
サイコムは2025年3月26日(水)に、Mini-ITX規格に対応したコンパクトゲーミングモデル「G-Master Velox Mini」を発売した。デスクトップPCと聞くと、大抵の人は両手で抱えないと持ち上らないミドルタワー以上の大きいサイズのPCを連想するのではないだろうか。
ゲームがプレイできる高スペックのPCは、LEDを搭載したケースやファンを備え、ド派手に光るうえに大きなラジエーターを実装。近年のハイエンドなGeForceは、発熱を抑えるヒートシンクが大きかったり、そもそも水冷仕様で大型化&重量もあり、ケースも大きく、PCの総重量も増えている。
そうした高性能で高価なPCは、いわゆるAAAタイトルと呼ばれる最新で重いPCゲームを、4Kの高解像度でも高フレームレートで快適に動作させたい、といったコアなユーザー向けだ。
PCでゲームは遊びたいが、できるだけ小さいサイズで場所を取らないようにしたい、といった要望は古くからあり、自分でPCを自作するユーザーに小型なMini-ITXマザーボードは好まれている。

ただし、そうした小型PCは、ケーブルの取り回しするスペースも少なく、自分で作るのは大変で自作初心者の人には難易度も高い。今回紹介する「G-Master Velox Mini」は、そんな人にオススメなモデルとなっている。
では、実際に「G-Master Velox Mini」がどういったモデルで、どんなカスタマイズができて、どれぐらいのポテンシャルを持っているのかを見ていきたい。
目次 [隠す]
1.コンパクトながら高性能パーツも搭載できる筐体に注目!
1-1.従来のミニPCよりもさらにコンパクト
サイコムは高性能な厳選したPCパーツで数多くのラインアップのPCを販売している。すでに一般的な大きなサイズよりも小型で、フロントカバーにウッドパネルが選べるなど、デザインの種類も豊富なカスタマイズ性に優れる「G-Master Spear Mini」を販売している。

その「G-Master Spear Mini」は26.3リットルといったサイズだったが、「G-Master Velox Mini」はさらにコンパクトな19.0リットルといったサイズに収まっている。サイズがより小型になった分、搭載できるパーツの幅は狭まっているが、初心者や久しぶりにBTO PCをゲーム目的で購入したい人にオススメな製品となっている。
同社の中では非常にコンパクトなサイズの製品ではあるが、ハイエンドなCPUに静音性の高い空冷クーラーだけでなく、水冷クーラーも選択できる。さらに、WQHDや4K解像度でもゲームが快適にプレイできる性能を有するAMD「Radeon RX 9070」や、NVIDIA「GeForce RTX 5070」までのビデオカードも搭載可能だ。
1-2.チップセット違いで3ラインアップを販売
製品ラインアップとしては、CPUにIntel Core Ultraシリーズ2を採用した「G-Master Velox Mini B860」のほか、第14世代Intel Coreプロセッサーを備える「G-Master Velox Mini B760」。AMD Ryzen 9000シリーズを使用した「G-Master Velox Mini B650A」が用意されている。
搭載するCPUと型番から分かるように、それぞれIntel B860、Intel B760、AMD B650チップセットを搭載したMini-ITXのマザーボードを搭載している。そして、標準ケースはDeepCool「CH160 WH」を採用している。
そのため、3ラインアップに外観上の違いはない。ベースモデルで最もお買い得な価格なのは、第14世代Intel Coreプロセッサーを備える「G-Master Velox Mini B760」だ。Core UltraプロセッサーとCoreプロセッサーとの違いは、AIに特化したNPUがあるかないかが大きい。
そのため、今後増えつつあるAIを活用したソフトウェアをより快適に使いたい場合は、Core Ultraプロセッサーを選ぶと良い。しかしながら、ゲームプレイが中心でゲームのAI処理はGPUに任せ、少しでも安価に小型ゲーミングPCが欲しいなら第14世代Intel Coreプロセッサーを備える「G-Master Velox Mini B760」を選ぶのもアリだろう。

そんななか、今回はAMD Ryzen 9000シリーズを搭載した「G-Master Velox Mini B650A」をお借りした。Ryzen 9000シリーズは、Zen 5アーキテクチャーを採用し、前モデルからTDP(Thermal Design Power)が抑えられながらも、パフォーマンス効率が上がったことで、ゲーム性能が向上している。

1-3.『モンスターハンターワイルズ』も快適動作する高性能パーツが選択可能
ちなみにG-Master Velox Mini B650Aのベースモデルは、CPUにAMD「Ryzen 5 9600」(6コア/12スレッド、最大5.2GHz)、ビデオカードに「GeForce RTX 4060」(8GB GDDR6)を搭載し、直販価格22万3740円(税込)となっている。
このスペックでもフルHDで画質次第なら大抵のゲームが快適にプレイできるが、今回お借りしたモデルは、今最も人気が高く市場に出回ったらすぐに売り切れてしまう「Radeon RX 9070」などを搭載したカスタマイズモデルになっていた。

ビデオカードはRadeon RX 9070以外に、GeForce RTX 5070なども選択できる。!マークが付いているモデルは、標準搭載の電源ユニットでは電力供給不足になり、非推奨であることを示している
CPUはゲーム性能も高く、バランスの良いAMD「Ryzen 7 9700X」(8コア/16スレッド、最大5.5GHz)で、メモリーは標準の16GBから増量した32GB(16GB×2、DDR5-5600)、ストレージは標準だとCrucial「P3 Plus」の1TBのところ、容量とPCI Express 4.0(Gen 4)という点では同じだが、速度がより高速なCrucial 「T500」の1TBに変更されていた。

CPUは3D V-Cacheを内蔵したRyzen 9000X3Dシリーズも選択できる。※記事執筆時点ではRyzen 9 9900X3Dは受注停止中になっていた。時期によっては選択できなくなる製品もあるので、その点は注意したい
また、PCケースもデフォルトのホワイトカラーではなくブラックカラーの「CH160」で、ケースオプションとしてLEDストリップ1本が追加されていた。
そして、電源ユニットは標準だと容量が650Wとなっているが、CPUやビデオカードを変えると電力容量が非推奨になるため、700Wで80 PLUS GOLD対応の電源ユニットに変更されている。
サイコムでは、PCを購入する際カスタマイズでビデオカードなどを標準のものから変更し、電源容量が非推奨になると、警告文がポップアップされて最低限必要な容量が示される。そのため、PCに詳しくないので心配という人でも安心して欲しい。

ビデオカードの項目では、〇〇W以上必要な製品と示されているが、電源ユニットの項目でも選択したビデオカードだと容量が足らない製品には、!マークが示されて変更を促される
今回レビューでお借りしたPC構成は以下のとおりで、記事執筆時点での直販価格は33万9260円(税込)となっていた。標準構成でも軽いPCゲームや、解像度が高くない動画や写真編集くらいなら十分な性能ではある。
しかしながら、未だにDLCの追加で人気を博している『モンスターハンターワイルズ』は、高解像度テクスチャを有効にするとビデオメモリーが16GB以上必要と、メーカーのXでポストされている。そうした、ビデオメモリーを多く必要なPCゲームを高い画質設定で遊びたいなら、ビデオカードなどを見直したいところだ。
そのため、このコンパクトな筐体でも構成次第では、その『モンスターハンターワイルズ』も快適にプレイでき、今後発売される注目タイトルにも備えられるスペックが実現できるのか、後述の検証にて明らかにしたい。

2.コンパクトながら必要な機能を備え、省スペースで利用できる
2-1.メッシュ加工のケースで高いエアフローも実現
PCの性能の前にG-Master Velox Mini B650Aの特徴的なサイズによる使用感や、デザイン、インターフェースなどについても細かくチェックしておきたい。

G-Master Velox Mini B650Aは、PCケースにフロントと上面がメッシュの通気孔となっている「CH160」を採用し、小型ながら熱がこもりにくい仕様になっている。フロント下部には同社のロゴが目立過ぎないように配置されている。


2-2.キャリーハンドル付きで片手で簡単に持ち運べる
小物以上のものを計測できるスケールが手元にないため、実際の重量は分からないが、体感で重量は7~8kg前後といったところか、ミドルタワーの大きいPCとは異なり、簡単に片手で持ち上げられる。
長時間持って歩くにはやや重いが、上部にキャリーハンドルもあるため、宅内で簡単に持ち上げて掃除がし易かったり、部屋の模様替えにより場所を移動させたりするのはラクに行なえるだろう。
大学や職場でノートPCでは力不足な作業をしたい時に車で運ぶのも台車なしでラクに行なえる。日本では馴染みない人もいるだろうが、自分のPCを持ち込めるC4LANなどのイベントに持って行くにも好適だ。

2-3.机の上でも圧迫感がないサイズ
採用しているケース「CH160」のサイズを確認してみると、200(W)×336(D)×283.5(H)mm。幅はミドルタワーなどのケースとも大差ないが、奥行きと高さは一般的なミドルタワーよりも200mmほど小さい。
たとえば、机の上に置く場合、ミドルタワーだと机の奥行をめいっぱい使うので、手間えや奥にちょっとしたスペースもできず、占有率が高く圧迫感がある。また、何か机の上で書き物をしたい時など、机の上を広く使いたくてPCを一度机から下ろしたい時も大きくて重いと億劫だ。
一方で、G-Master Velox Mini B650Aなら、片手で簡単に持ち上げて机の下に一時的に置いておくこともラクに行なえる。

2-4.デスクサイドラックにも手軽に置ける
また、机のサイドラックやサイドテーブルにも手軽に置けるサイズなので、そうした家具を活用するのも良いだろう。

小型なので棚のサイズによっては、サイドラックの下の棚に収められる。このように、サイズが大きいPCよりも置き場所に困らないのも本製品の魅力だ。
3.小型ながら十分な拡張性と機能を搭載
3-1.背面にはNoctuaの120mmファンを搭載
左側面、ガラス越しに中が見える方を見てみると、裏配線などができる構造ではないため、多少電源ユニット周りにケーブルが固まっているのが目立つが、電源ユニットのフォームファクタがSFXと小型なため、まだ余裕を感じる。
また、ケースの背面には、Noctua製の120mmファンを備えている。黒を基調としたケースとビデオカードが搭載されているなか、このベージュのフレームと、ブラウンのブレードで構成されたNoctuaファンがワンポイントのアクセントになっている。


3-2.ボード長305mm&3スロットまでのビデオカードに対応
CH160はボード長305mmまでで、3スロットのビデオカードに対応する。今回採用されているASRock「Radeon RX 9070 Challenger 16GB」は、3連ファンだが2.6スロット対応のビデオカード。
下部には少しだけまだ余裕がありそうで、3スロット厚でもギリギリいけそうだ。

映像出力は、DisplayPort 2.1a×3、HDMI 2.1b×1と最近だと一般的な構成となっている。

ちなみに、「Radeon RX 9070 Challenger 16GB」は、RTX 9070から上部にLEDを搭載したラインが備わっていて、やや光りを放つ仕様になっている。

3-3.小型ながら9個のUSBポートと高速な2.5Gbps Lan&無線LANを搭載
「G-Master Velox Mini B650A」に採用されているMSI「MPG B650I EDGE WIFI」は、ハイエンドなプロセッサーでもフルスピードで動作させられるように設計された大型のヒートシンクに、Direct 8+2+1フェーズ 80A Smart Power Stage対応の強力な電源回路を搭載したMini-ITXのマザーボードだ。
M.2ヒートシンクには、ダブルボールベアリングファンを備え、高い冷却性でストレージの速度低下を防いでくれる。また、基盤の裏面にもM.2スロットがあり、M.2 SSDを拡張できる。

背面のインターフェースは、USB 3.2 Gen 2x2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×3、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2に加え、2.5Gbps LANなどと豊富だ。

また、Wi-Fi 6Eの無線LANポートにも対応する。

さらに、フロントではなく左側面の下部には、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1と、USB 3.2 Gen 1 Type-A×2、イヤホンジャックを搭載し、小型とはいえ実況配信やゲームプレイ録画をするために、マイクやキャプチャーユニットを取り付ける際にも困らないインターフェース数を備えている。

3-4.LEDストリップで淡く光る!
また、今回お借りしたPCは、オプションで選べるARGB発光システムとして、LEDストリップが1本、左側面のケースの下に取り付けられていた。そのため、PCが動作すると淡く光り、暗い場所でも中が見えるようになっている。
今回の構成では、前述したようにビデオカードも少し光ため、やや光りが混ざっているが、主張し過ぎない感じで光っていた。LEDを搭載したケースファンや、LEDファンを搭載したビデオカードやCPUクーラーをふんだんに使ったド派手に光るPCは好みではないが、ゲーミングPCとして少しだけ光らせたい、といった人は追加してみるのも一興だろう。

4.「G-Master Velox Mini B650A」の性能をベンチマークソフトでチェック!
4-1.CPUや総合性能をCinebenchやPCMark 10でチェック
さて、では最後に気になる「G-Master Velox Mini B650A」の性能をチェックしたい。標準構成ではないが、選択できる高性能パーツでコンパクトながら、どれだけ高い性能を発揮できるのかを確認したい。
まずはレンダリングエンジンを使用してCPUやGPUの性能を計測する「Cinebench 2024」にてCPU性能を測定した。

マルチスレッドのスコアは1136pts。3~4年前の同じクラスのCPUは、900に届いていなかったことを考えれば、かなり高めだ。2年前に発売された3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dよりも若干上といったところの性能を有しているので、PCゲームにおいても有利に働く。
次に総合ベンチマークとして鉄板の「PCMark 10」で性能をチェックしてみたい。

これも全体的に高いが、特筆すべきはクリエイティブ作業に関わる「Digital Content Creation」のスコアだ。他2つのテストのスコアは10000台前半といったところだが、20000を超えている。
Radeon RX 9070の高いGPU性能により、数年前のミドルハイクラス以上のビデオカードを搭載したPC以上の高い性能を示している。
4-2.Gen 4 SSDでは理論上最高速度の性能を発揮
PCゲームを快適にプレイするためには、ビデオカードが最も重要で、その性能を引き出すには、高性能なCPUとメモリーが必要だ。それ以外にストレージの速度は、ゲームの起動時間やマップ間移動のロード時間などに影響する。
CPUやGPUは冷却が足り足りていないと、熱ダレを起こして性能が落ちるが、ストレージも同じだ。前述したように「MPG B650I EDGE WIFI」は、M.2 SSDのヒートシンクにダブルボールベアリングファンを搭載している。そのため、高い冷却性能を有し、性能低下を抑えている。

実際にCrystalDiskInfoで確認したところ、アイドル時は43℃で動作していた。負荷がかかればこれよりも発熱するが、ファンが回ってファンがないよりも、効率よく冷却するので、温度の上昇はそれなりに抑えられそうだ。
また、速度については、CrystalDiskMark 8.0.6で計測した。

今回搭載されているCrucial「T500」シリーズの1TBモデルは、シーケンシャルリードが毎秒7400MBと、Gen 4のSSDとしては理論上最高速に近い性能を有している。測定結果もおおむね、その理論値通りの速さを示している。
4-3.動画エンコードベンチはRX 7800 XT越え!
「Adobe Premiere Pro」にて4種類の動画をエンコードして、処理時間からスコアを算出するUL Procyonの「Video Editing Benchmark」も試してみた。

以前、今回と同じRyzen 7 9700Xを搭載した同社の『モンスターハンターワイルズ』推奨PC「G-Master Spear Mini B850A MHWS」をライターが検証した際は、ビデオカードが前世代のミドルハイクラスのRadeon RX 7800 XTで、スコアが43764だった。
Radeon RX 9070は、立ち位置的には前モデルのRadeon RX 7900 GREより上の性能とAMDが示すとおり、Radeon RX 7800 XT搭載機よりも、10000近く高いスコアを出している。
4K高解像度映像も約44~52秒ほどと高速で、ゲームプレイ動画の編集にも活躍してくれそうだ。
4-4.3DMarkのスコア差は1.7倍以上
ここからは、筆者が普段配信用に使用している数年前のゲーミングPCと比較してみたい。CPUはIntel「Core i5-14400F」でビデオカードが「GeForce RTX 4060 Ti」と、冒頭に紹介した「G-Master Velox Mini B760」の標準構成に近いスペックを有している。
そのため、G-Master Velox Miniシリーズにおいて、標準構成で十分なのか、現在人気の高性能パーツでカスタマイズすればよいかの参考として欲しい。図版では「G-Master Velox Mini B650A」を「Velox Mini」、比較機を「比較機」と呼称する。

グラフィックス性能は、定番のベンチマークソフト3DMarkにて計測し、スコアとフレームレートを図版に起こしてる。Time SpyとFire StrikeはGraphics test 1のフレームレートを参照した。


「G-Master Velox Mini B650A」は、比較機と比べて総じて1.7倍以上のスコアを叩き出している。フレームレートも同様で、2倍とはいかないまでも、倍近いフレームレートを示している。
さらに、Port RoyalやSpeed Wayといったリアルタイムレイトレーシングを使用したベンチマークにおいては、RTX 4060 Ti搭載の比較だと30fps台とやや低いものの、60fps前後にまで上昇している。そのため、従来よりもレイトレーシングを使ってもゲームによっては快適にプレイできる期待感がある。
4-5.FF14はWQHDなら「非常に快適」
次に実ゲームのベンチマークソフトとして定番の『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』ベンチマークの計測結果を見ていきたい。グラフィックプリセット(以降、画質に関わる項目は図版では「画質」で統一)は「最高品質」。
グラフィックアップスケールは「G-Master Velox Mini B650A」がAMD FSR、比較機がNVIDIA DLSSを適用し、フレームレートのしきい値は、いずれも「60fpsを下回った時に適用」にして測定している。

4Kは複数回計測したが、なぜか比較機よりも低いスコアとなっているが、WQHDではスコアが18745と最高評価となる15000を超え「非常に快適」評価となっている。
4-6.『モンスターハンターワイルズ』も4Kで快適!?
DLCが追加され、未だに盛り上がっている『モンスターハンターワイルズ』のベンチマークソフトでも計測した。DLCの高解像度テクスチャを適用し、グラフィックプリセットは最高設定の「ウルトラ」、アップスケーリングはFSRまたはDLSSのクオリティ。
フレーム生成は有効にし、レイトレーシング設定も最高設定の「高」に設定して測定している。

フレーム生成は使用したものの、高解像度テクスチャを適用して、最高画質、レイトレーシングも最高設定にして、4K(3840×2160ドット)高解像度でもスコアが15000超えで、平均フレームレートが91.32fpsと「快適にプレイできます」評価となっている。
『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』と異なり、ビデオメモリー(VRAM)を多く使用するタイトルで、前述したようにカプコンは公式Xにて高解像度テクスチャ適用時には、VRAM 16GBは必要と説明している。
そのため、VRAMが8GBのGeForce RTX 4060 Tiでは、メモリー不足によりフレームレートが振るっていない。GeForce RTX 4060 Tiにも16GBはあるが、発売されたばかりの最新GPU、GeForce RTX 5060 Tiの16GBモデルでも、同じ条件で4Kだと10109というスコアだったので、やはりRadeon RX 9070の方が優秀だ。
ビデオカードによっては、VRAMが16GB超えていてもモンスターのテクスチャが崩れる、といったユーザーの報告が上がっているが、現状筆者はRadeon RX 9070でそのような現象を見ていない。
今後のアップデートによっても快適度は変わるだろうが、現状『モンスターハンターワイルズ』を快適にプレイするには、Radeon RX 9070は最適解のひとつと言えるかもしれない。
4-7.『ユミアのアトリエ』はWQHDで124fps!
「アトリエ」シリーズ最新作の『ユミアのアトリエ』は、ボタンを連続で押して技を繋げていく、といった従来の同シリーズにない戦闘システムなどを取り入れたRPGだ。グラフィック品質は「High」にしてフレームレートをCapFrameXにて計測した。平均と1% Low Avgを最小値として参照している。

4K高解像度でも平均64.5fpsと60fps以上、画面のカク付きは特に感じず、それほど問題は感じない。ただし、最小26fpsと30fpsを切っているので、シーンによって画面がカク付いたり、動作に重さを感じたりしたら、画質を変えるか解像度を落とした方が良さそうだ。
WQHDになると最高設定の「High」でも平均124.3fpsと120fpsを超えるので、120Hz以上の高リフレッシュレートディスプレイを活かすなら、WQHD以下でプレイする方が良さそうだ。
5.製品紹介
5-1.G-Master Velox Mini B650A AMD Edition
ゲームに求められるパフォーマンスとミニマルなデザインでまとめ上げたコンパクトゲーミングモデル「G-Master Velox Mini」シリーズにおいてAMDプラットフォームを採用した「G-Master Velox Mini B650A AMD Edition」は、初めてゲーミングPCを購入するエントリー層にもおすすめの1台となっています。
容量わずか19リットルというコンパクトサイズでありながらもビデオカードを搭載することでゲーミング性能を確保。標準では「GeForce RTX 4060」搭載ビデオカードが採用されていますが、「GeForce RTX 5070」や「Radeon RX 9070」などにカスタマイズすることで、さらなるパフォーマンスアップを狙うことも可能です。
CPUも3D V-Cacheを搭載したゲーミング向けの「AMD Ryzen 7 9800X3D」にカスタマイズ可能。コンパクトモデルだけに冷却性能が心配という方は、Noctua製の高性能CPUクーラーや水冷ユニットを採用することで、長時間プレイする場合でも安定したパフォーマンスが期待できます。

【G-Master Velox Mini B650A AMD Edition】標準構成 |
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CPU:AMD Ryzen 5 9600【3.8GHz、6コア/12スレッド】 メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2) チップセット:AMD B650 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB) |
5-2.G-Master Velox Mini B860 Intel Edition
コンパクトなサイズ感が魅力の「G-Master Velox Mini」シリーズにおいて、Intelプラットフォームを採用した「G-Master Velox Mini B860 Intel Edition」は、「Intel B860 チップセット」搭載マザーボードに「Intel Core Ultra」を組み合わせたエントリー層におすすめのゲーミングPCとなっています。
コンパクトPCは、CPU内蔵のグラフィック機能を利用することが多くなりますが、「G-Master Velox Mini」はビデオカードを搭載することで、ゲーミングPCとしてのパフォーマンスをきっちり確保しているのがポイント。標準では「GeForce RTX 4060」となっていますが、「GeForce」なら「GeForce RTX 5070」、「Radeon」なら「Radeon RX 9070」や「Radeon RX 7800 XT」までのビデオカードにカスタマイズすることができます。
CPUは「Intel Core Ultra 5 225F」を標準で採用していますが、「Intel Core Ultra 9 285K」にカスタマイズして性能を追求することも可能。コンパクトモデルなので冷却面が心配という方は、Noctuaの高性能CPUクーラーや水冷ユニットなどにカスタマイズすることで、冷却性能と静音性をさらに高めることも可能です。

【G-Master Velox Mini B860 Intel Edition】標準構成 |
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CPU:Intel Core Ultra 5 225F【3.3GHz、10コア/10スレッド】 メモリ:DDR5-5600 16GB(8GB×2) チップセット:Intel B860 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB) |
5-3.G-Master Velox Mini B760 Intel Edition
「G-Master Velox Mini B760 Intel Edition」は、先に紹介した「G-Master Velox Mini B860 Intel Edition」同様、Intelプラットフォームを採用したコンパクトゲーミングPCですが、こちらは「Intel B760 チップセット」搭載マザーボードに第14世代の「Intel Core i」シリーズの組み合わせを採用しています。
一世代前のCPUを搭載することで、価格を抑えた構成となっていますが、決して廉価版という位置づけではなく、特にゲーミングにおいては第14世代「Intel Core i」シリーズが高い性能を発揮することから、コストパフォーマンスを追求したモデルと言えるかもしれません。
ほかの「G-Master Velox Mini」シリーズ同様、標準で「GeForce RTX 4060」を搭載していますが、もちろんカスタマイズにも対応。ゲーミングPCはビデオカードの性能が重視されますので、CPUよりもビデオカードにコストを掛けたいという方におすすめしたいモデルとなっています。

【G-Master Velox Mini B760 Intel Edition】標準構成 |
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CPU:Intel Core i5-14400F【2.5GHz、10コア/16スレッド】 メモリ:DDR5-4800 16GB(8GB×2) チップセット:Intel B760 チップセット SSD:1TB(NVMe/M.2 SSD) ビデオカード:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB) |
6.まとめ:片手で持てるほど小型ながら構成によってはAAAタイトルも快適動作
「G-Master Velox Mini B650A」は片手で持てるコンパクトなPCケースに、Mini-ITXマザーボードを搭載し、ハイエンドなCPUとゲーマー人気の高い最新のビデオカードも選択可能なサイコムの最新シリーズのひとつだ。
標準構成はCPUにコスパの高いAMDの最新Ryzen 9000シリーズのミドルクラス、Ryzen 5 9600を搭載。PCゲームをプレイしたいが、予算を抑えたい人に根強い人気のGeForce RTX 4060を採用し、22万円台といった手が出しやすい価格に収まっている。
一概には言えないが、マザーボードは小型であるほど高い傾向にあるため、小型PCはやや価格が高くなる傾向にあるが、省スペースで使えるといった利点があり、場所を取りたくないユーザーに高い人気を誇っている。
実際に机の上でも運用しやすく、タワー型のPCよりもラックなどにも収め易い。NUCなど手の平サイズのPCよりは大きいが、3スロットまでのビデオカードが搭載でき、AAAタイトルのPCゲームを快適にプレイできるパーツも搭載できるのも利点だ。
高性能なデスクトップPCは欲しいが、タワー型のPCは邪魔で置いておけるスペースがない、といった悩みを抱えている人は、購入を検討してみてはどうだろうか。

ゲームとゲーム向けハードを扱うメディア「LevelUp Logy」の代表取締役&編集長。ゲームの攻略本編集者、ネットワーク周辺機器メーカーのマニュアル制作、週刊アスキー編集者を経て独立。前職から半導体、PC、ガジェット、ゲームと担当の幅は広い。どんなデバイスが、どうゲームを快適にするかを考えるのが好き。最近は社長業、編集者、テクニカルライターと二足どころじゃない草鞋を履いて四苦八苦している。
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