位G-Master Velox II Intel Edition
- 高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!
定番のインテル® Core™ プロセッサ搭載モデルです。
- 9位Premium Line Z890FD
- 「いいものを永く」のコンセプトで標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスが充実した、Intel Core Ultraプロセッサ搭載のプレミアムPC。
- 10位G-Master Velox Mini B650A AMD Edition
- 容量19リットルのコンパクト筐体にAMD Ryzen 9000シリーズとGeForce RTXシリーズを搭載するゲーミングPC。納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめます。