コスパの良いゲーミングPCとは?ただ安いだけではないパソコン選びのポイントを解説

ゲーミングPCに限らず、パソコンを購入する際に話題となる「コストパフォーマンス」、いわゆる「コスパ」ですが、最初に理解しておきたいのは、「安いPC」=「コスパの良いPC」ではないということです。

コスパは、価格対性能を意味する言葉です。つまり、性能に応じた最適な価格設定を理解しなければ、単純にコスパが良いとは言えないわけです。そして、価格を決める要素は性能だけではありません。コスパは、パソコン全体を総合的に判断する必要があるのです。

そこで今回は、ゲーミングPCにおけるコスパの正体から、コスパを考慮した最適なパーツ選び、さらには予算別のおすすめスペックなどを紹介します。ぜひ本記事を参考にして、自分に最適なゲーミングPCを、最適な価格で入手するための参考にしてみてください。

目次

1.コスパの良いゲーミングPCとは?

1-1.「安いPC=コスパが良いPC」ではない

コストパフォーマンスの正式な言葉は、「Cost per performance」です。日本語で言えば“費用対効果”、あるいは“価格対性能”と言われるもので、性能に対する価格を意味する言葉です。このことを省略して「コスパ」と呼んでいます。一般的には、性能に対して安価な場合は“コスパが良い”、高価な場合は“コスパが悪い”と言われます。

つまり、「コスパ最強PC」というのは、ただ安いだけのパソコンを意味する言葉ではないことを確認しておく必要があります。「安いパソコン」は一般的に、「性能不足で最新ゲームが満足にプレイできない」「発熱しやすく動作が不安定」「トラブルや不具合が多く、結果として早期の買い替えが必要となる」といった傾向があり却ってコスパが悪くなってしまうこともあります。

みなさんは、TCO(Total Cost of Ownership)という言葉をご存じでしょうか?TCOは、主に電子機器やPCソフトといった製品やサービスの購入から廃棄(サービス解約)までにかかる費用の総額=総所有コストのことを言います。ゲーミングPCの場合は、購入時のゲーミングPCの価格だけではなく、維持や管理、トラブル対応のコスト(リスク)もひっくるめたトータルのコストのことです。安定性がイマイチでトラブルが発生し、修理が必要になるなど「見えづらいコスト」も含めた考え方です。

すなわち、コスパの良いパソコンというのは、「安いパソコン」ではなく、期待しているパフォーマンスが発揮され、長く安定して使えることが絶対条件。初期費用だけで判断するのではなく、どれだけの期間、ストレスなく使えるかといった視点も必要となります。

ゲーミングPCは、安い買い物ではありません。選定する際は、性能やリスクなどしっかりと見定める必要があります。

1-2.「性能」「寿命」「安定性」のバランス

パソコンを購入する際に、見極めておきたいポイントとして、「性能」「寿命」「安定性」「価格」といった4つの観点があります。ゲーミングPCで言えば、ゲームを快適にプレイするための「性能」、できるだけ長い期間、ゲームが楽しめる「寿命」、そして、長時間、高い負荷の掛かる環境でもトラブルや不具合の起こらない「安定性」。この3つのバランスから「価格」は導き出されます。

つまり、「性能」「寿命」「安定性」に求めるレベルを最初に明確にしておくことが重要であり、それらの条件にあった適正「価格」を知ることが、コスパの良いパソコンを手に入れる第一歩となります。もちろん、ハイエンドパーツを組み合わせた構成であれば、「性能」「寿命」「安定性」の条件を満たすことは簡単ですが、適正価格を大きく上回ってしまうため、決して“コスパが良い”とは言えません。

コストパフォーマンスを考える場合は、「性能」「寿命」「安定性」、そして「価格」のバランスを見極める必要があり、ただ単に「価格」が高い、安いだけで考えないようにすることが重要なのです。

1-3.「品質」面もコスパには重要

例えば、①「性能」が100で18万円のパソコンと②「性能」が100で20万円のパソコンがあった場合、コスパの良いパソコンはどちらでしょうか。多くの方は、その「価格」差から①を選ぶと思いますが、②のパソコンは、高品質なパーツを使用しているため「安定性」が高く、トラブルが起こりにくいとすると、判断が難しくなります。

さらに、③「性能」が120で18万円のパソコンがあれば、圧倒的にコスパが良いと評価されると思いますが、パーツの品質が低く、「寿命」や「安定性」に対する不安がある可能性も否定できません。

先ほど、「性能」「寿命」「安定性」のバランスという話をしましたが、「寿命」はもちろん、特に「安定性」は使用しているパーツの「品質」に大きく依存します。つまり「品質」面もコスパを考えるうえでは大事な要素となるわけです。

コスパというと、単純に「価格」を見てしまいがちですが、なぜ安いのかを考えるのも非常に重要です。「性能」はパーツ構成やスペックからある程度予想できますが、「品質」を見極めるのは非常に困難です。パソコンを購入する際は、口コミなども利用して、「品質」面も考慮しながら、価格検討をすることをおすすめします。

2.コスパの良いゲーミングPCを選ぶポイント

ゲーミングPCを購入する際に最も重要なのは、「どのパーツにどれだけ予算を割くか」を正しく理解することです。用途や目的によって、パーツの重要度はそれぞれ違います。コスパの良いパソコンを選ぶためには、各パーツの「優先順位」を明確にすることが非常に重要となるのです。

2-1.まずはビデオカードに注目

ゲーミングPCの性能に最も大きく影響するパーツは「ビデオカード(GPU)」です。ビデオカードはパソコンのグラフィック描画を担当するパーツであり、フレームレートや画質、快適さなどはビデオカードの性能に左右されます。

ゲーミングPCを購入する場合、ビデオカードが搭載されていることは必須となりますが、必要となるビデオカード(GPU)の種類は、プレイするゲームによって異なります。一般的に、ゲームを快適にプレイするための最低条件は、フルHD/60fpsと言われています。ここを最低基準として、どこまで高解像度、高fpsでプレイしたいかによって、選ぶべきビデオカードが決まってきます。

コスパを考える際は、自分がどの解像度、どのフレームレートでプレイしたいかを考え、その基準で最適なビデオカードを選びましょう。例えば、フルHD/60fpsでしかプレイしないのに、「NVIDIA GeForce RTX 5090」のビデオカードを搭載したパソコンは明らかにオーバースペックであり、コスパとしては決して良くはありません。

下記は、解像度やフレームレートとGPUの関係を表にしたものです。プレイするゲームや画質設定などによっても異なりますし、画質の設定によっても変化しますので、あくまでも目安として参考にしてみてください。

解像度/フレームレート GPU
フルHD/60fpsGeForce RTX 5060/5060 Ti、Radeon RX 9060/9060 XT
フルHD~WQHD/高fpsGeForce RTX 5070/5070 Ti、Radeon RX 9070/9070 XT
WQHD~4K/高fps/高画質GeForce RTX 5080/5090

2-2.CPUは「ゲームを快適に動かせる性能」が基準

ゲーミングPCにおいて最も重要なパーツはビデオカード(GPU)ですが、パソコン全体の操作性にも影響する「CPU」も決して無視できない存在です。ビデオカードほど直接的な影響は少ないものの、快適な操作性にも影響しますし、CPUの性能が低いと、そこがボトルネックとなって、ビデオカードが性能をフルに発揮できなくなることもあります。

かつてゲームにおいては、シングルコア性能が重視される傾向にありましたが、最近ではバックグラウンド処理も増えたことから、コア数の多いCPUが求められる傾向にあります。なお、シングルコア性能の高さから、「Intel Core Ultra」よりも第14世代の「Intel Core i」のほうが、コスパの良さからも根強い人気があります。

「Intel Core Ultra」「Intel Core i」、そして「AMD Ryzen」のいずれのCPUでも、グレードが「5」、すなわち「Core Ultra 5」「Core i5」「Ryzen 5」クラスであればゲーム用途では十分なパフォーマンスを発揮しますが、ハイエンドのビデオカードを使用する方や映像編集なども視野に入っている方は、「Core Ultra 7 265K」や「Ryzen 7 9700X」などを選ぶのも良いでしょう。

なお、3D V-Cacheを搭載した「AMD Ryzen 7 9800X3D」などの末尾に「3D」がついたモデルは、キャッシュ容量の大きさからゲームユースで高いパフォーマンスを発揮しますが、高めの価格設定となっているため、よほどハイエンド構成を狙っているのでなければ、コスパという意味では、選択肢から外れるかもしれません。

2-3.メモリは16GB必須!余裕を持つなら32GB

メモリはパソコンがデータ処理を行う際の作業スペースとも言える存在。そのため、メモリ容量が多くなれば、快適な操作が期待できます。特にゲーミングPCにおいては、フレームレートの低下やカクつきなどの原因になるとも言われています。

現在、ゲーミングPCに求められるメモリ容量は16GBが必須レベルとなっており、8GBではやや厳しい状況となっています。また、ゲーム配信を行ったり、ほかのソフトを同時起動するような場合は、最低でも32GBは搭載したいところです。

先にも述べた通り、メモリ容量が大きくなると快適性は高まりますが、メモリは非常に価格変動が激しいパーツのひとつです。コスパの面で考えれば、最低16GBというラインを見つつ、価格と予算のバランスを考えて、最適な容量をチョイスしましょう。

2-4.ストレージは1TB以上のM.2 SSDがベスト

昨今のゲームは非常に容量が大きくなってきており、100GBを超えるタイトルも珍しくありません。アップデートなどで、さらに容量が必要になることを考えると、ある程度の余裕を持った容量を用意したいところです。

ストレージ容量はいくら大きくても困ることはないのですが、容量が大きくなると、値段も高くなる傾向にあります。現在では、1TBを基準として考えるのが、必要容量の面でも、コスパの面でも最適と言えます。

また、ストレージにはHDD、SSD、M.2 SSDなどの種類があります。価格面だけで考えると、対容量比で優れているのはHDDですが、特にゲーミングPCの場合は、データ転送速度が快適性に大きく影響します。ゲームの起動速度やデータのセーブ・ロードの速度を考えても、可能であれば、NVMe接続のM.2 SSDがベストな選択となります。

3.ゲーミングPC選びで見落としやすい注意点

3-1.プレイしたいゲームの「推奨スペック」を確認しよう

ゲーミングPCを購入する際、すでにプレイしたいゲームがある程度決まっている方は、当該ゲームが必要とする「動作環境」をチェックしましょう。この「動作環境」を満たすことが、そのゲームをプレイするうえでの最低条件となるからです。

そして、ゲームの「動作環境」には多くの場合、「最低動作スペック」と「推奨スペック」の2つがありますが、特に注目したいのは「推奨スペック」です。「最低動作スペック」は、あくまでもゲームが起動し、プレイが可能な最低基準を示しており、快適なプレイを期待する場合は「推奨スペック」を満たす必要があります。

いくら安いからと言って、この基準に達していないゲーミングPCを選んでしまうと、画質を落としてプレイする必要があります。多くのゲームでは、この「推奨スペック」を満たしていれば、一般的な快適レベルと言われる「フルHD/60fps」でのプレイが可能。下に例として紹介している『モンスターハンター ワイルズ』の場合も、【推奨環境】では、「グラフィック「中」設定で、1080p(アップスケール使用)/60fps(フレーム生成使用)のゲームプレイが可能」となっています。この数値を基準として、どの程度の解像度やフレームレート、画質でプレイしたいかを考えて、パーツ、特にビデオカードを選択しましょう。

『モンスターハンター ワイルズ』の動作環境
【必須環境】 【推奨環境】
CPU Intel Core i5-10400 / Intel Corei3-12100
AMD Ryzen 5 3600
Intel Core i5-10400 / Intel Core i3-12100
AMD Ryzen 5 3600
メモリ16GB16GB
ビデオカード(GPU) NVIDIA GeForce GTX 1660(VRAM 6GB)
AMD Radeon RX 5500 XT(VRAM 8GB)
NVIDIA GeForce GTX 2060 Super(VRAM 8GB)
AMD Radeon RX 6600(VRAM 8GB)
ストレージ140GBの空き容量140GBの空き容量(SSD)

3-2.冷却性能や静音性もチェック

ゲーミングPCの快適さは、単純なスペックだけではなく、冷却性能がどれだけしっかりしているかによっても大きく変わります。特に高性能なパーツを使用していると、発熱も大きくなってしまいます。この熱をうまく処理できないと、サーマルスロットリングなどによるパフォーマンスダウンはもちろん、不具合やトラブルの原因となり、パソコンの寿命にも大きく影響します。

安いパソコンには、この冷却性能を犠牲にしてコストダウンを図っているものもあり、そういったパソコンは長期的な視点では決してコスパが良いとは言えません。どのようなCPUクーラーや冷却ファンを使用しているか、エアフローはしっかり確保されているかなども事前にしっかりとチェックしておきましょう。

また、冷却性能を高めるために、静音性が犠牲になっているパソコンも少なくありません。ファンの回転数を上げると、冷却性能は高まりますが、静音性は失われてしまいます。動作音の大きなパソコンは、ゲームをプレイするうえでの集中力にも影響します。パソコン購入時は、静音性も重要な確認ポイントとなります。

3-3.モニターなどの周辺機器も準備

ゲーミングPCのパフォーマンスをフルに発揮するためには、周辺機器の選び方も重要となります。例えばモニターの場合、いくら高性能のパソコンを使用しても、モニターのスペックがフルHD/60Hzの場合は、フルHD/60fps以上の性能を活かすことはできません。モニターを購入する場合は、解像度やリフレッシュレートが、自分のプレイ環境にあっているかどうかをチェックする必要があり、ゲーミングPC同様、価格だけで選んでしまうと、逆にコスパが悪いという結果になってしまうのです。

さらに、プレイの快適性を高めるアイテムとして、ゲーミングマウスやゲーミングキーボード、ヘッドセットなどがあります。これらのアイテムをうまく活用すれば、ゲーム体験も大きく向上しますが、それだけ予算も必要となります。コスパを意識する場合は、これらのアイテムが必要かどうかもしっかり検討し、予算やプレイの熟練度にあわせて導入を考えてみましょう。

3-4.保証やサポートもしっかり確認する

ゲーミングPCは、高負荷で長時間稼働させることが多くなるため、トラブルや不具合が起こりやすい傾向にあります。壊れるたびに交換、買い替えなどを行うのは費用面でのダメージが非常に高くなってしまいます。長期的な視点でのコスパの良さを考えるなら、保証やサポートの有無、そしてその内容についてもしっかり検討しましょう。

特に初心者の方にとっては、故障や不具合の原因追求などは非常に難しいので、何かトラブルがあったときにすぐ相談できたり、故障した場合はスムーズに修理対応してくれるなどの保証やサポートは必須。この点でも、値段だけにとらわれず、保証・サポートの内容も吟味することが、結果としてコスパの良いパソコンを手に入れる近道となるのです。

4.予算別「コスパ最強」ゲーミングPCのおすすめスペック

4-1.10万円台:初めてでも選びやすいエントリーモデル

10万円台は、ゲーミングPCの中ではもっとも手を伸ばしやすい価格帯で、一般的に“コスパが良い”と呼ばれるゾーンと言えます。この価格帯は、軽〜中程度のゲームを中心にプレイしたいという方にオススメで、ApexやVALORANTなどのeスポーツ系FPSでも、設定を調整することによって十分楽しむことができます。ただし、高解像かつ高フレームレートでのプレイや、レイトレーシングなどによる高画質化を狙うには、やや力不足とも言えます。

ビデオカードは「NVIDIA GeForce RTX 5060」や「AMD Radeon RX 9060」をベースに、CPUに「Intel Core Ultra 5」や「Intel Core i5」、「AMD Ryzen 5」クラスを組み合わせるのが標準的な構成。メモリ16GB、ストレージ1TBといった基準を満たすことも可能で、ゲーミングPCを初めて購入するような方にもオススメのモデルと言えます。

10万円台の組み合わせ例
CPUIntel Core Ultra 5/Intel Core i5
AMD Ryzen 5
メモリ16GB
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060
AMD Ryzen RX 9060
ストレージ1TB

4-2.20万円台:性能と価格のバランスが良いミドルクラス

最新ゲームの美麗なグラフィックを楽しみつつ、快適なプレイにも期待したいという方は20万円台のゲーミングPCがオススメ。ゲーミングPCにおいては、最も人気が高い価格帯で、画質やフレームレート、安定性などのバランスが取りやすく、多くのゲームを快適にプレイすることができます。

「NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti/5070」、「AMD Radeon RX 9060 XT/9070」クラスのビデオカードに、「Intel Core Ultra 7」「Intel Core i7」や「AMD Ryzen 7」クラスのCPUを組み合わせることで、最新ゲームにも万全の備え。ゲームプレイのみであれば、メモリは16GBでも問題ありませんが、配信などを行ったり、マシンパワーを活かして、映像編集なども検討したい方は32GB搭載することをおすすめします。

20万円台になると、ビデオカードとCPUの組み合わせなどパーツ選択の幅も広がるため、よりコスパの追求がしやすくなるのが特徴。品質面に注目して、長く使えるパーツ構成を実現することで、長期的なコスパの良さにも繋げることができます。

20万円台の組み合わせ例
CPUIntel Core Ultra 7/Intel Core i7
AMD Ryzen 7
メモリ16GB~32GB
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti/5070
AMD Ryzen RX 9060 XT/9070
ストレージ1TB

4-3.30万円以上:ハイスペックで快適に遊べるハイエンドモデル

30万円以上の価格帯になると、多くのゲームを高画質・高フレームレートで楽しめるハイエンド環境を入手することが可能で、最新ゲームでも設定を妥協せずに快適に遊ぶことができるので、性能面だけでなく、満足度の高さも大きな魅力となります。

ビデオカードは、「NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti」や「AMD Radeon RX 9070 XT」でも十分なパフォーマンスを味わうことができますが、「NVIDIA GeForce RTX 5080/5090」クラスを採用すれば、4Kの高解像度や高いフレームレートでも快適にプレイできますし、レイトレーシングなどの機能もしっかりと活かすことができます。また、CPUも「Intel Core Ultra 9」や「Intel Core i9」、「AMD Ryzen 9」などを組み合わせれば、快適なゲーム体験だけでなく、クリエイティブな用途にも活用することができますし、「AMD Ryzen」でも3D V-Cacheを搭載したモデルを使用すれば、さらにプレイの快適性を高めることができます。

予算を掛ければそれだけ高いゲーム体験を獲得できるというのは、ある意味当然であり、一般的な“コスパの良さ”とは少し異なるイメージとなりますが、コスパはあくまでも性能に対する価格であり、高価格帯には高価格帯のコスパがあるわけです。もちろん、ただひたすらにハイエンドパーツを組み合わせた構成は、決してコスパが良いとは言えません。コスパの良いパソコンを入手するためには、用途や目的をしっかりと見定め、性能面でも価格面でも満足度の高い構成を見つけることが重要なのです。

30万円以上の組み合わせ例
CPUIntel Core Ultra 9/Intel Core i9
AMD Ryzen 9
メモリ32GB~64GB
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5070 Ti以上
AMD Ryzen RX 9070 XT
ストレージ1TB~

5.サイコムのゲーミングPCを紹介

“コスパの良い”パソコンと聞いて、BTOメーカー・サイコムを思い浮かべる方は少ないかもしれません。実際、サイコムのゲーミングPCは高性能かつ高価格帯の製品が多いこともあり、一般的なコスパの良さとはあまり結びつかない方も多いでしょう。

しかし、サイコムは“Craftmanship”をキーワードに、冷却性能や静音性、さらにはパーツ選定にもこだわり抜いており、性能はもちろんですが、特に「品質」面の高さが大きな特徴となっています。スペックだけでは測れないゲーミングPCの品質。保証・サポートにも力を入れており、「安定性」においては高い信頼を獲得しています。値段の安さだけがコスパの良さではありません。ここでは、長期的な視点でのコストパフォーマンスを追求したサイコムのラインナップを紹介しましょう。

5-1.初めてのBTOパソコンにおすすめ「G-Master Velox II」&「G-Master Velox III」

サイコムがエントリー向けとして展開しているゲーミングPC「G-Master Velox」シリーズにおいて、特に初めてゲーミングPCを購入する方におすすめなのが「G-Master Velox II」および「G-Master Velox III」です。

厳選された標準パーツとシンプルなカスタマイズ性が持ち味の「G-Master Velox」ですが、現在「G-Master Velox II」は、「Intel Core i5-14400F」を標準搭載した「Intel Edition」、「G-Master Velox III」は、「AMD Ryzen 5 9600」を標準搭載した「AMD Edition」のみのラインナップとなっていますが、いずれも「NVIDIA GeForce RTX 5060」搭載ビデオカードに加え、DDR5-5600メモリを16GB、NVMe接続のM.2 SSDを1TBの構成となっていますので、最新ゲームでもフルHD/60fpsで楽しめるスペックとなっています。

初心者の方であれば、標準構成でもしっかりゲームを楽しむことができますが、もちろん用途に応じてカスタマイズすることも可能。CPUやビデオカードを強化すれば、さらに高解像度かつ高フレームレートでプレイすることもできますので、予算や目的にあわせて、最善の構成を目指してみましょう。

G-Master Velox II Intel Edition

G-Master Velox II Intel Edition】標準構成
CPUIntel Core i5-14400F (2.5GHz、10コア/16スレッド)
メモリDDR4-3200 16GB(8GB×2)
マザーボードIntel B760  チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060(8GB)
外形寸法幅215×奥行き473.5×高さ454mm

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G-Master Velox Mini B850A AMD Edition

G-Master Velox Mini B850A AMD Edition】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 9600(3.8GHz、6コア/12スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードAMD B850 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060(8GB)
外形寸法幅200×奥行き336×高さ283.5mm

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G-Master Velox III AMD Edition

G-Master Velox III AMD Edition】標準構成
CPUAMD Ryzen 5 9600(6コア/12スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GBx2)
マザーボードAMD B850チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060(8GB)
外形寸法幅215×奥行き473.5×高さ454mm

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5-2.高性能と高拡張性を実現したスタンダードモデル「G-Master Spear」

サイコムのゲーミングPCにおいて、スタンダードモデルに位置付けられる「G-Master Spear」シリーズは、高いカスタマイズ性により、用途や目的に応じて、自在の組み合わせが可能となっている点が大きな特徴と言えます。

CPUは「Intel Core Ultra 7」や「Intel Core i7」、「AMD Ryzen 7」をベースに、ビデオカードは「NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti」を標準搭載。標準構成でも、フルHD/60fps以上の環境でのプレイが可能ですが、CPUやビデオカードをカスタマイズすることによって、さらに高い画質でのプレイを楽しむことができますし、カスタマイズしてこそ、「G-Master Spear」の魅力が引き出せると言えるかもしれません。

サイコムでは、ほとんどのパーツについて、詳細なスペックだけでなく、メーカー名や製品名も明記されています。このすべてを明らかにする姿勢は信頼性を高め、サイコムの品質に対する証明ともなりますし、カスタマイズ時の安心感に繋がるのです。

G-Master Spear X870A

G-Master Spear X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X (3.8GHz、8コア/16スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードAMD X870 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅220×奥行き506×高さ493mm

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G-Master Spear Mini B860

G-Master Spear Mini B860】標準構成
CPUIntel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードIntel B860 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti(16GB)
外形寸法幅194×奥行き443×高さ321mm

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5-3.冷却性能と静音性を両立したハイエンドモデル「G-Master Hydro」

サイコムのフラグシップモデルとなる「G-Master Hydro」シリーズは、CPUとビデオカード(GPU)を水冷ユニットによって個別に冷却する「デュアル水冷」を採用したハイエンドゲーミングPC。長時間、高負荷な作業を続けても、安定した冷却が可能で、静音性についても高いレベルで維持されるのが大きな特徴です。

「NVIDIA GeForce RTX 50」シリーズでは、これまで「RTX 5070 Ti」と「RTX 5080」がサイコム独自の工夫により水冷化されていましたが、ついに「RTX 5090」も「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX5090 32GB」として水冷化を実現。同ビデオカードを搭載した「G-Master Hydro Extreme Z890i」と「G-Master Hydro Extreme X870A」は、100万円を超える価格設定となっていますが、究極のパフォーマンスを求める方から大きな注目を集めています。

その価格設定から“コスパが良い”とは少し言い難いモデルではありますが、サイコムの「デュアル水冷」はまさに唯一無二であり、その性能、そして品質に相応しい価格設定と言える逸品なのです。

G-Master Hydro Extreme Z890i

G-Master Hydro Extreme Z890i】標準構成
CPUIntel Core Ultra 9 285K(3.7GHz/24コア/24スレッド)
メモリDDR5-5600 64GB(32GB×2)
マザーボードIntel Z890 チップセット
SSD2TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコム オリジナル Hydro LC Graphics® Plus GeForce RTX5090 32GB
外形寸法幅240×奥行き547×高さ475mm

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G-Master Hydro Extreme X870A

G-Master Hydro Extreme X870A】標準構成
CPUAMD Ryzen 9 9950X3D(4.3GHz/16コア/32スレッド)
メモリDDR5-5600 64GB(32GB×2)
マザーボードAMD X870 チップセット
SSD2TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコム オリジナル Hydro LC Graphics® Plus GeForce RTX5090 32GB
外形寸法幅240×奥行き547×高さ475mm

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G-Master Hydro Z890

G-Master Hydro Z890】標準構成
CPUIntel Core Ultra 7 265K(3.9GHz、20コア/20スレッド)
メモリDDR5-5600 32GB(16GB×2)
マザーボードIntel Z890 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコムオリジナル Hydro LC Graphics® GeForce RTX5070 Ti
外形寸法幅240×奥行き547×高さ475mm

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G-Master Hydro B850 Cube

G-Master Hydro B850 Cube】標準構成
CPUAMD Ryzen 7 9700X(3.8GHz、8コア/16スレッド)
メモリDDR5-5600 16GB(8GB×2)
マザーボードAMD B850 チップセット
SSD1TB(NVMe/M.2 SSD)
ビデオカードサイコムオリジナル Hydro LC Graphics® GeForce RTX5070 Ti
外形寸法幅202×奥行き451×高さ286mm

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6.まとめ

ゲーミングPCを購入する際、できるだけ“コスパの良い”製品を購入したいものです。しかし、ただ安いだけのパソコンは、決してコスパの良いパソコンではありません。ただ安いだけのパソコンは、性能面で不安があるだけでなく、不具合やトラブルなども大きな不安要素。修理や買い替えなどを考えると、かえって“コスパの悪い”パソコンにもなりえます。

コスパの良さを判断するためには、「性能」はもちろん、「寿命」や「安定性」、そして「品質」などをしっかり見極め、それに最適な価格を知る必要があります。品質は、なかなか判断しにくい部分ですが、それを見極める目を養うことが重要となります。

本記事では、ゲーミングPCにおけるコスパや予算別のおすすめスペックなどを紹介しました。価格もパソコンを選ぶための重要な要素ですが、安さだけにとらわれることなく、性能や品質に最適な価格を知り、そこからコスパの良さを判断できれば、満足度の高いゲーミングPCを購入できるはずです。

BTOパソコン売れ筋ランキング

(10月1日~10月31日)

  • 1位
    1位G-Master Spear X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 2位
    2位Radiant GZ3600X870A
    Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 3位
    3位G-Master Velox Campio Edition 2025
    ※こちらの商品は販売終了しました。
    【新登場!】G-Master Velox III AMD Edition
  • 4位Radiant GZ3600Z890
    最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
  • 5位G-Master Spear Z890
    AI時代の新CPU、Intel Core Ultraプロセッサを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
  • 6位Silent-Master NEO B850A
    こだわりのNoctua製空冷CPUクーラーを採用し、エアーフローと静音性のバランスを極めた静音PC。AMD Ryzen 9000シリーズを搭載するATXミドルタワー型モデル。
  • 7位Premium Line Z890FD
    「いいものを永く」のコンセプトで標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスが充実した、Intel Core Ultraプロセッサ搭載のプレミアムPC。
  • 8位G-Master Spear Mini B850A
    AMD Ryzen 9000シリーズを搭載する容量26.3リットルとコンパクトながら幅広いカスタマイズ性とミニマルなデザインを持ち合わせたゲーミングPC。
  • 9位G-Master Velox II Intel Edition
    高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!第14世代インテル(R)Core(TM)プロセッサ搭載モデルです。
  • 10位Lepton Hydro WSX870A
    冷却性能と静音性のバランスを高次元で両立したデュアル水冷ワークステーション。Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズと、サイコム独自に水冷化したGeForce RTX5000シリーズの組み合わせで、最強のクリエイション環境を実現します。